【ＢＯＸ】黒田のトレーナー、王者の質疑応答中に挑発発言

レベコの練習を見つめる黒田陣営の孫トレーナー（右）

　◆プロボクシング世界タイトルマッチ　▽ＷＢＡ世界フライ級戦　王者・ファン・カルロス・レベコ─同級９位・黒田雅之（２７日、神奈川・川崎市とどろきアリーナ）　ＷＢＡ世界フライ級９位・黒田雅之の師匠であるトレーナーの孫創基（ソン・チャンギ）氏（３９）が１９日、弟子の代わりに同級王者ファン・カルロス・レベコに「宣戦布告」した。都内の青木ジムで行われたレベコの公開練習を視察し、王者陣営をにらみつけた。

　不意打ちだ。レベコへの質疑応答で、孫氏が鋭い眼光で「黒田のトレーナーです。試合当日は捨て身で行くので注意して下さい」と言い放った。王者サイドへの“先制パンチ”に、隣にいたホルヘ・アリアス・トレーナーは「我々はリラックスしている。ただ、試合は違うからそうはいかない」と何とかやり返した。

　孫氏は「王者に自分がトレーナーと知ってもらいたくて…」と挑発を否定し、単なるアピールと主張。「体は小さいけど、王者のオーラがある」とレベコの印象を語ったが、１時間にわたった練習では、王者の一挙手一投足を見落とさぬように“ガン見”してプレッシャーをかけ続けた。

　創設１１年目のジム初の世界挑戦とあって、陣営は前哨戦から闘志十分だ。所属ジムの新田渉世会長（４５）は「強そう。手がよく出るし、ハートもタフそう」とレベコを見定めつつ、「いかに相手より先に手を出せるか」と戦略をイメージ。「“等々力の奇跡”を信じて全力でぶつかる」と不利な下馬評を覆すつもりだ。