ヒチコックの「鳥」が現実に　数百万羽が襲来

　米ケンタッキー州ホプキンスビルで今冬、アルフレッド・ヒチコック監督のパニックホラー映画「鳥」さながらの現象が発生していることが１８日までに明らかになった。

　人口約３万５０００人の同市に、ムクドリモドキなどの鳥の大群が襲来しており、数は数百万羽に及ぶとみられる。ある住民は「リンゴの木が真っ白けになってしまったんだ」と嘆く。地元の歴史家ウィリアム・ターナー氏は「鳥たちによって太陽もさえぎられてしまうかもしれない」と警鐘を鳴らし、１９７０年代後半以降で最悪の襲来だと語った。

　米疾病対策センター（ＣＤＣ）のウェブサイトによると、辺り一面を真っ白にするほどの大量のふんが、真菌症の一種であるヒストプラスマ症を媒介する恐れもある。発症すると、肺炎に似た症状を引き起こしたり、犬の場合は死んだりすることもあるという。鳥の愛好家で、同市の高校で生物学を教えるデービッド・チャイルズ氏は、鳥の襲来が気候温暖化と関係しているとの見方を示した。

　ヒチコック監督の「鳥」は１９６３年に公開。今回のケースと同じように、カリフォルニア州の小さな街に原因不明の鳥が大量発生し、住民たちを襲来する恐怖を描いており、後の「ジョーズ」（７５年）などにつながるパニック映画の原点とされている。

（2013年2月19日06時04分  スポーツ報知）

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