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生殖医療8:精子の老化

精子の老化
deCode genetics社は、アイスランド人の78組の三人家族の全ゲノムの
塩基配列を高カバー率で決定して突然変異の多様性を調べました。全ゲノ
ムを決定した人数は合計219人で、子供の44人は自閉症、21人は統合失調
症です。彼らは、受胎時の父親の年齢と子供で見つかった一塩基多型の多
様性に相関があることを見つけました。この研究で調べた父親の平均年齢
29.7歳で、平均de novo変異率は一世代当り1.20×10−8/塩基で、受胎
時の父親の年齢が1歳増加する毎に変異が約2個増えていました。子供に見
つかった変異のほとんどは、父親の年齢で説明できます。つまり、父親が
年を取ればとるほど精子が老化して、蓄積した変異の影響で脳の高次機能
が損なわれ、子供が自閉症や統合失調症になりやすくなるという可能性を
意味します。しかし、これらの疾患の多くは遺伝的であることが知られて
おり、散発性自閉症患者のエクソーム研究から関連する遺伝子が多数見つ
かっています。家系的な遺伝素因と後天的な突然変異のいずれが重要なの
かは、今後の大規模コホート研究の成果を待つ必要がある。
<論文>
Rate of de novo mutations and the importance of father’s age to disease 
risk. Kong, A., Frigge, M.L., Masson, G., Besenbacher, S., Sulem, P.,
Magnusson, G., Gudjonsson, S.A., Sigurdsson, A., Jonasdottir, A.,
Jonasdottir, A., Wong, W.S.W., Sigurdsson, G., Walters, G.B., Steinberg,
S., Helgason, H., Thorleifsson, G., Gudbjartsson, D.F., Helgason, A.,
Magnusson, O.T., Thorsteinsdottir, U., Stefansson, K. (2012)

Nature
, published online Aug. 22, 2012 (doi:10.1038/nature11396).

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