――今大会の日本代表はダルビッシュ有(26=レンジャーズ)らメジャー組が不在だ
野々村氏:まさに、その武士の話と一緒。「刀が短い(メジャー組がいない)から負け」ではダメ。思い切り相手の懐に飛び込んで戦えば大丈夫。
――ところで日本代表の山本浩二監督(66)と面識は
野々村氏:13日に(広島の日南キャンプで)初めてお会いしました。「おお~、テレビで見てるよ」と握手してくれて、うれしかった。「あんた有名人だもんな」と言っていただいて。山中鹿之助は殿様に命をかけて仕えた。選手たちも、山中鹿之助の心意気で山本監督についていってプレーしてほしいですね。
――野々村さんは教育評論家としても活動されている。大阪・桜宮高の体罰問題、日本女子柔道選手へのパワハラ問題についてはどう思うか
野々村氏:(真剣な表情になって)みんなきれいごとを言うけど、理屈じゃ分からない部分はある。体で言って聞かせるのが許される範囲もあるのでは。
――というと
野々村氏 野球は非常に危険なスポーツなんです。私が府中東高(広島)の野球部監督をやっていた20代のころ、部員が目の前で亡くなりました。グラウンドで練習中にヘルメットをかぶっていたのにボールが当たって。ショック性の心臓まひでした。野球がうまい、下手ではない。集中していてもケガをする。気を抜いていたら怒鳴りつけました。
――教え子が亡くなられた一件が指導の原点であり“条件付きで体罰容認”ということですか
野々村氏:そういうことです。例えば、ある野球部の部員たちが電車で帰宅中、身障者の方に嫌がらせをして、その様子をケータイの動画で撮影して回し見していたという一件がありました。そういう子たちの教育を理屈で「人間としてダメだよ」といって改心するでしょうか。私なら間違いなく殴ります。人間として許せない行動を取ったら、体に痛みを与えて、人間をつくり直すしかない。その方が生徒にも“本気で注意してくれたんだ”と伝わると思う。
――体罰は難しい問題
野々村氏 そうなんです。体罰をしないと教育できないわけではない。時には叩いてでも分からせてあげよう、怒鳴ってでもその子を変えてあげようというわけです。極論ですが“体罰一切禁止”となれば、ワガママな子ができて好き放題しだすと思う。当然、学生時代より社会に出た後の方が厳しい世界。弱いまま大人になって「俺はもうダメだ…」と首をつるほうが心配です。
――確かに
野々村氏:私だって卒業生に「監督にあの時、気合を入れてもらわなければ退学していたと思います」と感謝してくれた子がいますから。教師が「ここからが体罰だな」とか「叱るのはここまで」と線引きして常に計算しているようでは、本気の教育はできません。
☆…ののむら・なおみち 1951年12月14日生まれ。島根県出身。広島大卒業後、府中東高の野球部監督などを経て、開星高の教員となり、88年に野球部を創設し、初代監督に就任。93年夏の甲子園に導くなど強豪チームに育てたが2010年春のセンバツ初戦で21世紀枠出場の向陽高(和歌山)に敗れた後「腹を切りたい」などと発言して猛批判を浴び、辞任。11年4月に復帰。12年3月に定年で監督、教職を退職。監督としての甲子園出場は春3回、夏7回。美術科教師でもあったため「山陰のピカソ」とも呼ばれた。3月15日に「強育論」(講談社)を発売予定。
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