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事件
【科学】大気汚染物質「PM2・5」 中国からの飛来量は平年並み
2013.2.18 08:52
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■専門家「冷静な対応を」
中国に深刻な大気汚染をもたらしている有害な微小粒子状物質「PM2・5」が日本各地に飛来し、健康への不安が高まっている。だが、実は日本への飛来は10年以上前に始まっており、今冬も平年並みの見通しだ。呼吸器などに持病がある人は注意が必要との指摘もあるが、直ちに悪影響はなく、専門家は冷静な対応を呼び掛けている。(伊藤壽一郎)
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■微小な粒子状物質
PM2・5は特定の物質の名称ではなく、大気中に浮遊する粒子状物質(PM)のうち、直径2・5マイクロメートル(マイクロは100万分の1)以下の総称だ。ディーゼル車や工場の排ガスに含まれるすす成分が代表格で、硫黄酸化物や窒素酸化物など多様な物質を含む。
直径は髪の毛の太さの30分の1程度と極めて小さく、普通のマスクでは防げない。肺の毛細血管に入り込むと、呼吸器だけでなく循環器系に悪影響を及ぼす可能性がある。日本では大気1立方メートル当たり日平均35マイクログラム以下、年平均15マイクログラム以下の環境基準が定められている。
中国は急速な工業化が進んでいる上、今冬は寒さが厳しく石炭暖房の利用が急増し、北部を中心に大気汚染が過去最悪レベルに。一時、大気1立方メートル当たり900マイクログラムに達した北京市では、住民に外出自粛を呼び掛ける事態に陥った。
日本でも今年に入って、九州から北海道までの各地で日平均基準を超える濃度が相次いで検出された。中国に近い福岡県では「大丈夫なのか」「どう対応すればいいか」など、住民から1日30件以上の問い合わせが県環境保全課に寄せられている。
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