米シカゴ:「麻薬犯罪王」凶悪犯トップに カポネより危険
毎日新聞 2013年02月16日 18時36分(最終更新 02月16日 23時22分)
【メキシコ市・國枝すみれ】米麻薬取締局(DEA)とシカゴ犯罪委員会は14日、メキシコの麻薬密輸犯罪組織シナロア・カルテルの首領ホアキン・グスマン容疑者(58)=通称エルチャポ(ちび)=をシカゴの凶悪犯指名手配リストのトップに指定したと発表した。「凶悪犯」指定は禁酒法時代にシカゴを拠点に「暗黒街の帝王」と呼ばれたギャング、アル・カポネ以来だが、当局は「アル・カポネよりずっと危険」としている。
DEAなどによると、グスマン容疑者はシカゴを中心に米中西部に月1500〜2000キロのコカインを供給しているとされる。シナロア・カルテルの違法ビジネスは世界規模に拡大している。グスマン容疑者の資産は推定10億ドル(約935億円)。米フォーブス誌の長者番付入りし、12年世界影響力ランキングでは63位。米国は11年に同時多発テロの主導者ウサマ・ビンラディン容疑者を殺害後、グスマン容疑者を次の標的とみなしている。ライリーDEA特別捜査官は「対戦したらグスマンは生きたままアル・カポネを食ってしまうだろう」と形容した。
グスマン容疑者は01年にメキシコの刑務所を脱走し逃亡中。情報提供者に500万ドル(約4億6800万円)の懸賞金が提供される。