研究報告第43号-005
[2012年6月11日]
イチゴ促成栽培では、一部の品種に奇形果が発生する。
現在、国内で普及している一季成り性の6品種を用い、花粉稔性、奇形果発生程度及びその因果関係について検討した。
供試品種は「ゆめのか」、「とちおとめ」、「章姫」、「さがほのか」、「熊研 い 548」(以下「ひのしずく」)及び「やよいひめ」とした。花粉稔性の指標には花粉発芽率を用いた。
加温(5℃確保)条件下における花粉発芽率は1~2月に低下し、「ゆめのか」及び「とちおとめ」では10%以下、その他の品種では20%前後を示した。
加温条件及び無加温条件における花粉稔性を調査した結果、無加温条件下で得た花粉は、いずれの品種においても加温条件下で得た花粉と同様な発芽率であった。
1月にミツバチで受粉した果実は、「ひのしずく」及び「やよいひめ」で不受精による奇形果が多発した。一方、花粉稔性が著しく低かった「ゆめのか」及び「とちおとめ」では、それらの品種より奇形果が少なかった。
1月及び3月に自家受粉して果実を調査した結果、花粉稔性と奇形果発生程度との間に相関は認められなかった。
樋江井清隆:園芸研究部(現豊田加茂農林水産事務所)
榊原政弘:園芸研究部(現東三河農業研究所)
イチゴ促成栽培における花粉稔性及び奇形果発生の品種間差異
研究報告第43号「イチゴ促成栽培における花粉稔性及び奇形果発生の品種間差異」の本文です。
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