2013年02月19日
「スマートバレー」に挑む―ゲーリー・サトウ新監督が決意表明 全日本男子チーム監督内定記者会見
(写真は左から、中野会長、サトウ新監督、森田強化事業本部長)
全日本男子チーム・龍神NIPPONの新しい指導者に決まった、日系アメリカ人のゲーリー・サトウ新監督(58歳)が2月19日、都内で監督内定記者会見を行いました。
サトウ新監督は「2016年リオデジャネイロオリンピックに向け、出場権を獲得するだけでなく、もちろんメダルを獲れるチームに育て、強化していくことが目標。どの大会に向けてもしっかりとした準備をしたい」と決意を述べ、さらに「チャレンジが好き。とにかくバレーに対しての情熱は人一倍持っている。学ぶこと、教えることも大好き」と、クールに話しながらも、要所では強い意志がのぞいていました。
全日本の監督に外国人が選任されるのは、男女を通じて初めて。サトウ監督は「チャレンジが好きで一番になるのも好き。まさにその状況にあるので、楽しみ」と嬉しそうに話しました。
またサトウ新監督が目指すのは一言で表すと『スマートバレー』で、「正しい状況判断が備わらなくては勝てない」という独自の哲学についても語りました。
今後は現在開催中のV・プレミアリーグのファイナルなどを視察し、5月末に開幕する「FIVBワールドリーグ2013」が、最初に指揮を執る国際試合になる予定です。
■全日本男子監督 ゲーリー・サトウ
自分を信頼してもらい指揮を執ることになり大変光栄。日本の文化、バレーボールに対して大きな敬意を持っている。日本はメディアのサポートが素晴らしく、大会運営も素晴らしい。自分もできるだけ盛り上げていきたい。短い期間にやらなくてはならないことが沢山あるが、それが楽しみであり、今からわくわくしている。日本のバレーボール界がひとつになれば、何か特別なものを作り上げていけるのではないかと信じている。(日本の選手は身長が低いが)スキルが高く、テクニックも能力も持っている。これからは少しでも長い時間を選手とともに過ごし、どういう部分を伸ばしていくかを考えたい。まずはスタッフを決め、選手を合宿に召集して、スタートしていきたい。日本はレシーブが巧い印象。それを攻撃に繋げ、サイドアウトを取っていくこと(※)に重点を置きたい。課題はやはりブロックだと思う。ブロックのシステムや戦略、知識を作り変えていきたい。(今後の選手選考について)スポーツ選手はバレーボールでもバスケットボールでも、勝利へのメンタリティを持っていなければならない。前向きで、自発的で、情熱を持っていることが大事。
■会長 中野泰三郎
久しくメダルから遠ざかっている全日本男子。世界ランキングも現在19位と低迷している中で、流れを変えて新たな視点で考えていかないと前に進まない。サトウ氏は常に世界のトップチームにいて好成績を挙げてきた。客観的に日本を外から見てきた人だし、チームをゼロベースで考えられる人だと思う。遠慮せず自分の考えを貫いてほしい。日本の伝統に、サトウ氏の緻密で合理的でポジティブな考え方が加わり、1+1が3、4になっていくことを期待している。バレー界全体でバックアップしていきたい。
■強化事業本部本部長 森田淳悟
新監督が決まるまで長かったが、サトウ氏に全日本男子の舵を任せることになった。世界ランキングも上位に持っていってもらいたいし、今まで培ってきた経験から全日本を引っ張ってもらい、早く世界のトップクラスに位置づく全日本を作ってもらいたい。サトウ氏はデータを重視するなど、緻密なところがあり、安心して指揮を任せられる。早く選手とスタッフが一体となって船出ができるよう、我々もできるだけ後押しをしていきたい。
※サイドアウト...相手サーブ時に得点を挙げて、サーブ権を奪うこと。