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【プロ野球】

侍ジャパン 零封負け初陣 浩二監督「次は許さん」

2013年2月18日 紙面から

 初陣は屈辱的な完敗だった。ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)日本代表は17日、サンマリンスタジアム宮崎で初実戦となる広島との強化試合を行った。投手陣は侍デビューとなった山井大介投手(34)=中日=が2イニングで2失点するなど大量7点を献上。打撃陣はわずか3安打で零封負け。惨状に山本浩二監督(66)は「次から許さんぞ」と、噴火寸前だった。

 テレビカメラの前で明るく話した。「完敗でございます!」。これが山本監督の第一声だった。声は明るくても、笑えない。2006年の第1回も09年の第2回も、初陣は序盤から打ちまくり、投げては完封リレー。そこから世界の頂点に上り詰めた侍が、若手中心の広島にまさかの完敗だ。

 あくまで調整の一環。ジャパンの選手には勝って当たり前のプレッシャーがかかり、相手はイケイケ。実戦感覚の不足も含めて情状酌量の余地はある。とはいえ、あまりにも一方的だった。

 投手陣は7失点。豪華攻撃陣は3安打無得点。その3安打も侍の仲間、前田健と今村から放ったものだ。4回からは広島の5投手に失策の走者を2人出しただけ。無安打無得点リレーを許した。

 凡ミスもあった。6回には先頭の長野(巨人)が三ゴロ。ライン際の打球に走らず、アウトになった。「ファウルかフェアか分からないところだったし、しっかり走らないといけませんでした」。本人は反省したが、微妙な空気が流れた。

 山本監督にとっては古巣相手の屈辱。穏やかに話しながらも、目は笑っていない。普段は選手に優しく接するが、マグマがフツフツと沸いたよう。「きょうは許してやるけど、次からは許さんぞ、と選手に言いました」。選手にも宣告した。仏の顔も、今回限りだ。

 「打線は厳しい展開になるかなという気がしますけどね。大量点が望めないかな、と」。指揮官はこうも語った。過去2大会はスモールベースボールで制したが、今回はスモールよりもっと小さい超スモール級という厳しい評価を口にした。勝つにはその超スモールを徹底するしかない。「今度のゲームはエンドランやバントと、動いていかないといけない。本番では点が入らないケースも出てくる。いろんな(攻撃の)方法をやらなきゃいかん」。ベンチからのサインで選手を動かし、つなぐ。腹をくくった。

 「きょうなんかチャンスらしいチャンスは1回だけ。本番でもこういうケースはある。塁に出て、得点圏に置いて、という形をとらないと」。本番ではこんな貧打は見たくはない。しかし、最悪のシナリオを想起させる初戦だった。「野手もこれじゃイカンという気になるだろう」。苦い良薬になるのか。いきなり逆風にあおられる船出となった。 (生駒泰大)

 

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