福島健康調査検討委:山下座長が辞意
毎日新聞 2013年02月13日 20時47分(最終更新 02月13日 21時49分)
東京電力福島第1原発事故を受け福島県が実施している県民健康管理調査の検討委員会が13日、福島市内で開かれ、終了後の記者会見で座長の山下俊一・県立医大副学長が検討委から退く意向を示した。検討委を巡っては秘密会の開催が発覚するなど不透明な運営が問題視されていた。
この日の検討委で県は、5月の次回検討委までに設置目的や委員の構成を見直す新たな改善策を提示する方針を示し、委員構成では「客観性」を重視するとした。このため終了後の会見で、山下氏が県から委託を受け調査する県立医大の副学長と、委託元である県の検討委座長を兼任する点について客観性を疑問視する質問が出た。山下氏は「判断は県に預けている。両方の立場を兼ねているが、私がこの場にとどまるのは不適切だ」と述べた。
山下氏は震災直後、長崎大から県立医大に移り、座長に就任。検討委を巡っては秘密会のほか議事録から内部被ばくに関する記述を削除し公開するなど問題が次々と発覚。県は外部委員を増やすなどの改善策を示したが、県弁護士会が「抜本的改善にほど遠い」と委員派遣要請を断るなど、批判が収まらなかった。【日野行介】