闇サイト殺人:面会の立ち会い、国敗訴 名古屋地裁
毎日新聞 2013年02月20日 00時06分
インターネットサイトで知り合った男3人が07年、当時31歳の女性を拉致、殺害した「闇サイト殺人事件」の神田司死刑囚(41)=名古屋拘置所在監=と弁護士2人が、「拘置所での面会に職員が立ち会ったため、秘密交通権を侵害された」などとして、国に慰謝料など2700万円の支払いを求めた訴訟の判決が19日、名古屋地裁であった。徳永幸蔵裁判長は国に約145万円の支払いを命じた。
問題となった面会は、当時被告だった死刑囚と弁護士らが控訴などについて協議した19回と、今回の訴訟について話し合った6回。いずれも職員立ち会いなしの面会を求めたが認められなかった。
判決は、控訴などの協議について「立ち会いによる心理的影響を排除する必要性は非常に高い」と指摘。さらに、訴訟に関する面会について「紛争の相手方である拘置所の職員が立ち会えば、死刑囚の利益を害する恐れがある」とし、立ち会わせた拘置所長の判断が裁量権を逸脱、乱用していると判断した。
名古屋拘置所は「判決を精査して対応を検討する」とのコメントを出した。【山口知】