戦場報道から格闘技取材へ/UFC連載
<UFCリターンズ(5)>
日本のUFC中継には、戦績をもとに分かりやすく選手を紹介するデータ解説者がいる。WOWOWのUFC解説者でフリージャーナリストの稲垣収(しゅう)氏(50)は「DREAMヘビー級王者オーフレイムに2度勝った」「ヒョードルに勝ったヴェウドゥムにKO勝ちした」といったフレーズで端的に選手の強さを解説する。時に、同じく解説者の高阪剛氏とともに鋭い技術的なコメントも残す。今やUFC中継には不可欠な存在だ。
稲垣氏は解説以外の仕事も任されている。ふだんからUFCのHP、海外サイト、選手のブログなどをチェックし、時には選手に直接コンタクトを取って大会の見どころや資料を作成。翻訳家としても選手インタビューの字幕を担当する。選手を発掘、育成する番組「The Ultimate Fighter」の翻訳監修も手がける。「他の仕事を断らないといけない」ほど、UFCの仕事に時間を費やしている。
04年からWOWOWに中継の解説者として招かれたが、90年代は戦場ジャーナリストとして活躍。旧ソ連崩壊、グルジアやユーゴ内戦を取材し、現地リポートを雑誌などに寄稿。ビデオカメラを片手に内戦の最前線に出向いた際、銃弾の雨を目前にする危険にさらされた経験もある。旧ソ連情勢に造詣が深いことから92年、リングスに参戦するヴォルク・ハンの現地取材を頼まれた。「それが初めての格闘技取材でした」。自身も社会人になってから空手、キック、合気道、柔術の道場に通い続けていることから、自然と格闘技取材に熱が入っていった。
93年11月、米コロラド州デンバーで開催されたUFC1大会も取材した。「ケンカ世界一を決める大会があると聞いていった。一番軽量のホイスが優勝して『おおっ!』と思った」。あれから約20年。稲垣氏は3月3日もオクタゴンサイドの解説席でUFCを追う。【藤中栄二】
◆稲垣収(いながき・しゅう)1962年(昭37)、東京都生まれも、すぐに愛知・刈谷市に引っ越し、慶大仏文科入学と同時に上京。出版社勤務を経て、フリージャーナリストに。英語が堪能で「日常会話程度なら」フランス語、ロシア語、ドイツ語も話す。翻訳家としても活躍し、著書に「男と女のLOVE×LOVE英会話」「稲垣収の闘魂イングリッシュ旅行編」「闘う英語」などがある。好きな選手はヴァンダレイ・シウバ。174センチ、60キロ。血液型はB。
◆テレビ放送 WOWOWプライムで3月3日正午から生中継。
[2013年2月17日8時11分 紙面から]
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