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事件
【科学】大気汚染物質「PM2・5」 中国からの飛来量は平年並み
2013.2.18 08:52
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■10年以上前から飛来
こうした状況について、九州大の竹村俊彦准教授(大気環境学)は「PM2・5の飛来は10年以上前から知られており、今に始まったことではない。冷静に対応すべきだ」と指摘する。
中国で発生したPM2・5は、冬の冷たい空気がふたの役割をして、あまり上空へ拡散せず、高度千メートル程度までの安定した大気層に滞留する。北京市が日中でも薄暗いのはこのためだ。
この大気層は気象条件に応じて日本へ移動する。顕著なのは3~6月で、東へ向かう春の移動性高気圧に運ばれてやって来る。北西の風が吹く冬場は時々来る程度で、南風が多い夏場は一番少ない。
竹村准教授は2007年から、この飛来メカニズムを中国の化石燃料の消費量の推定値と気象条件に基づく拡散シミュレーションで解明。PM2・5がほぼ日本全域に到達することも指摘していた。
国内での急激な不安の高まりについては「PM2・5が一般に知られていない中で、中国の汚染状況がショッキングに伝えられたためだろう」と話す。
日本のPM2・5の環境基準が定められたのは09年。これを受けて各都道府県で観測システムの整備が始まったが、実際の観測は“最前線”の福岡県でも11年度から。全国的には、ほとんど知られていない存在だった。
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