国際旧王国の末裔がボルネオ島に不法上陸 サバ領有権問題に脚光-フィリピンとマレーシア+(1/2ページ)(2013.2.19 22:51

  • [PR]

国際

  • メッセ
  • 印刷

旧王国の末裔がボルネオ島に不法上陸 サバ領有権問題に脚光-フィリピンとマレーシア

2013.2.19 22:51 (1/2ページ)

 【シンガポール=青木伸行】マレーシアのボルネオ島北部サバ州に、フィリピン南部ミンダナオ島から、「スールー王国軍」を名乗るイスラム教徒400人が不法上陸した。一部が武装しており、治安部隊に包囲されている。サバ州をめぐり両国は、15世紀に成立したとされるイスラム教国「スールー王国」の歴史に根ざす領有権問題を抱えており、事件は棚上げ状態の争いに再び光をあてている。

 グループは今月中旬、サバ州ラハド・ダトゥの海岸に不法上陸した。リーダーはスールー王国のスルタン(君主)の末裔(まつえい)、ラジャ・ムダ・アジムディン・キラム氏。反政府武装勢力「モロ・イスラム解放戦線」(MILF)の元メンバーも含まれている。

 マレーシアのナジブ首相は、治安部隊と陸・海軍を派遣し「流血の事態を避け、平和裏に彼らを退去させる。軍は事態を掌握している」としている。グループは抵抗せず、警察が交渉に当たっている。一方、フィリピン側は「身柄の安全と、平和的な解決」(大統領報道官)を求めている。

 歴史をひもとくと、15世紀半ばに、フィリピン南西端のスールー諸島を中心に成立したとされるスールー王国の領土は、現在のサバ州にも及んでいた。その後、スペインによる占領時代などを経て1897年、フィリピンが米国に併合されると、王国も終焉(しゅうえん)した。

関連ニュース

  • [PR]
  • [PR]

[PR] お役立ち情報

PR
PR

編集部リコメンド

このページ上に表示されるニュースの見出しおよび記事内容、あるいはリンク先の記事内容は MSN およびマイクロソフトの見解を反映するものではありません。
掲載されている記事・写真などコンテンツの無断転載を禁じます。
© 2013 The Sankei Shimbun & Sankei Digital