名古屋グランパスは17日、14日間のタイでのキャンプと親善試合を終え、中部国際空港へ帰国した。キャンプで成長の跡を示したのが3試合で3得点を挙げた2年目のMF田鍋陵太(19)。欧州移籍した永井謙佑(23)=スタンダール=に学んだという前線からの守備もレベルアップ。開幕スタメン候補に名乗りを上げた。チームは2日間のオフをはさみ、20日に再始動。3月2日のJリーグ開幕に備える。
俊足ドリブラーがタイで開花のきっかけをつかんだ。帰国の途に就く朝、バンコク・スワンナプーム空港に現れた田鍋は、充実の笑顔でタイに滞在した2週間を振り返った。「自分は何としても結果を残さなければいけない立場でした。それができた。いいキャンプを送ることができました」
チェンマイ・キャンプ中の練習試合で2試合で3得点を荒稼ぎしてストイコビッチ監督の目を引きつけると、16日のトヨタプレミアカップ・ブリラム戦では後半開始から出番を得た。
「45分間も出場時間を得られたこと自体に手応えがある。動きも悪くなかった」と田鍋は言う。途中からワントップに入り、激しい守備で相手DFから再三ボールを奪取。後半37分の藤本の得点シーンでは、「田鍋がいい動きをしてくれた」(藤本)と効果的にDFをひきつけた。
田鍋は「永井さんは前からものすごく守備をしていた。あのスタイルをお手本にしていました。チーム全体が押し込まれていたので、前からどんどんいこうと思っていました」。攻守で出し惜しみせずに走り回った。
入団した時は複数チームが獲得に動き、U−19日本代表にも名前を連ねた大器。グランパスでのルーキーイヤーは3試合、32分しかピッチに立てなかったが、悔しさを糧にキャンプ前は静岡県内で自主トレ。異国でのアピールに結び付けた。
田鍋は「昨年の今ごろとは気持ちが全然違う。開幕スタメン? そこを目指してやっていく」と意気軒高。抜群のスピードを誇るアタッカーが、2年目で一皮むけそうな気配だ。 (木村尚公)
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