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  紅一片 作者:散葉
懐かしい人たち
エレベーターの扉が閉まり、一階を押す。

だけど

「十一階?」

確か、それって……生徒会室だった気がする。


扉が開くと、そこには

「え?一般生徒?」
「どうやって入ったんだ?」
二人の男女。
女の子の方は、白い髪に蜂蜜色の瞳の大人びた雰囲気の子。男の子?は緑がかった黒髪に同色の瞳に褐色っぽい肌の高身長。真樹叔父の言った通り、どちらも美形だね。

ふと視線を感じると、白髪の女の子がこちらをじっと見ていた。

その姿に十歳くらいのよく似た顔立ちの女の子が重なった、と同時に

「優菜!!」

凄い勢いで女の子に抱き着かれた。バランスを何とか保ちながらその顔を見ると、彼女は泣いていた。

「え、と前に会った事あるのかな?」
戸惑いながらも、そう問い掛けると彼女は固まった。嘘だ、と言いたそうな顔。
「あ、ごめんなさい!似た人が知り合いでいるから間違って……」

痛みを我慢するように、告げる彼女の姿に気がついたらその涙を拭っていた。
何となく、何となくだけど彼女の涙は見たくはなかった。
「泣かないで、私が忘れてるだけだよ、きっと。だって名前合っているしね」

泣き止んでほしい、少しでも安心してくれないかと微笑みながら言えば、彼女は泣きながらも笑ってくれた。

「ありがとう……貴女はやっぱり変わらないですね」
最後の方は聞き取れなかったけれど、落ち着いてくれたようだ。よかった。

よかった?
私が他人によかった?
初めてだ、そんなふうに思ったのは。何故なんだろう。

誰なんだろう。
この何処か懐かしい人達は……。

「えっと、私氷ノ影 紫野って言います」
「俺は蛇崎 蒼哉」
うーん、やっぱり聞き覚えはないな。記憶力には自信あるんだけどな。

「御言神 優菜です」
自己紹介……小学生以来だ。

「紫野でいいからね、よろしくね優菜!」
取り敢えず目下の目標は彼女たちを思い出す事だな。
それから、真樹叔父すまない。生徒会と思いっきり関わってしまったようだよ。

まあ、悪い気はしないけどね。
ここで人物紹介?を
御言神みことがみ 優菜ゆうな
主人公。

氷ノひのかげ 紫野しの
高校二年生。現生徒会長。

蛇崎みさき 蒼哉そうや
高校二年生。生徒会会計。


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