【レスリング】沙保里は女性委員の対象外！福田会長、安倍首相に存続支援要請へ

　日本レスリング協会の福田富昭会長（７１）は１８日深夜、副会長を務める国際レスリング連盟（ＦＩＬＡ）の理事会を終え、タイのプーケットから羽田空港着の航空機で帰国した。

　レスリングが２０年夏季五輪から外れる危機を受け、理事会は「女性委員会」「倫理委員会」の設置を決定。五輪３連覇の吉田沙保里（３０）＝ＡＬＳＯＫ＝を女性委員や競技存続を訴える「ＦＩＬＡ大使」に起用する案が浮上しているが、「現役は難しい。過去に実績のある人にやってもらう」と吉田は対象外との見解を示した。

　ただ、野球＆ソフトボールや空手などの７競技と実施を争う５月のＩＯＣ理事会（サンクトペテルブルク）には「スケジュールが合えば来てほしい」とラブコールを送り、元名選手のアレクサンドル・カレリン氏（ロシア）とともに女王としてプレゼンテーションへの参加を呼びかけた。

　吉田はこの日、名古屋国税局のイベントに出席。女性委員や大使への就任について「自分は現役なので、まだ考えられない」と慎重だったが、選手の立場から「私たちにできることを考えて協力し、何とか復活できるように頑張りたい」と改めて五輪競技残留へ尽力すると誓った。

　福田会長はまた「各国レスリング協会は、国のトップへ（支援を）お願いすると聞いている。日本もそうしなきゃいけない。これからお願いする」と安倍晋三首相（５８）ら国政のトップに五輪存続を訴え、協力を依頼する考えを示した。日本は人気の野球＆ソフトボールも五輪復帰を目指しており、レスリングだけ特別の支援を受けられるかは微妙だが、安倍首相から協力の約束を得られれば存続へ国を挙げたうねりが生まれると期待している。

　日本レスリング協会は今週中にも緊急理事会を開き、善後策を協議する。五輪実施競技の決定は９月のＩＯＣ総会（アルゼンチン・ブエノスアイレス）までずれ込む可能性もあり、福田会長は「勝負はこれからになる」と巻き返しを誓った。