【民事訴訟の場合】
1)訴えの提起
まず、どこの裁判所に訴えるかを、
裁判所の管轄(かんかつ=どこの裁判所で取り扱うべきか)を調べたうえで決めます。
通常の争いだと、店舗のあるところになったりもしますが、
私は法律書も調べて、「通販で不法行為もとれるから、管轄は当事者アリスの地方裁判所で問題ないだろう」
と考え
(この話には後日談があるので、一応、頭の片隅にとどめておいてくださいね
次に、裁判所に何を訴えるか、どんな内容の判決を求めるかによって、
給付の訴え、確認の訴え、形成の訴え、というのに分かれますが、
まあ、弁護士さんたてるなら、その辺は考えてくれます。
また、請求額が少額であれば、少額訴訟(しょうがくそしょうというのを自分で起こす
(=本人訴訟になります)ことができますよ
これだと、自分一人でできて、一日で済みますし、
自分の住んでるところでそれぞれが少額訴訟を起こせば、
相手に大きな打撃を与えることも可能です。
余談ですが、自分がもしかしたら訴訟をしなければならないかも・・・と思ったときに
とても参考になったサイトが、
反『神世界』のサイト:ヒーリングサロンによる被害でした。
神世界というのは、ヒーリングサロンというのを窓口にしていた霊感商法です。
ここの被害者が、サイトや掲示板を立ち上げて、
何回かにわけて集団訴訟をおこない、
霊感商法専門の弁護士事務所をたてて、民事・刑事の両方から、
あらゆる手段を使って争いました。
その結果、教祖逮捕にまで至り、
少し前に「全面勝訴的和解」というので、訴えた人だけ決着を見たところです。
しかし、その後、神世界はこそっと解散したため、
後の人は泣き寝入り・・・ということになったようです。
ただ、このサイト自体よくできていて、とても参考になります。
さて訴訟に話を戻しますね。
通常の民事訴訟手続きだと、
弁護士さんに書類(訴状、準備書面)を作ってもらって、
証拠書類(書証(しょしょう)といいます。これ、大事
これらの書類は、原本は裁判所、
あとは相手方と自分の控えが最低限必要になるので、
証拠書類が多い場合は、かなりの負担になります。
そして、『第一回口頭弁論』から、第一審の審理が始まります。
一応、法律的な説明をしておきますと。
民事訴訟は、当事者の一方が訴状(そじょう)を裁判所に提出することによってはじまります。
最初に訴えたほうが原告、訴えられたほうが被告です。
(ちなみに「被告人(ひこくにん)」と「人」をつけるのは、刑事裁判です。)
さて。
訴状が提出されると、裁判所は、訴状のコピーを被告に送付します。
あわせて、訴状に書いてあることについて、
認めるのか反論するのかを書いた答弁書(とうべんしょ)を、
裁判所に提出するよう求めます。
また、期日に裁判所へ出頭するように当事者双方に呼出状を送ります。
この期日が口頭弁論期日(裁判期日。期日ともいいます)です。
口頭弁論期日には、まず、原告が訴状を口頭で陳述するということになってますが、
先に書面がでていますから、
普通は「訴状記載の通り陳述します」と原告が述べ、
被告は「答弁書記載のとおり陳述します」と被告が述べて終わりです。
(擬制陳述(ぎせいちんじゅつ)といいます。)
だいたい、これで1回目は終わり、次の期日を決めます。
次からは、争点を整理する作業が行われます。(争点整理=そうてんせいり)
争点整理では、
原告・被告からでた証拠や準備書面、陳述書を裁判官が調べて(証拠調べ)、
争いがある事実についてどちらの主張が正しいのかを認定し(事実認定=じじつにんてい)、
訴状の内容の当否について、裁判所(=裁判官)が判断できるようになると、
口頭弁論は終結します。
この合間に、裁判官は適宜、「和解(わかい)」を持ち出すことがあります。
というのも。
和解は、被告にとっては「敗訴という事実を突き付けられるよりも都合がよく」
裁判官にとっては「判決を書くよりも、和解で終わるほうが簡単」、
という事実もあるからです。
ただし、和解した場合でも、その内容は、判決と同じ効力を持ちます。
和解ができなかった場合は、判決(はんけつ)ということになります。
一定の期日が経過すると、裁判所はあらかじめ指定しておいた期日い当事者を呼び出して、
判決を言い渡します。
裁判所(=裁判官)が、原告の請求が正しいと判断したときは、原告の請求を認容(にんよう)し、
訴状の「請求の趣旨」欄に記載された通りの判決を言い渡したり、
一部認容した内容の判決を言い渡す場合もあります。
原告の請求が正しくないと判断した時は、「原告の請求を棄却(ききゃく)する」という判決を言い渡します。
この判決により、第一審の手続きは終了します。
判決に対して、原告・被告双方がそのま受け入れれば、その後2週間で判決は確定します。
しかし、原告・被告のいずれかが判決に不服で、
上級審である高等裁判所へ控訴(こうそ)という手続きをとると、
判決は確定しません。
控訴審の裁判所でも、第一審とほぼ同様の流れで口頭弁論が開かれ、
証拠調べが行われて、訴訟が進んでいきます。
そして、再び判決が下されます。
このときの判決は、控訴に正当な理由がないとされれば控訴棄却(こうそききゃく)、
正当な理由があるとされれば、控訴認容(こうそにんよう)の判決になります。
控訴認容には、控訴審の裁判所が自ら新たな判決を下す破棄自判(はきじはん)と、
もう一度裁判のやり直しを命じる破棄差戻し(はきさしもどし)があります。
控訴審の判決が確定すれば訴訟はそれで終了します。
控訴棄却の判決が確定すれば、判決は一審の判決内容通りに確定し、
破棄自判となれば、控訴審の判決内容で確定します。
なお、破棄差戻しの場合は、訴訟は終了せず、
もう一度第一審に訴訟が戻されます。
控訴審の判決に対しても不服があれば、さらに上告(じょうこく)という手続きをとりますが、
ここで上告が認められるには、一定の理由が必要で、
通常はなかなか認められることはありません。
(通常は最高裁にて「上告棄却」ということです。)
ということで、なかなか手間暇かかるものなのですよ。
ここまで読んでくださって、ありがとうございました。
お疲れ様でした
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