境界を生きる:同性愛のいま/1 「気持ち悪い」に自分偽り

毎日新聞 2013年02月18日 東京朝刊

 「性同一性障害は病気という位置付け。性別変更に関する法律があり、メディアでも取り上げられる。同性愛者は趣味嗜好(しこう)の問題と片付けられるか、まるで存在していないかのように無視されるのです」

 学校だけではない。NPO法人「レインボープライド愛媛」は昨年の衆院選で各政党に、性的マイノリティーの人権に関するアンケートを行った。この調査で自民党は、性同一性障害に対する施策は必要と認めたが、同性愛者への対応は「必要ない」と答えた。

 「ホモもレズも消滅してほしい」「生殖しないゴミに税金使っても意味ないじゃん」。インターネットの掲示板には、今も同性愛者への差別的な書き込みがあふれている。

    ◇

 つらい環境に耐えかね、自ら死を選ぶ同性愛者も少なくない。宝塚大看護学部の日高庸晴准教授らが01年、大阪市で若者2095人を対象に自殺未遂の経験を尋ねたところ、同性愛や両性愛の男性は、異性愛の男性と比べ、自殺を図ったことがある率が約6倍も高かった。

 多くの同性愛者は、身近な人にもカミングアウト(告白)していない。誰にも言えずに自殺してしまえば、原因は特定できないままになる。苦しさを気兼ねなく口にできる存在が不可欠だ。

 自らもゲイである心理カウンセラーの村上裕さん(31)は08年から、東京都中野区で「カウンセリングルームP・M・R」(http://www.pmr-co.com)を開いている。今年1月には「ゲイの心理カウンセラー養成講座」も始めた。

 自分も10代のころ、自殺を考えるほど苦しんだ。あの時もし、同じ立場のカウンセラーがいたら、どれだけ救われたか−−。そんな思いが背中を押したという。

 「先月笑っていた人が、今月にはいなくなっている。ゲイの世界ではそれが当たり前になってしまう。死のうとしている人が『もう少し生きてもいいかな』と思えるような言葉を使えるゲイのカウンセラーが必要なのです」=つづく

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 ◇同じ性別、恋愛対象

 同性愛とは、自分と同じ性別の人が恋愛の対象になること。病気とは異なり、治療できるものではない。レズビアン、ゲイ、両性愛のバイセクシュアル、トランスジェンダー(疾患名は性同一性障害)の頭文字から取った総称として「LGBT」という言葉も使われる。

 電通総研が昨年2月、20〜50代の約7万人を対象に行ったインターネット調査によると、自分がLGBTのいずれかと答えた人が5・2%いた。カミングアウトしていない人は、同性愛・両性愛の男性が51・9%、女性が57・3%だった。

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