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公開中の映画 違法投稿相次ぐ
2月15日 17時16分

公開中の映画 違法投稿相次ぐ
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国内で公開中の映画が、先月からインターネットの動画投稿サイトに相次いで違法に投稿されていることが、映画会社などの調査で分かりました。
これらの多くは劇場で盗撮したものとみられ、映画会社は、悪質なものについては警察に告訴する方針です。

映画会社などの調査によりますと、国内で公開中の映画がインターネットの動画投稿サイトに違法に投稿されるケースが、先月から相次いでいることが分かりました。
投稿が確認された映画は、「ONEPIECE FILMZ」や「エヴァンゲリヲン新劇場版:Q」といった日本のアニメーション映画や、「007スカイフォール」「テッド」といった洋画の人気作品など、現在、公開中の10作品以上に上ります。
このうち、「エヴァンゲリヲン新劇場版:Q」は、劇場で上映中に盗撮したものとみられ、先月19日に投稿されたあと、10万回以上再生されています。
作品の多くは、映画会社の申告に基づいて削除されましたが、その後、再び投稿されるケースもあり、映画会社などでは監視を強化するとともに、悪質なものについては警察に告訴する方針です。
日本国際映画著作権協会の味村隆司社長は、「上映中のものだけでなく、DVDレンタル開始直後の映画が違法に投稿されるケースも増えており、強い危機感を感じている。動画サイト側と協力して対策を強化していきたい」と話しています。

違法投稿サイト 有料視聴で収益も

違法に投稿された公開中の映画のほとんどは、本社やサーバーを海外に置く、ある日本人向けの動画サイトで見つかりました。
このサイトは、違法な動画を一部の利用者には有料で視聴させ、収益をあげています。
さらに、動画を投稿した人も動画の人気などに応じて、アフィリエイトと呼ばれる広告収入を得ているとみられます。
このサイトは、本社やサーバーが日本にはないため、映画会社などは、自発的に確認して削除を求める以外、有効な対策は取れていないということです。
こうした現状について、NHKがサイトの運営会社に取材を申し込んだところ、「適切に対応している」とメールで回答を寄せました。
動画の違法投稿に対しては、大手のサイトは、自動的に違法動画を検出する仕組みや自主的なパトロールによる削除などを進めていますが、こうしたサイトにも、違法な投稿は相次いでいます。

著作権侵害 被害額235億円

日本国際映画著作権協会の調査によりますと、動画投稿サイトや海賊版DVDの販売などによる映画の著作権侵害による被害額は、年間235億円に上るとみられています。
映画の海賊版は従来、主に「Winny」や「Share」などといったファイル交換ソフトを使ってやり取りされていました。
しかし、最近は、利用が簡単な動画サイトでも、長時間の映画を投稿できるようになり、高画質化も進んだため、違法な投稿が増えているということです。
さらに、上映中の映画だけでなく、DVDレンタルが始まったばかりの映画がすぐにコピーされ、投稿されるケースも相次いでいます。
このため、日本国際映画著作権協会では、調査員が毎日、動画を一つ一つ見て確認し、違法なものの削除要請をしていて、その数は年間およそ2000件に上るということです。
著作権に詳しい福井健策弁護士は、「明らかに著作権を侵害する違法な動画を大量にアップロードさせて収益を得ているような悪質なサイトについては、映画会社側もコストをかけて訴訟などの対策をすることもやむをえないと思う」と話しています。
また、動画サイトの運営者に対しては「自動的に違法な動画をブロックしたり、自主的にパトロールして動画を削除したりするなどの対策を早々に進める必要がある」と指摘しています。

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