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留学生の味方 東北大、災害時の行動指針 ハンドブックに
東北大は、留学生向けに災害発生時の行動指針をまとめたハンドブックを作成し、今年秋に入学する留学生から配布を始める。留学生は日本語力に個人差があり、東日本大震災では日本語で得られる情報量の差が冷静に行動できるかどうかの分かれ目になった。東北大はハンドブックで情報提供し、留学生の不安軽減に努める。
ハンドブックは、日本が地震国であることを明記した上で、地震からの身の守り方や学内外の避難場所を解説。大学との安否確認、母国の大使館や家族への連絡方法なども具体的に盛り込む。 東北大は昨年6〜7月に、在籍する留学生1431人から震災発生時の行動について聞いた。回答した739人のうち53%が震災時も在籍し、その半数以上がキャンパス内で被災していた。 発生からの1週間に留学生が取った行動を詳しく分析すると、比較的日本語の得意な学生が多い学部は、日本のメディアや日本人の友人を通じて情報を得て、冷静に行動する傾向がみられた。 一方、大学院生は日常会話で主に英語を使っているため適切な情報を得られず、日本を離れるケースが目立った。震災時は春休み中で、指導教官や研究室の友人が近くにいなかった影響も大きかった。 出身国の国情の違いも浮き彫りになった。震災発生から間もなく大使館が直接安否確認に動いた国がある一方で、発信源の不明な情報に留学生が大きく振り回されるケースもあった。 分析に当たった東北大国際交流センターの末松和子教授は「将来は大学間で相互に協定を取り交わし、手分けして被災した留学生を一時受け入れする態勢も構築できるといい」と話している。
2013年02月20日水曜日
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