デジタル・シグナル・プロセッサ

Digital Signal Processors

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はじめに

第 1 章 イントロダクション

フィルムのカメラからデジタルカメラへ、テレビ放送もアナログからデジタルへ...
このように時代は「アナログ」から「デジタル」へ移り変わっています。
DSP (デジタル・シグナル・プロセッサ)はこの「デジタル」化している世の中で大きな役割を果たしています。この講座では「デジタル」とは何か、に始まり デジタル信号処理や DSP がどのようなもので、どのような利点がるのかわかりやすく紹介します。
数式や技術用語はできるだけ避け、平易に「デジタル」の良さをわかっていただけるように構成しました。
まずは、この講座を見て、すばらしいデジタルの世界、DSP に触れてみてください。

現実の世界はアナログ信号で満ちている

図:アナログ信号をデジタルに変換 デジタル信号処理とは何か、をこのセミナーでは紹介していきます。
デジタル信号処理技術はデジタル携帯電話、デジタルカメラ、DVD、CD、MD、MP3 プレーヤ等など、至る所で活躍している技術です。

私たちの身のまわりにある信号、たとえば会話をする時の音声信号やいろいろな産業で使われるセンサーから出てくる信号はすべてアナログ信号です。
そのアナログ信号をデジタルに変換してから処理をするわけですが、何故、一度変換をしてから処理をするかというと、そこにはアナログ信号処理では得られない多大なメリットがあるからに他なりません。

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デジタル信号処理の特徴

簡単にデジタル信号処理のメリットを列挙しましょう。
まず部品の精度、アナログの部品に対してデジタルの部品のほうが精度は非常に安定しているといわれています。 アナログの信号処理に使われるアナログの部品というものは、温度や時間の経過など、まわりの環境の影響をうけてもともと安定していた動作からシフトしてしまうことがありますが、 デジタルの部品ではそのようなことはありません。また、適応処理といったものがありますが、そのような処理をしようとするとアナログの信号処理では非常に難しいものになってしまうのですが、 デジタルの信号処理ではソフトウェアで内部の処理を変更することができるのでハードウェアを変えずに適応処理ができます。アナログの部品では、量産の工程でシフトした動作をチューニングする必要がありますが、 デジタルでは自動チューニングが可能です。 また、デジタル部品を使えばアナログ部品を使うより部品の数を少なくできます。これは半導体技術の進歩によるところが大きいのですが、それにより製品の小型化が実現できます。消費電力も デジタルの方がアナログより小さいと言われています。
このようにいろいろな利点のある デジタル信号処理に使われるのが DSP なのです。

要因
アナログ信号処理
デジタル信号処理
部品精度 1-10 % .003 %
影響される環境 温度、時間 なし
S/N比 60 dB 平均 90 +dB
適応性 困難、非常に高価 容易、低コスト
量産製造 チューニング難 自動チューニング
再設計 新規のボード 新しいコード
レイアウト ノイズに敏感 デジタル的に隔離
高度な機能 高度なハードウェア ソフトウェアの付加
複数機能 複数ハードウェア MIPS とソフトウェア増加
サイズ、消費電力
信頼性

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