激カメ!大亀の関東レポート

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更新日:2012.01.16

第32回木村選手 関東自主トレレポ&ロングインタビュー(後編)



12月中旬、都内某所で行われた木村選手の自主トレーニングの終了後にお話を伺いました。
ひとりのカープ選手として今季にかける昇吾選手の熱い思いを語って頂きました。
関東ファンから頂いたファンならではの質問にも丁寧に答えて下さっていますよ。

――何故、東京でトレーニングされるのでしょうか?

   東京でトレーニングを行うのは、今回で3年目なんですが、今日、大亀さんに見て頂いたあのジムが、
自分のやりたいトレーニング、自分がこうしたいというトレーニング方法、自分の思いと一番合致した
施設なんです。とてもアットホームな感じでしょ。「ハウス」「家」の様な場所なんです。サポートも
充実しているし、僕がどうやって行きたいかを相談しながらやって行けるんです。もう、これは出会い
なんですけど、自分がもっとこうしたいな、こうやって行きたいな、それにはどうしたらいいかな?
と考えていた時に、知人からここの話があって、一発返事で決めたんです。紹介してくれた人からは、
「えっ!?マジで、行くんですか?」って、一発返事過ぎて驚かれました。
「えっ!?ホンマに来ます?」みたいな(笑)

――シーズンオフは、いつもどのように過ごされていますか?

   イベントに、自分の練習に、家族といる時間もですし、正直、シーズン中よりも忙しいです。
いろんなものを、同じ日に詰め込んだりするし、3日間でやる事を、わざと1日で、午前、午後、夜と、
やってみたりするんです。

――シーズンオフって、結構大変なものなんですね。やはりシーズンオフの過ごし方が、
次のシーズンに大きく影響するものなのでしょうか?

   そうですね。一昔前みたいに、ずっと休んでという様なオフではないですね。
このオフの時間をどう過ごすか?はっきり言って、僕にとって、オフではないんです。
次のシーズンは、とっくに始まっていますからね。シーズン中はチーム全体ですが、
オフは、自分を上げれる、伸ばせれる重要な時間なんです。

   家族といる時間も、もちろん大切です。でも、だからと言って休む訳にもいかないですからね。
そこをバランスを取りながら、自分のやりたい事(やるべき事)をやる。オフしか出来ないんで、これは。
今、いろんな人にサポートしてもらって、ここでトレーニング出来ています。だから、こう、余計、
身にも入りますし、とても充実してやらせてもらっていますね。

写真

――西武のファンでもあるカープファン(女性)の方から、西武のCS争い、日本シリーズを球場で
体験して、カープでもあの緊張感を味わいたい、緊迫した試合を応援したい、そしてあの大舞台で
カープ選手の歓喜を観たいとメッセージを頂いています。

■この質問から、昇吾選手は、熱く、熱く、その思いを語り出しました■

   僕らもしないといけないと思っています。秋季キャンプの手締めでも言わせてもらいましたけど、
僕たちは勝つためにいる集団です。選手ですから。では、どうやったら勝つ事が出来るのか?
どうやったら戦う場に立てるのか?その思いの強さというか、本気度というか、本当に勝ちたいと思って、
みんなが動いて、選手全員がチームを引っ張って行く様に、真剣に考えないといけないと思っています。
勝つ事への思いの強さ、最後の最後まで、石にかじり付いてでも、勝って行く。           
ホント、どんな形でもいいんで、最後に相手よりも1点でも多く取っていれば、野球は勝ちなんですから。
展開や采配にもよりますが、ヒットを打たなくても、俺がここでなんとかして塁に出れば、
試合の流れは変わるんだ、その流れが変われば、これは勝ちに繋がる打席になるんだとみんなが思えれば、
また変わって来ると思うんです。

   僕はもっと熱く、泥臭く行きたいし、チームを変えるぐらいの感じで引っ張って行きたいんです。
秋のキャンプでもある程度の事をやらせてもらいました。でも、いろんな人がいるし、いろんな思いが
ありますからそれらを同じ船で、同じ方向に向けて大きな力になれる様に、行こうぜ!やろうぜ!って
引っ張って行きたい。もちろんそのためには、発言力がないといけないし、影響力もないといけない。
その影響力とか発言力を持つ為には行動というか、やはり僕も実績を伴わせないといけません。
やっぱり、試合に出て、やって行こうや!行こうや!!っていう風にしたいから。

   契約更改の会見でも言わせてもらった事ですが、昔、プロは勝って和する、アマチュアは和して
勝つでした。でも、プロも和しないと勝てないんじゃないかなって。でも、どれだけ和してというか、
それは別に仲良しこよしでやるって事ではなくて、ケンカしてもいいと思うんです。ケンカするって事は
意見のぶつかり合い、なぁなぁでやって行くのとはまた違うと思うし、良いものは良い、ダメなものはダメ、
こうした方が良いっていう議論をぶつけあって良いと思う。勝つために、みんなでやって行ければ!
やろうと思っています!!
  
――僕らも、特に昨年、そう思っていました。昇吾選手の今のお話に来季へ向けて勇気が湧いて来ました。
カープが、昇吾選手のいう様な真の意味での戦う集団になれれば、悲願に向けて大きな希望が出て来ます。

写真

――激カメでは、常に選手もファンも『カープ一丸』と言い続けて来ています。
選手からファンに、こうしたら『カープ一丸』になれるという事はありますか?

   僕らが勝てば、一番なんですよね。勝てないから、不満が出たり、文句が出てくると思うし、
勝てば良いんですけど…。

   野次で、尊厳や人格を覆す様な、辛く悲しい事を言われた事があります。僕らは言われる立場では
あるとは思いますが、選手も人間です。叱咤激励とはいえ、流石に行き過ぎではないかと思う野次が
ありますからね。可愛さ余って憎さ百倍なのかもしれないですけど、子供さんも観ていますから。
子供たちに胸を張って見せれる様な応援になれば良いと思いますし、選手が奮い立つ様な応援であれば、
みんなが同じ方向に、勝ちに、向かっていけるのではないでしょうか?

――僕も、選手を奮い立たせる真の応援とは何かをよく考える事があって、時に分からなくなる事さえ
あります。僕らファンも、悲願の達成に向けて選手の皆さんと本当に一丸、一枚岩になるために、
改めて考えないといけない事があるようです。それでは、来季への昇吾選手の意気込みを教えて下さい。

   2010年と11年は、ホップ、ステップみたいな年で、昨年はジャ〜ンプ!って行けるかなって
思っていたけど、まぁ、そんなに、もの事甘くはなかったです。でも、今年、高〜くジャンプするために、
一回ちょっと沈んだ年だったのかな?と思って頑張っています。

   秋季キャンプでは、バッティングフォームを変えたりしました。それにある程度の手応えを
感じています。それを今年に生かせれる様に、今、そのための土台作りをやっています。

   トレーニングは、シーズンが終わる頃から、もう始めていたんですけど、段階を経てやって行かないと
いけないから、その段階が、今のところは、ちゃんと順調に来ています。それを今年に生かして行く為に、
一個、一個、やって行っている所です。それはもう楽しみであるし、今、とても充実しているんです。

   自分としては、ショートで、1年間戦えると思っているし、戦えないとダメだと思っています。
起用方法もあるかもしれないけど、有無を言わせない力を身につけてアピール出来れば良いと思います。
でも、打たないと話になりません。守りもありますけど、打たないとレギュラーにはなれないんで。
僕自身、打てないとは思っていないし、まぁ、ちょっとだけやけど、打ったシーズンもありますし、
打てるとは思っているんで!打ってやりましょう!!!

――ファンへのメッセージをお願いします。

   いつも、熱い声援だったり、叱咤激励だったり、横浜からカープに来て、カープファンの熱さには、
ホント、毎回驚かされる所は一杯ありますし、その思いに答えられていないという、チームの現状がやはり
ありますから、それをなんとかして、チーム全体で、皆さんの思いに答えられる様に、やっていかないと
いけないと思います。15年間Bクラス、これははっきり言って凄い屈辱的で、悔しく恥ずかしい事です。
ただ一生懸命やっていれば良いのかって、そういう訳ではありません。一生懸命やっているだけでは、
評価はされません。相手も一生懸命やっている。その中で、Aクラスを勝ち取る、優勝を勝ち取るって事を
しないといけない。毎年、来年こそは、来年こそは、来年こそはって、もう聞き飽きていると思いますし、
僕らもそうだし、それではいけないと思っています。

   だから、いろんなもの、選手だけでは勝てないですし、ファン、裏方さん、チームスタッフ、
いろんな人達を巻き込んで、小さい渦を、大きな渦にして、大きな力にして行く事が出来れば!   

   やっぱり勝った時のロッカールームの雰囲気って凄く良いんです。いくら良い試合をしても負けたら、
負けた雰囲気です。3安打打っても、3安打打ったらうれしいですけど、チームが負けたら暗いですよね。
勝つ数が多ければ、活気づいて行くし、もちろん、ファンの皆さんも活気づいて行くと思うんでね。
そういう集団というか、チームで、ファンと一体になって行きたいですね。

――関東カープファンについて

   神宮だったり、横浜スタジアムだったり、東京ドームは区切られてるから、仕方がないのかも
しれないけど、相手よりも多いですよね。相手チームよりも多い!真っ赤に染めて頂いているんで、
ここはホームか!っていうぐらい。関東に住まわれている広島出身の方が多いんでしょうけど、
そうだったとしても、やっぱり、あれだけの、ホームと同じぐらいの感じに応援してくれるのは、
凄い力になるので、本当にありがたいですよね。あの声援に乗せられますからね。乗せられるし、
気持ちが良かったりするし。それで、自分が良い成績を残せて、活躍すれば、もっと気持ちが良いし。

   あと、強いて言ったら…。勢い余って応援のテンポがズレるところかな〜?
いろいろ事情があるんだろうな、とは思うんですが、あれがバシッと揃うとさらにカッコ良くなりますよね。

――神宮とハマスタでは、いろいろと苦労がある様でして…。神宮では太鼓が使えないのと、ハマスタでは
レフト両サイドにある自由席との間に指定席があるので、応援団のリードが届きにくいんでしょうかね?

   何か、上手くやる方法が見つかると良いですよね。

――昇吾選手にとって、関東カープファンとは?

   赤い壁!!!わ〜っとおるから(^^;

――改めて、今度は、僕ら関東カープファンにメッセージをお願いします。

   その赤い壁で、守ってください僕たちを!その壁で、押して下さい僕たちの背中を!
逆風は、その壁で塞いでもらって、その壁を使って追い風を起こして頂ければ、僕たちは、
フラフラになったとしても、ちゃんと前を向いて走れると思うんで、よろしくお願いします!!!

――僕らもカープ一丸となって、今季、優勝、アジア一になれる様に頑張って応援して行きます!
必ずビール掛けをしましょう!!!

   しましょう!!!



■昇吾選手は、いつも魅せてくれるあのハツラツとしたプレーからも熱い選手だな〜と
思っていましたが、実際にお会いして、お話をさせて頂いたら、さらにもの凄く熱〜い方でした!
こういった熱さを持った選手がカープにいるのは、心強く、うれしい事ですよね。
いつもは、決して聞く事の出来ない話、昇吾選手の気持ち、ファンとして耳の痛い話(^^;
沢山の事を語ってくれた昇吾選手には大感謝です!■



それでは、ここからは《関東カープファンから、昇吾選手に直撃質問!》
コアな質問にも真摯に答えてくれましたよ(^_^)

◎ 息子さんを野球選手にしたいですか?

   ん〜、したいんですけど、今は僕が選手だから、息子に野球を教える時間がないんです。
だから、プロ野球選手の子供って大成しないっていうんじゃないでしょうか?
(昇吾選手自身、幼少期からお父さんに野球を教わって来た親子鷹。息子さんに自分の時の様に、
教えたいけど、今は戦う選手であるがゆえに、時間を取れないのはジレンマでしょうね)

◎ "キムショー"って呼ばれる事についてどう思われていますか?

   この呼ばれ方は、正直、好きではないので、"木村さん"か、"昇吾さん"で、お願いします!

◎ カープファンは(特に関東では)オシャレだと言われますが(???)
昇吾選手はどう思いますか?

   カープファンオシャレ? ホンマですか〜?
ん〜。。カープファンは、野球ファンとして、王道でないからでしょうか?

◎ 昇吾さんは、なんでそんなにカッコいいんですか???

   しりません!(^^;

◎ 私服のこだわりを教えて下さい。

   今日のは、トレーニングなので、ラフな格好というか、動きやすくて、暖かい格好ですね。
街に出る時とかは、自分がいいなって思うのを着てるだけなんですど、スカルは好きですね。  
かと言って、スカル!スカル!っていう風な感じはいやなんで、ワンポイントでさりげなく
入ってる感じが好きですかね。

◎ 昇吾さんのヘアースタイルって個性的でカッコいいですよね。髪型へのこだわりってありますか?

   まず、楽でしょ。洗ってすぐにキマりますからね。あとは、男は黒髪!短髪や!ってみたいなね。
でも、みなさん僕の事、なんか茶髪ってイメージがあるみたいで。でも、ず〜っと黒髪ですよ。
最初は茶色とかにしてたけど、オフには髪の毛をいじったりするのが好きだから。
ラインを入れたりもしてたし、茶色にもしてたけど、それはオフの間の楽しみだけでやってたから。
そういうので、色が残っていたのを見て茶色っていうのがあったのかもしれませんね。
選手からも言われますもん。井生ちゃんから、『キム黒くした?』、『いや、前っから黒いけど(^^;』
地毛が、ちょっと茶色いんかな〜?(近くで、よ〜く見たら、地毛、確かにちょっと赤かったです)

◎ 何を食べたらそんなに足が速くなるんですか?

   足が速くなる食べ物があったら、僕も食べてみたいです(^^)

◎ うちの妻が、昇吾さんに夢中なんですが、どうしたらいいですか?(^^;
妻は"正午"のニュースというだけで反応しちゃってます(^^;

   小学校の時に、正午になる瞬間に、みんなが僕を見てました(^^;

◎ 昇吾さんは、スタンドとか良く見ますか?ファンの声援とかはよく聞いてくれていますか?

   声援とか、よく聞こえてますよ。スタンドを見るという事は、あんまりこう、試合中とか
もちろんですけど、見るっちゃ見るし、見ないっちゃ見ないといった感じですかね。
そんなに試合中は、見れないし。

◎ 試合前に必ずやる事はなんですか?

   一杯ありすぎて!例えば、ホームの時は、試合前に仮眠をします。ホームでナイターの時は、
12時前から球場に入って練習していますから、頭を1回休めるんです。ずっとオンではしんどいんで。
ずっとやってるルーティンが勝手にあって、小さなやる事が、ちょっとづつあるんですよね。
自然にやっているからルーティンであって、それを意識してやろうとすると、また違って来ますから。
よく言われるのが、お辞儀して入るとか、全力疾走は、ルーティンですか?って聞かれるんですけど、
当たり前の事をやっているだけなんです。  

◎ 試合前に、げんかつぎとかありますか?

   ヒットを打ったバットはずっと使っているとかはありますね。

◎ 試合前に、必ず食べるものはなんですか?

   特にないですね。だって毎日試合ですよ!毎日、同じもの食べてたら飽きちゃうでしょ。

◎ ブログを更新してください!みんな、待ってます!!!

   ぜ、善処します(^^;


と、以上、木村昇吾選手の熱すぎるロ〜ングインタビュー、如何でしたか?
昇吾選手のその熱き思いが、皆さんにも届いたと思います。ここで、昇吾選手が語った殆どは、
他の選手達も思っている事だと思います。

期待に満ちた新バッティングフォーム!この新しい"昇吾スタイル"で、打ちまくって、
レギュラーを掴み取って下さい!


昇吾選手、そして、取材に協力してくださったジムの皆さん、本当にありがとうございました!
今回、ひとりのカープ選手の今季に向けた率直な気持ちと思いを聞いて、僕らファンも、どうしたら、
真の応援(サポート)が出来るのか?どうやったら、選手達が挫けそうになった時に力となり、
奮い立たせる事が出来るのか?もう一度、考えないといけないと痛感しました。
選手達も、今の現状を変えるためにどうしたらいいのか?必死に模索しています。僕らファンも改めて
考えないといけないです。この2013年、選手とファン、裏方さん、チームスタッフの皆さん、
みんなが、真のカープ一丸となって、シーズンの優勝、アジア一を目指そうじゃないですか!
みんなで、カープ一丸!頑張って行きましょう!



次回は、オフのスペシャル企画第2弾!12月に銀座の広島ブランドショップ「TAU」で行われた
石井コーチのイベントの様子を、石井コーチのインタビューと共にお届けします!
お楽しみに〜(^_^)/