伝家のつゆも…女将、涙　創業１３３年のそば店で火災

出火した東京都千代田区の老舗そば店「かんだやぶそば」 Photo By スポニチ

　東京都千代田区神田淡路町で１９日午後７時２０分ごろ、創業約１３０年の老舗そば店「かんだやぶそば」から出火、木造の店舗と隣接する建物など計５棟、約１９０平方メートルに延焼した。警視庁神田署によると、店は当時営業中で、客約２０人と店員１５人ほどがいたが、避難してケガはなかった。

　１８８０年創業。都によると、現在の木造２階建ての建物は１９２３年に建設され、都の歴史的建造物に選定されている。建物からは黒煙が激しく上がり、周辺は一時騒然となった。

　神田署によると「ダクトが燃えている」と通報があった。調理中に停電となり、その後、煙が出たという。同署と消防が出火原因などを調べている。女将の堀田ますみさん（６８）は「月に一度防火点検をしてもらっていたが、古い建物だから漏電があったのかもしれない。代々受け継いだそばつゆもあったのに…」と涙を浮かべた。現場はＪＲ秋葉原駅の西約３００メートルのオフィスビルや商店が立ち並ぶ地域。