東通原発“活断層の可能性高い”2月18日 6時3分
各地の原子力発電所で断層の調査をしている国の原子力規制委員会の専門家会議は、青森県の東通原発について、「敷地内の断層は活断層の可能性が高い」とする報告書の案を18日の会合で示す方針です。
報告書の案が示されるのは福井県の敦賀原発に次いで2例目で、東通原発は、今後耐震対策の見直しを迫られると、当面運転が再開できなくなる可能性があります。
原子力規制委員会の島崎邦彦委員は、学会から推薦された専門家と共に、国内で唯一運転中の福井県の大飯原発を含む3か所で断層の調査を行っています。
このうち、東通原発の断層を評価する会合が18日に開かれ、ここで示される報告書の案では、敷地内の断層2本について、周辺の火山灰の分析から、繰り返し活動しているなどとし、「耐震性を考えなければならない活断層の可能性が高い」としています。
また、東北電力が、「断層周辺のずれや亀裂は地層が地下水によって膨らんで起きた」と説明していることについて、根拠が乏しいとしています。
そのうえで、東北電力の調査は不十分で、断層の詳細な検証や広域的に調べることが必要だとまとめています。
専門家会議は今後、別の専門家の意見も聞いたうえで報告書を取りまとめ、規制委員会に提出する予定で、規制委員会の判断によっては東通原発は耐震対策の見直しを迫られ、当面運転が再開できなくなる可能性があります。
「活断層の可能性が高い」という報告書の案が示されるのは、敦賀原発に次いで2例目です。
規制委員会の専門家会議は、石川県の志賀原発や福井県の美浜原発など3か所でも調査を行うことにしています。
結論の根拠
原子力規制委員会の専門家会議が東通原発の報告書の案に盛り込んだ結論の根拠などは、次のとおりです。
まず、敷地内の断層のうち、「F-3」と呼ばれる断層については、周辺に活断層が動いたときに見られる小さな亀裂が多く確認されたことや、断層による地層のずれが活断層の定義の範囲に当たるおよそ11万年前の火山灰の層まで及んでいること、「F-9」と呼ばれる断層については、周辺に断層の動きによって広範囲に隆起したことを示す地形があることや、地層の火山灰の分析から繰り返し活動していると認められることから、これらの断層2本は、「耐震性を考えなければならない活断層の可能性が高い」としています。
また、東北電力が、「断層周辺のずれや亀裂は地層が地下水によって膨らんで起きた」と説明していることについては、地下水で膨らむ場合、現場で見られたような3メートルもの隆起は考えにくいことや、地下水が上昇した痕跡が確認できなかったことから、根拠が乏しいとしています。
さらに、原子炉建屋や安全上重要な施設の直下を通るほかの断層については、東北電力のさらなる検証が必要だとしています。
断層調査の経緯
原子力規制委員会の専門家会議は、国内の6か所の原発で断層の調査を行う予定で、このうち、すでに調査を行った東通原発を含む3か所ではその対応が異なっています。
原子力規制委員会の島崎邦彦委員は、学会から推薦を受けた専門家と共に、前の原子力安全・保安院が調査を指示した東通原発のほか、福井県にある敦賀原発、それに国内で唯一運転中の大飯原発など6か所で調査を行う予定です。
このうち、敦賀原発については、先月28日に専門家会議が報告書の案を初めて示し、「断層は耐震性を考えなければならない活断層の可能性が高い」と結論づけました。
一方、大飯原発については、敷地北側で見つかった地層のずれを巡って、専門家の間で「活断層」か「地すべり」で見解が分かれ、判断には至っておらず、調査が続いています。
規制委員会の専門家会議は、残る石川県の志賀原発や福井県にある美浜原発と高速増殖炉「もんじゅ」の3か所について、来月までに調査を行うことにしています。
また、新潟県の柏崎刈羽原発や青森県の使用済み核燃料の再処理工場など4か所の原子力施設について、今後、電力会社などから調査結果の報告を受けたうえで、国として調査を行うかどうか検討することにしています。
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