痴漢証拠を「捏造」、冤罪被害者側が県警警部補告発へ/神奈川
2013年2月19日
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JR藤沢駅で2010年4月、東京都内に住む50代のアルバイトの男性が痴漢をしたとして県警に逮捕され、その後無罪が確定した冤罪(えんざい)事件があり、男性の妻である会社役員の女性(54)が「捜査報告書が捏造(ねつぞう)された」として19日にも、証拠隠滅(捏造)や虚偽有印公文書作成などの疑いで、現行犯逮捕した県警の男性警部補を横浜地検に告発することが分かった。
女性によると、男性は10年4月、JR藤沢駅に停車中の東海道線電車内で女子高生の体を触ったとして、県警鉄道警察隊に県迷惑防止条例違反容疑で現行犯逮捕された。
男性は当初から一貫して容疑を否認、女子高生は触った相手を見ていなかったが、横浜地検は同罪で起訴。横浜地裁は11年10月、現行犯逮捕した警部補の供述などを証拠に、懲役4月、執行猶予3年の有罪判決を言い渡した。だが、東京高裁は12年4月、弁護側が二審で提出した画像解析の専門家の鑑定結果から、一審判決を破棄し、無罪を言い渡した。数少ない物証だった、警部補がカメラ機能付き携帯電話で撮影するなどした「犯人と思われる男」の画像が、男性とは「別人物の疑いが濃厚」と判断した。
女性は鑑定結果を基に、同警部補が捜査報告書に「別人物の写真を、男性と偽って添付した」と主張。報告書に添付された藤沢駅の防犯カメラの録画画像の接写写真についても、「男性も被害者も写っていない写真を、当時の状況を撮影した証拠写真と偽って提出した」と訴えている。
女性は刑事訴訟法の規定に基づき、一、二審とも「補佐人」として刑事裁判に参加。告発について、女性は「夫は身に覚えがないことで逮捕され、2年間にわたって振り回された。地検は、しっかりと捜査して真実を明らかにしてほしい」と話している。
◆画像鑑定で「別人」
東京高裁での逆転無罪の決め手となったのは、専門家による画像解析の鑑定だった。
痴漢の被害を受けた女子高生は「犯人」を見ていなかったが、男性を現行犯逮捕した県警の警部補は、追跡中の「犯人」の後ろ姿を自らのカメラ機能付き携帯電話で撮影したとして、写真を捜査報告書に添付。被害者と容疑者双方を捉えたJR藤沢駅の防犯カメラ画像を接写したとする写真も添えた。だが、弁護側の依頼で鑑定を行った東京歯科大学の橋本正次教授は、写真に写っているとされた容疑者、被害者はいずれも「別人」と判断。「写真を精査しておらず、証拠としては不十分。このような写真が刑事裁判の証拠として提出されたことに疑問を感じる」と指摘する。
橋本教授は鑑定で、頭髪の生え際状況や肩の形状など人物の特徴を軸に、対象人物と写真とを細かく比較。説明できない相違点が見つかれば、別人と判断する。この手法を用い、捜査機関などからの依頼で数多くの人物特定を行ってきたが、今回の防犯カメラの接写画像のように、証拠提出された写真1枚の中で、容疑者、被害者ともに別人と判断されることは「あり得ない」と橋本教授は話す。
東京高裁は昨年4月の判決で、「専門的知識と十分な経験のある鑑定者が、画像鮮明化、拡大などの合理的な手法を用い、導き出した鑑定結果は十分に信用できる」と、別人と認定した理由を説明。一審横浜地裁が「信用できる」として有罪認定の大きな根拠となった警部補の証言についても、「信用性に重大な疑いを入れる余地がある」と指摘している。
女性によると、男性は10年4月、JR藤沢駅に停車中の東海道線電車内で女子高生の体を触ったとして、県警鉄道警察隊に県迷惑防止条例違反容疑で現行犯逮捕された。
男性は当初から一貫して容疑を否認、女子高生は触った相手を見ていなかったが、横浜地検は同罪で起訴。横浜地裁は11年10月、現行犯逮捕した警部補の供述などを証拠に、懲役4月、執行猶予3年の有罪判決を言い渡した。だが、東京高裁は12年4月、弁護側が二審で提出した画像解析の専門家の鑑定結果から、一審判決を破棄し、無罪を言い渡した。数少ない物証だった、警部補がカメラ機能付き携帯電話で撮影するなどした「犯人と思われる男」の画像が、男性とは「別人物の疑いが濃厚」と判断した。
女性は鑑定結果を基に、同警部補が捜査報告書に「別人物の写真を、男性と偽って添付した」と主張。報告書に添付された藤沢駅の防犯カメラの録画画像の接写写真についても、「男性も被害者も写っていない写真を、当時の状況を撮影した証拠写真と偽って提出した」と訴えている。
女性は刑事訴訟法の規定に基づき、一、二審とも「補佐人」として刑事裁判に参加。告発について、女性は「夫は身に覚えがないことで逮捕され、2年間にわたって振り回された。地検は、しっかりと捜査して真実を明らかにしてほしい」と話している。
◆画像鑑定で「別人」
東京高裁での逆転無罪の決め手となったのは、専門家による画像解析の鑑定だった。
痴漢の被害を受けた女子高生は「犯人」を見ていなかったが、男性を現行犯逮捕した県警の警部補は、追跡中の「犯人」の後ろ姿を自らのカメラ機能付き携帯電話で撮影したとして、写真を捜査報告書に添付。被害者と容疑者双方を捉えたJR藤沢駅の防犯カメラ画像を接写したとする写真も添えた。だが、弁護側の依頼で鑑定を行った東京歯科大学の橋本正次教授は、写真に写っているとされた容疑者、被害者はいずれも「別人」と判断。「写真を精査しておらず、証拠としては不十分。このような写真が刑事裁判の証拠として提出されたことに疑問を感じる」と指摘する。
橋本教授は鑑定で、頭髪の生え際状況や肩の形状など人物の特徴を軸に、対象人物と写真とを細かく比較。説明できない相違点が見つかれば、別人と判断する。この手法を用い、捜査機関などからの依頼で数多くの人物特定を行ってきたが、今回の防犯カメラの接写画像のように、証拠提出された写真1枚の中で、容疑者、被害者ともに別人と判断されることは「あり得ない」と橋本教授は話す。
東京高裁は昨年4月の判決で、「専門的知識と十分な経験のある鑑定者が、画像鮮明化、拡大などの合理的な手法を用い、導き出した鑑定結果は十分に信用できる」と、別人と認定した理由を説明。一審横浜地裁が「信用できる」として有罪認定の大きな根拠となった警部補の証言についても、「信用性に重大な疑いを入れる余地がある」と指摘している。
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