メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

話題のキーワード

2013年2月18日(月)付

印刷用画面を開く

このエントリをはてなブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録 このエントリをdel.icio.usに登録 このエントリをlivedoorクリップに登録 このエントリをBuzzurlに登録

高齢者と火災―在宅化を進めるのなら

長崎市の認知症高齢者向けグループホームの火災で、4人が亡くなった。原因を究明し、対策を講じることが不可欠だ。ただ、高齢ニッポンで火災の被害者を減らすには、お年寄りの施設[記事全文]

五輪レスリング―IOCは透明な議論を

レスリングが五輪の実施競技から外される危機にある。国際オリンピック委員会(IOC)理事会は14人による無記名の投票で、2020年五輪の「中核競技」から外した。[記事全文]

高齢者と火災―在宅化を進めるのなら

 長崎市の認知症高齢者向けグループホームの火災で、4人が亡くなった。原因を究明し、対策を講じることが不可欠だ。

 ただ、高齢ニッポンで火災の被害者を減らすには、お年寄りの施設にだけ注意を払っても効果は限られる。

 犠牲者で目立つのは、在宅のお年寄りだからだ。

 2011年の調査では、火災による死者(放火自殺を除く)のうち65歳以上は860人で、6割以上を占める。このうち711人が住宅で亡くなった。10年前から200人の増加だ。

 かつては、年をとり心身が衰えると病院や施設に入るのが普通だった。

 消防法も、病院や高齢者施設に、用途や面積によって様々な防火や消火の備えを義務づけてきた。

 一方、戸建て住宅の防火は、基本的に「自己責任」とされ、火災警報器の設置以外に規制はほとんどない。

 しかし、施設に入らず、自宅で一人か、夫婦2人で暮らす高齢者は今後、大幅に増える。

 国立社会保障・人口問題研究所の推計では、65歳以上の一人暮らしと老夫婦だけの世帯をあわせた数は、10年の1038万から35年には1388万へと増加し、うち75歳以上が6割を占めるようになる。

 しかも、サービス付き高齢者向け住宅のように、施設と住宅の中間的な位置づけとなる形態も広がっている。

 どんな住まいに、どこまで厳しく防火を求めるのか、消防当局も対応に苦慮しているのが実情である。

 住みなれた自分の家で安全に暮らし続けるには何が必要か。まずは一人ひとりが備えを考えたい。

 スプリンクラーを設置できれば効果は大きい。個人で取り付けるのがコスト面などから難しいなら、安全装置のついた暖房・調理器具、燃えにくい衣類やカーテンなどに切り替えるところから始めてはどうか。

 火が出たときに逃げ出しやすいよう、屋内を整理しておく。住民同士の支え合いで、防火・消火や避難の手立てを講じるといったソフト面も大切だ。

 政府が当事者任せでは困る。国は、要介護状態になっても住みなれた地域で人生の最後まで暮らせる社会を目指している。「施設から在宅へ」の流れを推進する以上、防火にも目を配る必要がある。

 「国土強靱(きょうじん)化」のもと、公共事業にばかり目を向けるのではなく、火災に強い住宅づくりにもっと知恵を絞るべきだろう。

検索フォーム

五輪レスリング―IOCは透明な議論を

 レスリングが五輪の実施競技から外される危機にある。

 国際オリンピック委員会(IOC)理事会は14人による無記名の投票で、2020年五輪の「中核競技」から外した。

 五輪の肥大化は限界にある。活性化を促すために、新しい競技に門戸を開き、新陳代謝をはかる姿勢には賛成だ。

 しかし多くのアスリートにとって五輪は究極の目標であり、夢だ。その判断には、客観性と透明性が不可欠だ。

 レスリングは吉田沙保里選手らロンドン五輪の日本の金メダル7個のなかで、四つを占める「お家芸」だけに、日本の関係者の失望は大きい。

 古代オリンピックに由来し、1896年の第1回近代五輪から実施された伝統競技だけに、衝撃は世界に広がる。

 IOCは2001年にロゲ会長が就任し、28競技という上限を決めた。活性化のために競技の入れ替えを積極的に進める。

 今回、外れたのがレスリングではなく、危ないとうわさされた近代5種だったら、日本でこれほど関心を呼んだだろうか。メディアは自国のメダル有望種目を中心に伝えるから、人気の濃淡に反映される。それは日本に限らない。

 IOCは欧州が発祥で、今も欧州色が濃い。101人の委員のうち43人が欧州出身で、15人の理事も過半数を占める。

 ロンドン五輪で外れた野球、ソフトボールもそうだが、西欧で不人気な競技は冷遇されやすい傾向がある。スポーツは世界を結ぶ。理事も広い地域から出て、責任を分かつべきだ。

 今回、理事の中にレスリング出身者はいなかった。逆に、最後の投票まで争った近代5種の国際競技連盟の副会長がいて、存続のためのロビー活動をしたことを認めている。

 IOC委員の3割弱は五輪出場経験者で、国際競技連盟の役員も多い。利害関係者を除いて何かを決めるのは非現実的だ。

 ならば、自分の競技だけでなく五輪全体の発展を考える倫理が求められる。そして、運営の透明さがより大切になる。

 今回、IOCは国際性、人気、普及・振興、伝統など39項目の評価基準を定めた。だが、「一部情報が足りない」として8月まで公表しない方針だ。

 これはおかしい。

 何かを決めるとき、その理由はすぐに示されるべきだ。そうでなければ改善も図れない。

 追加競技1枠は、5月の理事会を経て9月の総会で決まる。レスリングの採否もふくめ、透明で公平な選考が大切だ。

検索フォーム

注目コンテンツ

  • ショッピングリアルに再現!「カレラ GT」

    大人が喜ぶカーモデル

  • ブック・アサヒ・コムトリンドル玲奈 鳥取写真集

    「出身地」のはわい温泉で撮影

  • 【&M】きょうは、何の日?

    美人と一緒なら、毎日が特別な1日

  • 【&w】「物語を贈ろう」

    世界に一つだけの花束を贈る

  • 朝日転職情報

  • 就活朝日2014