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最終更新:2013年2月20日(水) 5時23分

中国からの大気汚染、黄砂+花粉で三重苦も

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 今、日本でも影響が心配されている中国の大気汚染。実は、これから増える花粉と、さらに黄砂と合わさることで、アレルギーのトリプルパンチを引き起こす可能性があります。何か対策はないのでしょうか。汚染観測の秘密兵器を取材しました。

 日本にも飛び火した微小粒子状物質「PM2.5」による中国の大気汚染。19日夜、茨城県つくば市では・・・暗闇に放たれる一筋の光。強力なレーザー光線を使い、24時間態勢で汚染物質を観測しているのです。「エアロゾルライダー」と呼ばれるこの装置は、レーザー光線を真上に照射。それは成層圏まで届き、上空およそ35キロも測定可能だということです。レーザー光線は空気中の汚染物質など細かい粒子に反射し、その戻ってくる光を分析することで濃度や分布の状況がわかるのです。

Q.中国から飛来してくるPM2.5のように小さな粒子でも光は返ってくる?
 「はい、十分返ってきます」(気象庁気象研究所 永井智広主任研究員)

 画像化されたデータ。上の画面では赤くなるほど粒子の量が多いことを示し、下の画面からは色の変化で粒子の形状が識別できるということです。

 「長期的に大気中にある微小な粒子がどういう変化をしていくか、その変化を長い目で追っかけることでいろんなことがわかってくる」(気象庁気象研究所 永井智広主任研究員)

 19日夜の観測データでは、上空の微粒子に大きな変化は出ていないということです。

 北京では旧正月にあたる春@a$,L@$1!"?M!9$,La$C$F$-$F$$$^$7$?!#

 「北京の空気は永遠に悪そう」(旧正月を故郷で過ごした人)

 北京のアメリカ大使館によりますと、PM2.5の数値は31と、日本の環境基準を下回りましたが、まだ、工場が本格的な稼働をしていないためという見方もあります。しかし、上海や広州などではPM2.5の数値が日本の環境基準を上回り、都市活動が本格化すれば、さらに悪化する可能性が懸念されています。

 しかし、日本で本当に注意が必要なのはこれからです。

 「鼻水がタラタラ、白い液がタラタラ」(花粉症の患者)

 去年の2〜7倍に増えるという今年の花粉。PM2.5と一緒に吸い込むと・・・

 「花粉と汚染物質(PM2.5)がくっつくと、何倍にもアレルギーを起こす力が増えてくる」(松山赤十字病院 小谷信行医師)

 さらに、3月ごろからは中国から黄砂が飛んで来ます。黄砂とPM2.5など汚染物質との関係を研究している市瀬教授によりますと、PM2.5は酸性、黄砂はアルカリ性のため、くっつきやすい性質があるといいます。すると・・・

 「(PM2.5など)大気汚染物質がたくさんついている黄砂の方がアレルギーやぜんそくの病態を悪くする」(大分県立看護科学大学 市瀬孝道教授)

 PM2.5と黄砂、さらには花粉、この3つの相乗効果でアレルギー症状やぜんそくを悪化させる可能性があるといいます。最悪のトリプルパンチです。体をむしばむ粒子の三重苦に有効な手立ては見つかるでしょうか。 (20日00:07)

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