PC遠隔操作:片山容疑者、職場に溶け込み…社長は困惑
毎日新聞 2013年02月18日 20時53分(最終更新 02月19日 01時38分)
パソコン遠隔操作事件を巡り、片山祐輔容疑者(30)が威力業務妨害容疑で逮捕されてから間もなく10日。否認を続ける片山容疑者にはパソコンマニアで思い込みの激しいところがあるという半面、「話しかけやすいタイプ」「仕事もできた」との評価もあった。知人らは事件を複雑な思いで見詰める。
「すぐに容疑を認めたが反省の色はなかった」。8年前、インターネット上の別の脅迫事件で片山容疑者を逮捕した捜査幹部は当時をこう語る。
話し下手だったが、事件については詳細に供述。特にパソコンの技術については「調べ官に『一から教えてくれ』と言われると、素直に説明した。好きなことはよくしゃべった」という。
公判では罪を認め、学生時代のいじめや就職活動での挫折を事件の一因として語った。
「現実でうまく人と付き合えなくてもネットではみんなが注目してくれる。それが気持ちよかったんだろう」。今回の事件の発覚後、当時の捜査員の間に片山容疑者を疑う声もあったという。
片山容疑者は地元の小学校を経て、名門私立中学・高校に進学。中学同級生の男性は「自分から話すことは少なかったが、話しかければ会話に乗ってきた」と振り返る。特定の級友と仲がよかった記憶はないが、孤立していた印象もない。
ただ、前回の裁判での「いじめを受けていた」という供述には疑問を感じた。同級生の間でも「そんなことはなかった」と話題になったという。再び逮捕されたことには驚いたが「何を考えているのか当時もよく分からなかった」とも話した。
実刑判決後の08年2月に片山容疑者が就職した東京都内のIT関連企業。面接した社長は「受け答えもしっかりしている。学歴もいい。年齢の割に技術も身につけている」と評価する。8年前の事件は知らなかった。
同僚と酒を飲みに行ったり、趣味のオートバイの話題に興じたりし職場に溶け込んでもいた。物事の好き嫌いが激しい印象もあったが、「この業界の技術者にありがち」と気に留めなかったという。片山容疑者は逮捕後、「真犯人は別にいる」と一貫して否認。社長は「あんな大それた事件を起こすとは思えない」と話した。【喜浦遊、浅野翔太郎、和田浩幸】