経済【主張】春闘と賃上げ 経営者の「覚悟」が必要だ+(1/2ページ)(2013.2.19 03:17

  • [PR]

経済

  • メッセ
  • 印刷

【主張】
春闘と賃上げ 経営者の「覚悟」が必要だ

2013.2.19 03:17 (1/2ページ)主張

 春闘本番だが、経営側が賃上げに対して慎重なのが気がかりだ。安倍晋三首相が経済団体トップと会い賃上げを要請したものの、経済界は「最終的には個々の企業判断」として前向きな回答を示さなかった。

 従業員の賃金が増えない限り、個人消費の回復にはつながらない。業績が改善している企業の経営者は、積極的にボーナスを含めた賃上げに応じる姿勢を見せてほしい。それが、デフレ脱却の一歩にもつながるはずだ。

 今春闘に臨む経団連の基本方針は「ベースアップ(ベア)を実施する余地はなく、定期昇給の実施が主要な論点になる」と定昇の凍結などもあり得るとする厳しい立場だ。円高修正で業績が改善している企業でも、ボーナスの積み増し交渉にとどまっている。

 輸出企業の経営者からみれば、円安になっても海外需要が不透明な中で、どこまで自社の業績が回復するか確信が持てないのだろう。まして日本国内を中心とするサービス業などは、人件費の増加につながる賃上げには踏み切りたくないのが本音だ。

 しかし、名目賃金は平成9年以来、下落傾向が続いている。世界景気の回復と円安によって企業業績が回復した16~19年当時も、賃金はほとんど上がらなかった。雇用確保を優先し、賃上げに労使とも消極的だったためだ。消費者が景気回復を実感できなかったのは当然である。

関連ニュース

  • [PR]
  • [PR]

[PR] お役立ち情報

PR
PR

編集部リコメンド

このページ上に表示されるニュースの見出しおよび記事内容、あるいはリンク先の記事内容は MSN およびマイクロソフトの見解を反映するものではありません。
掲載されている記事・写真などコンテンツの無断転載を禁じます。
© 2013 The Sankei Shimbun & Sankei Digital