偽隕石にご注意　ネット販売１個30万円

ロシア・ウラル地方チェリャビンスク州の隕石だとして、10万ルーブルで販売を持ち掛けるインターネットのサイト Photo By 共同

　「ロシア・チェリャビンスクの隕石売ります。１個１０万ルーブル（約３０万円）」。こんな書き込みが１８日までにインターネット上に出回り始めた。現地での隕石爆発騒ぎを利用し、金もうけを狙っているとみられる。

　これに対し、ロシア科学アカデミー隕石委員会の専門家グロホフスキー氏は「れんがにだって『隕石』と名付けられる。隕石委に登録され、国際的な目録に載って初めてその物体は公式に隕石となる」とロシア紙に話し、偽物の可能性を強く示唆した。

　ロシアでは、月収が３万ルーブル（約９万円）あれば中間層だとされている。真偽不明の「隕石」をその３倍以上の値で売るのはかなりの“暴利”だ。

　ロシアの警察は「素性の分からないものは買わないで」と要請するとともに、「隕石」販売サイトのチェックを開始。場合によっては刑事事件として立件することもあり得ると警告した。

　チェリャビンスク州のムログ副知事は１６日、隕石の一部が落下したとされるチェバルクリ湖の底からは「何も見つからなかった」として、捜索中止を発表。一方、湖の氷上にあった鉱物の小さな破片については、グロホフスキー氏らが１７日、隕石と断定した。

　同州などウラル地方は珍しい石の産地として知られる。チェリャビンスク市街の石細工の土産物屋が並ぶ一角には「隕石」も売られているが、店長は「これは極東沿海地方産で証明書付き。チェリャビンスク産はまだないよ」と笑った。（共同）