舞ちゃんとセックスした夜。 あの時からぼくもまた変質を余儀なくされた。 それほどまでに、舞ちゃんの身体は甘美だった。 柔らかく、しっとりとした感触の肌。 甘い体臭。 そして、快楽神経を直接刺激してくるかのような、性器。 舞ちゃんのお父さんが、『麻薬』と表現したのも理解出来る。 そう、ぼくもまた中毒者だから。 でも、心の中にまだ残っている一欠片の理性のようなもの、それがぼくの暴走を辛うじて押さえ込んでいる。 決壊寸前のダムのような、危ういバランス。 表面張力で、まだ溢れていないというだけの、コップのミルク。 それは、もう一押しで、全てが変わってしまうという実感。 今はもう、理解してしまっている。 ぼくは――ぼく自身が、変わってしまいたいと願っているのだと。 夜が来る。 昼の熱気を涼しげな空気に溶け込ませて、全ての汚らわしいものを黒く暗く塗り潰す、残酷で優しい夜が来る。 けれど、ぼくにとっての夜は――。 「ゆうちゃん、ちょっといいかしら?」 控えめなノックの音の後で、ぼくが返事をするよりも早く、母さんがドアを開けてするりと部屋に入ってきた。母さんの声は欲情に濡れたような粘っこい口調で、ぼくは母さんが裸だったとしても驚かないぐらいのつもりでいた。もしそうだったとしても、ああやっぱり・・・と、その程度の認識だと思ってた。驚く事ではなく、ただどう対応するべきか、それだけを考えればいいと・・・そう思っていた。 机から背後に向き直った時、予想を超える現実があると、思い知らされた。 「私もお邪魔しますね・・・裕司さん」 にこり、と。 まるで満開の桜の下を散策するかのように、自然で艶やかな笑顔を浮かべて、舞ちゃんが母さんの隣に立っていた。 舞ちゃんはぢゃらりと鎖付きの握りを持っていて。 その鎖は母さんの首輪に繋がっている。 母さんの首には茶色い革製の首輪が巻きついていて、少しだけいつもより華やかとは言え、普通の洋服と首輪の組み合わせは気が狂ったとしか思えないような色っぽさを振りまいていた。 一瞬で、部屋の中が淫靡な空気で充満した・・・そうぼくは理解した。 「おばさまったら、こんなに首輪が似合うんですもの。祐司さんに、ぜひ見てもらいたくて、来ちゃいました」 うふ、なんて小さく笑いながら、舞ちゃんが嬉しそうに微笑んだ。 それはまるで、自慢のペットの事を話すかのように、自然で・・・自然だからこそ、異常な笑みだった。 母さんの表情も、状況からは想像も出来ないほど、異様なものだった。 少しきつめに締められた首輪を、ぼくに良く見えるように上向き加減に顔を反らして、人としてのありようを貶めるようなそれを、心底嬉しそうに受け入れている。 そう、母さんは悦んでいた。 紅潮した顔も、発情して荒くなった呼吸も、潤んだ瞳も、時々ヒクリと震える身体も、色さえついて見えるような体臭も、全て母さんが悦んでいる事を示してる。 「ね、おばさまってこんなにえっちなんですよ。祐司さんに犯して欲しくて、身体中発情してて凄いんです。まるで、ずっとさかってるみたい」 揶揄するように口にして、舞ちゃんは手に持った鎖を引っ張った。よろけた母さんを、舞ちゃんは右腕で抱き止めると、そのまま右手で母さんの胸を乱暴に掴んだ。愛撫というよりも、玩具の柔らかさを確かめるみたいに容赦無く、舞ちゃんは母さんの胸を捏ねた。傍からは痛いんじゃないかと思ってしまう行為も、今の母さんにはアクセントの効いた愛撫も同然らしく、快感に表情を蕩けさせている。 「ほら、こんなに嬉しそう」 さっきバランスを取る為に開かれた母さんの足を、愛液が伝うのが見えた。 体重を舞ちゃんに預けて、母さんは「ああ・・・あ、あぁん・・・」と口を小さく開けたまま、いやらしい喘ぎを途切れる事無く漏らしている。 それは、男なら襲い掛からずにはいられないほどの、淫猥な姿だった。 無意識のうちに口の中の唾液を飲んで、その音が驚くほどに大きく感じられて、ぼくは恥ずかしさで顔が熱くなった。ぼくもまた浅ましい獣なのだと、舞ちゃんに知られたくなかったから。 「でもね、催眠暗示の効果が加わると、もっと凄いんですよ」 舞ちゃんが母さんの耳元で囁くように言うと、母さんの身体が大きく震えた。 快楽を期待するみたいに。 ご褒美をちらつかされた、犬のように。 「『淫夢にまどろみなさい』、おばさま」 一瞬だった。 その言葉を囁かれただけで、母さんの目がとろんと蕩けた。 身体中から力が抜けて、舞ちゃんに寄り掛かるようにして、ふらふらと危うい様子で立っている。 幸せそうな表情で。 そのくせ、意思の力を感じさせない表情で。 舞ちゃんは満足そうな笑みを浮かべて、母さんの腰に手を回して支えた。 「3つ数えると、おばさまの耳の穴は、性器になるの。鼓膜は子宮口で、耳たぶはクリトリス。とても敏感で、信じられないくらい気持ちいいの。はい、1,2,3」 あっさりと舞ちゃんが数を数えてから手を叩くと、母さんが怪訝な表情で首を傾げた。 身体の感覚のどこかが少しだけ違うと言いたそうに。 自分でも原因が判らないのに、喉の奥にささった魚の小骨のように、気になってしかたないと言いたそうに。 「お・ば・さ・ま」 舞ちゃんは、少しだけ自分の口よりも高い位置にある母さんの耳に唇を寄せて、吐息で愛撫するみたいにいやらしく、ゆっくりと一文字ずつ区切るように囁いた。いや、それは本当に愛撫という意味だったのだろう。母さんは性器に息を吹きかけられたように、ヒクヒクと身体を震わせて、顔を快感に歪ませた。 「い、いやっ。なに・・・なにこれぇ・・・」 感じるはずが無い場所からの、感じるはずの無い快感。 一旦意識すると、それはいっそう鋭敏に母さんの身体を走り抜ける。 「からだの奥まで・・・ひ、ひびいちゃうぅ・・・ッ!」 もう立っている事も出来ないのか、舞ちゃんの身体を滑り落ちるみたいに、ずるずると床に座り込んだ。ぺたんと女の子座りで、両足の膝はその奥を見せ付けるように、大きく開かれている。スカートは太腿の途中まで捲れているので、それはぼくを誘惑するポーズにしか見えなかった。 「うふ、もっと感じてくださいね」 舞ちゃんは自分も跪いて母さんの背中に抱き付くと、今度は耳たぶをぱくんと咥えた。唇は半開きなので、母さんの耳たぶを甘噛みしたり、舌で舐る様子が良く見えた。いや、ぼくに見せるために、わざとそうしているんだろう。舞ちゃんの目は、小悪魔めいた輝きを宿しながら、ぼくを見上げている。 ちゅぶ。ちゅ。くちゅ。じゅる。ちゅぅぅう。ぴちゃ。ちゅっ。じゅぷ。 耳たぶを嬲られる快感。 鼓膜を犯す、耳たぶを嬲る音。 異様な状況の異様な快感は、母さんを情け容赦無く、絶頂へと狩り立てる。 母さんはまるで感電しているみたいに、何度もびくっと身体を震わせた。 「あ、ひあああっ。いっちゃ・・・いっちゃうぅっ!!」 その瞬間、母さんは「ひっ」と目を見開いて、涙や涎をだらしなく垂らしながら、深い絶頂に達した。 身体をぎゅっと自分で抱き締めて。 耳の中を犯される快感に、全身を震わせて。 絶頂に至る最後のとどめは自分の嬌声だと、母さんは気付いているだろうか。 いきそうであると告げる喘ぎが、鼓膜を激しく振動させたからなのだと。 いや、そんな些細な事は同でもいいだろう。 母さんは汗で顔に数本の髪の毛を張り付かせたまま、異様なほどに妖艶で、今までに見た事が無いほどの幸せそうな笑みを浮かべた表情で、意識を無くしていた。 舞ちゃんは母さんの首輪を外すと、優しく床に寝かせた。 母さんの額に汗で張り付いた髪の毛をそっと払って、満足そうな微笑をぼくに向けた。 「どうですか、祐司さん。興奮、しました?」 舞ちゃんは母さんの耳たぶから口を離して、楽しそうにぼくに問い掛けた。 そんな事、訊かれるまでもない。 ぼくの股間では、アレがはちきれんばかりにいきり立っている。 「うん。すごかった」 素直にぼくは答える。 普通にセックスしたとして、母さんをあれほど悦ばせる事が、できるだろうか。 それだけじゃない。 自分が思うがままに、母さんをおもちゃにする。 言葉ひとつで喘ぎ、悦び、快感に震え、絶頂に至る・・・そんな、圧倒的な支配力なんて、普通は持てるはずがない。 舞ちゃんの力は、そんな『普通』を完膚なきまでに破壊する、絶対的な『力』だった。 ――ほしい。 そんな力があれば、どんな事でも想いのままじゃないだろうか。 ぼくのなかの欲望が、堤防をコワシテ溢れ出た瞬間だった。 ――もう、自分を偽るのはやめよう。 ぼくは、唇の端を歪めるような、笑みを浮かべた。 ぼくのココロは、舞ちゃんの立っている場所へと、一歩だけ近付いた。 たったの一歩。 けれど、それは日常と決別する一歩。 ――最初から、ぼくはこうなるのを望んでいたのだから。 ぼくの表情を見た舞ちゃんが、あの笑みを浮かべた。 笑っているのに、どこまでも冷たく感じる目で、ぼくを見詰めている。 でも、ぼくはもう、気圧される事は無い。 ぼくも、同じ笑みを浮かべているだろうから。 「ようこそ祐司さん。わたしの世界へ」 舞ちゃんの祝福は、家族のどんな嬌態よりもぼくを興奮させた。 ・ ・ ・ 「母さんはぼくに・・・実の息子の祐司に、犯されたくてたまらなくなる。他の事なんて、なにも考えられない。祐司に犯されれば、気が狂うんじゃないかってぐらい、気持ちよくなれる。何度だってイケる。でも、それは母さんが祐司を犯すんじゃダメで、あくまで祐司に犯されて、初めて気持ちよくなれる。だから、犯してもらえるよう、誘惑以上の事はしてはいけない。いいね、誘惑して犯してもらうんだ。3つ数えると、母さんはそうなる。1,2,3!」 ぼくは、鍵言葉で再び催眠状態に陥った母さんに、たっぷりと暗示を埋め込んだ。 実の母親を操る事も、セックスする事も、もう気にならなかった。 どういう暗示を埋め込むか、どういう風に犯すか、それしか考えられない。 ぼくのベッドの上で、茫とした表情で暗示を受け入れる母さんを、舞ちゃんの見ている前でどのように犯すか、本当にそれだけだった。 「あ・・・ゆうちゃん・・・あ、あれっ!?」 母さんはぼんやりとぼくを見て、それから驚いたように目を見開いた。 変化は急激に訪れた。 母さんの目が潤み、顔が赤く染まる。 口は締まり無く半開きになり、ぺろりと舌が自身の唇をなぞる。 ハツジョウしたメスのスガタだ。 さぁ、どうぼくを誘惑するのか、愉しもう。 「この部屋・・・熱いわね」 母さんはぼくから目を離さないまま、スカートの裾を指先で押さえて、すすっと自分の脚をなぞるように、上へ・・・太腿の方へずらした。もう少しでパンツが見える、そんな際どい場所で、指を止める。 「どうして、スカートを捲くるの?」 わざと訊くぼく。 「だって、あついんだもの。それに、そんなに見苦しい脚じゃ無いと思うんだけど、ゆうちゃんはどう思う?」 そう粘つく口調で言いながら、脚を少しだけ開く。 いやらしいメスの匂いが、脚の付け根から漂ってきそうだ。 母さんの脂の乗った太腿が、蛍光灯の光でぬめぬめと光っているように感じる。 けど、この程度でぼくから手を出したら、あんな暗示を埋め込む意味が無い。もう少し、実の息子を誘惑する母親を演じてもらおう。 「そうだね。全然見苦しくなんて無いと思うよ」 母さんが嬉しそうに微笑んだ。けど、褒められて喜ぶというよりも、獲物が罠に掛かった事を喜ぶような、裏のある笑みに思える。いつもふわふわした印象の母さんがこんな表情を浮かべる・・・そのギャップに、ぼくの身体が熱くなった気がした。 「ありがと。ね、ついでに・・・他の場所も見苦しくないか・・・見て欲しいの」 そう言うと、母さんはブラウスのボタンを上から一つ一つ、少しずつあらわになる肌を見せ付けるように、ゆっくりと外していった。ぼくの反応を見るように、上目遣いでぼくを見詰めながら。 前に苺の部屋でディスプレイ越しに見た時よりも、母さんの肌は綺麗だった。 ブラウスの合わせ目から覗く胸の谷間とか、へそのすぼまりを取り巻くお腹のラインとか、手で触れたい、撫で回したい、いや舌でねぶりたい、甘く噛んで歯型を付けたい・・・一瞬で頭の中がそんな欲望で満たされるような、綺麗でいやらしい肌だった。 「うふ」 母さんは満足げに小さく笑うと、さっきまでの焦らし方が嘘だったかのように、一気にシャツを脱いだ。続けてスカートも脱いで、下着だけの姿をぼくに晒した。 母さんの身体は、子供が3人もいるなんて信じられないくらい、瑞々しくて美しいプロポーションだった。上下お揃いの下着は清楚な雰囲気のものなのに、母さんが身に着けているというだけで、恐ろしいほどにイヤらしく、挑発的なものに感じた。もしぼくが舞ちゃんとセックスをする前だったなら、とっくに我慢しきれずに、母さんを押し倒していただろう。それだけの魅力があった。 「はぁ・・・ん、・・・だいぶ、楽になったわ」 溜息は、まるで喘ぎ声のようにぼくの鼓膜を震わせた。 「でも、まだ暑いの。・・・全部、脱いじゃおうかしら」 呟くように口にして、舌で自分の唇を舐め上げる。 その淫らな仕草に見入っているぼくを揶揄するように見て、母さんはするりと立ち上がった。ぼくに背を向けたまま、笑みを湛えて顔だけで振り返る。 「ホック・・・外して・・・?」 ぼくは「うん・・・」と答えて、両手を伸ばした。 なんだか頭がぼんやりとして、そのくせ身体は熱くて、催眠術に掛かってるのはぼくのほうなんじゃないかと、なんとなく思った。 「ん・・・」 両手の人差し指をそれぞれブラのホックのついてる所に差し込む。しっとりとした母さんの肌の感触に、背筋がゾクゾクとするような気がした。母さんも、ぼくが触れただけで気持ち良かったのか、喘ぎにも似た吐息を漏らした。 ブラを外す・・・それだけなのに、酷く興奮する。いや、その先にある行為が、ぼくを興奮させるんだろう。プチっというホックを外す小さな音が、ぼくの頭の中のどこか大事な回線を切断する音のように感じられた。 「ありがとう。ゆうちゃん、ママのおっぱい、どうかしら?」 身体ごとぼくに向き直ると、母さんは胸を強調するみたいに少しだけ身体を反らした。手では収まりきらないほどに大きい胸が、重力に逆らうように重たげに揺れる。指で突いたらどこまでも埋まってしまいそうな柔らかさを感じるのに、先端――乳首だけは、硬く屹立している。まるで、弄って欲しいと言っているみたいだ。それに、前に見た巨乳のグラビアと違って、何も支えるものが無いのに、母さんの胸は垂れる事無く、美しいラインをぼくに見せ付けている。まるで、美術品のような胸だった。 「綺麗だよ、母さん」 興奮で、声がかすれた。 喉が、酷く渇いている。 この胸を、思うがままに触りたい。なのに、どうしてぼくは我慢しているんだろう。 頭が身体にこもった熱で、うまく働かない。 もう、へたをすると舞ちゃんが同じ部屋にいる事すら、頭から押しやられてしまう。 自分が何をしていたのかさえも。 ――ああ、母さんがぼくを誘惑するよう、暗示を掛けたんだっけ。 ――もう、十分に誘惑されてると思うんだけど、なんでぼくはまだ手をだしていないんだろう。 ――そうだ、あと一枚残ってるからだ。 大事な所を守る、最後の一枚。 もう愛液でぐちょぐちょになっている、パンティ。 でも、それは大事な所を守るというより、脱がされるのを待つだけのモノかも知れない。 ――母さんが全裸になったら、ぼくから抱き締めよう。 ――我慢は、そこまででいいんだ。 そして。 母さんの両手が。 パンティをゆっくりと下ろしていく。 ぼくの目の前で、複雑な形をした媚肉が晒された。 ぬめぬめと肉色に濡れ光り、ぼくを捉えて離さないソレ。 ひくついて、まるでべつの生き物のように蠢いて、とろりとした白濁した愛液を溢れさせて。 牝の器官そのものという気がした。 オトコを引き込み、虜にする穴。 「どう・・・へんじゃないかしら?」 興奮に震える母さんの声。 でも、ぼくも同じようなものだと思う。心臓がバクバクとして、頭に血がのぼって。 「よくわからないよ。もっと・・・奥まで、良く見せて」 だから、ぼくの声も震えていた。 隠しようの無い興奮と、抑えようの無い欲情で。 「こうしたら、よくみえるかしら・・・」 母さんは右足をベッドに乗せて、立ったまま腰をぼくのほうに突き出す姿勢をとった。それだけでなく、愛液で陰毛が張り付いたアソコを、両手の指先で左右に開いた。濡れた音とともに、目いっぱい秘所の肉があからさまに晒される。クリトリスも、おしっこの穴も、アソコの入り口も、全てが目の前で息づいている。濡れた肉色の粘膜は、ぼくに弄って欲しいと言っているように見えた。 「ここ・・・ここが、男のひとを気持ち良くする場所なの・・・」 母さんはさらに指を進めて、アソコの穴を指で広げた。濡れた音を立てて開いたそこは、襞が複雑に入り組んだなんとも言い難い形をしていた。ただ、てらてらと濡れて蠢く穴は、ぼくのものを挿入したらと思うだけで、イってしまいそうなほど、いやらしい印象があった。 「ゆうちゃん、して・・・みたくない?ママのここにゆうちゃんのお○んちんをいれて、ぐちゅぐちゅと掻き回してみたくない?入れてくれたら、いっぱい締め付けてあげるわよ。ゆうちゃんの上に跨って、腰を振ってもいいわ。どんなことだってしてあげる・・・」 いやらしい事を言いながら、母さんの顔は欲情に歪んでいる。興奮で、もうどうしようもないくらいに昂ぶってるんだと思う。だって、母さんのあそこは、いやらしい蜜をとろとろと溢れさせて、膝のほうまで伝ってるくらいだし。 ぼくも、もう限界だ。 舞ちゃんが冷たい笑みでぼく達を見詰めているのも。 母さんと血が繋がっている事も。 ぼくが舞ちゃんを好きだという事も。 してしまったら、家族という関係が壊れるだろうという事も。 すべてが、どうでもいい。 もうとっくに、舞ちゃんと同じ世界に属して、同じものを見ていこうと、決めていたのだから。 だから、母さんのアソコに、ぼくの指を近付けた。 「あっ、あっ、あっ、いいっ!いいのっ!ゆうちゃんのゆび、いいっ!!」 母さんは、まるで楽器のようだった。 指先で大陰唇に守られた粘膜を上下に擦ると、きれぎれに喘ぎを上げる。 小指の先ほどに大きくなったクリトリスをつつくと、鋭い悲鳴を奏でる。 溢れ出る愛液で濡らした指でビラビラに触れると、甘く泣き声を漏らす。 中指を膣に挿入すると、中の壁が嬉しそうに震え、濡れた音を響かせる。 立っているのが辛いんだろう。母さんはぼくの肩に両手を置いて、今にも崩れ落ちそうな身体を支えている。 「やぁ!ん!いいのぉっ!いいっ!あぁんぅ!」 ぐっちゅぐっちゅとはしたない音を立てながら、ぼくは指で母さんの中を蹂躙する。 その不思議な感触や、中に引き込もうとするような感覚、絡みつくような動きは、まるで指が性器になってしまったみたいに気持ち良かった。 でも、もう我慢の限界だった。 ぼくは、母さんの中から指を抜いた。 「あん・・・な、なんで・・・」 切なそうにぼくを見下ろす母さんに、安心させるように笑いかける。 指を抜いたのは、ぼくがズボンを脱ぐためだ。暗示で敏感になった母さんがどれくらいぼくのモノで乱れるのか、早く試したくて堪らない。それは、愉しみであると同時に、テストの意味合いもある。少なくとも、さっきの舞ちゃんの時以上に出来なければ、一緒に行く意味も価値も無いのだから。舞ちゃんがどう思うかではなく、自分で自分自身に設定するハードルだ。ぼくのモノも、気合が十分に入っている。 「さぁ母さん、自分から跨って、好きに動いていいよ」 母さんは今にもぼくに襲い掛かりそうなぎらぎらと乾いた目で見詰めて、慎重に腰を下ろしてきた。片手でぼくの肩につかまり、もう片方の手でぼくのモノを自分の秘所に誘導する。今にも性器同士が触れそうになった瞬間、ごくりと唾を飲む音が響いた。それは、母さんの快感への期待からか、それとも息子と一線を越える事への畏怖か、ぼくには判断出来なかった。 停滞は一瞬だけだった。 母さんが腰を落とすと、ぼくのモノがにゅるりと吸い込まれた。母さんの中は、舞ちゃんと違って締め付けはそれほど強く無いけど、代わりに柔らかくみっちりと包み込み、纏わり付く感じが気持ち良かった。 「んぁあっ!ゆうちゃんの、す・・・すごいのっ!ママのが、いっぱいに広がってるぅ・・・ッ!」 母さんは、どれくらいの快感を感じているんだろう。両手をぼくの背中に回して、M字に開いた脚を必死に動かして、腰をふるふると動かしている。それは、まだ余裕があるように見えて、なんだか不満を覚えた。もっと・・・もっと、何も考えられないくらい、気持ち良くさせたい。そんな思いがぼくの心を支配する。 「いい・・・いいのぉ・・・ひっ!!」 左手で、目の前で揺れる胸を掴む。 指の形に歪むのを愉しみながら、その頂点で硬くなった乳首も、指先で何度も弾く。その度に母さんが鋭い悲鳴を上げるけれど、決して嫌がっている訳ではないのが、その蕩けた表情からも判る。 右手は、母さんのお尻の穴へ。 最初は皺の一本一本を確かめるようになぞって、まるでぼくの指を待っているみたいに柔らかくほどけてくると、中指を少しずつ中へ差し込んだ。お尻の穴の方まで愛液が伝っていたから、窮屈さは感じても粘膜を傷つけるような引っ掛かりは感じなかった。 「あ゛・・・や゛・・・う、んぅぅ゛・・・あ・・・ふんぅ・・・」 母さんの腰の上下運動に合わせて、お尻の中をほじった。指は第二関節ぐらいまでしか入れられなかったから、その分お尻の穴を広げたり、小刻みに浅い場所で出し入れして刺激した。そうすると、母さんの喘ぎ声に余裕が無くなって、意味の無い声だけが漏れるようになった。 「どう?気持ちいい?」 問いは、母さんに届かない。 焦点の定まらない目を虚空に向けたまま、母さんは緩やかに腰を振り続ける。 さっきからぼくのモノを包み込んだ母さんのアソコは、何度も痙攣するみたいに時折強く締め付けて、ぼくがそう願ったように、深い快楽に精神が飛んでいるようだった。身体を密着させて腕を伸ばし、お尻により深く指を潜り込ませると、「ひはぁ・・・」と母さんは口を開き、舌を躍らせて喘いだ。どうも、母さんはお尻の方が弱いようだった。心の中で、そのうちお尻を徹底的に調教しようと思った。 「ひっ、ひぁん・・・っ、ああふ・・・やは・・・ぁ・・・んっ」 もしかしたら、母さんはずっと絶頂の高みにいて、降りて来られないのかも知れない。笑みにも似た表情で、途切れ途切れに喘ぐ母さんを見て、そう思った。だとしたら、ぼくがイクまでずっとこのままイキ続けるのかも知れない。 ぼくは、母さんのお尻に入れた指で母さんの腰を上下させるようにして、抽送のペースを速くした。間延びしていた母さんの喘ぎ声が、身体の動きに合わせるように、今まで以上の絶頂に近付いているかのように、酷く逼迫したものになる。もちろんぼくはそんな事に気を配る事をしないで、左手で自分の身体を支えながら、下から腰を突き上げる動きを加えた。 コンコンと、今までと違ってぼくのモノの先端に、何かが当たる感触が追加された。さっきよりも、深く突き入れているからだろうか。ただ、その感触をぼくが感じる時に、母さんもより鋭い快感を感じているようなので、きっとここも『気持ちいいポイント』なんだろうと思った。 「ら、らめっ、ひぐぅ、まら゛っ、ひぐぅっ!!」 母さんが、息むようにして、悲鳴混じりの声を上げる。 もう、気持ちが良すぎるからなのか、苦痛を感じているのかすら、ぼくには判らない。けど、ぼくのモノを放すまいとするみたいに絡みつく母さんのアソコは、それこそが本当なんじゃないかと思った。お尻だって、ぼくの指を喰い千切るんじゃないかってぐらいに入り口周辺を締めて来るのに、けっして押し出そうとはしていないし、この意味を成さない声が、まさに快感を告げる声ということなんじゃないだろうか。 「んっ」 鋭い快感が、ぼくの身体を駆け抜けた。 思わず女の子みたいな声をもらして、自分自身に余裕が無くなってきている事に気が付いた。いったん意識すると、射精の欲求が凄い勢いで膨れ上がった。 「出すよっ、母さんのなかに、全部出すからっ!」 そう言うと、母さんがぼくの顔を胸に押し付けるようにして、ぎゅっと抱き締めてきた。今まで以上にきつく、母さんの中がぼくのモノに吸い付いてくる。それが、最後のとどめになった。 ぼくの中から精液が噴出すというより、母さんに精液を吸い上げられるような、そんな快感がぼくの頭を白く焼き尽くした。量だって、いまあるものを全て吸い尽くすみたいな、自分でも不安になるような量が出てるのが感じられた。 でも、それは破滅的な快感だった。 このまま母さんの中に、自分の中身も何もかもを、全て出し尽くしたい・・・そんなどこか歪んだ思いがふと、脳裏を過ぎった。 「い゛い゛い゛っ!!い゛ぐっ!い゛っちゃうぅ!!」 ぼくを一番奥まで受け入れたまま、母さんはビクビクと震えながら、何度も深い絶頂に達しているみたいだった。ぼくの頭を抱き抱えた腕が、母さんの絶頂の都度、ぎゅっと切ないほどに力が込められる。ぼくも応えるように、母さんを抱き締めながら、込み上げる精液を母さんの中に流し込み続けた。それはまるで、母さんの胎内に回帰するみたいな、安心と幸福感に満ちた快感だった。 ・ ・ ・ 「裕司さん、お疲れ様でした」 舞ちゃんが、まるで一仕事終えた夫に言うように、微笑みながらぼくを労った。 その笑顔に一ミクロンほども嫉妬の色が混ざっていないのは、予想していた事ではあったけれど、やはり残念と思う気持ちを抑え切れなかった。 ぼくは脱力した母さんを抱き締めたまま、舞ちゃんに応える。 「それほど疲れてはいないけどね。どう?楽しめたかな?」 そう。 全ては舞ちゃんの楽しみの為に。 快感を感じる事が出来ない舞ちゃんに、せめて精神的な愉しみを与える為に。 ぼくは、舞ちゃんのいる世界へと、自分から足を踏み入れたのだから。 「はい」 舞ちゃんの返事とともに浮かんだ笑みは、ぼくにとって最高の報酬だった。 自分の魂を穢す事さえ厭わない、そう思えるほどに。 家族の身体を汚す事さえ喜ばしい、そう、思えるほどに。 ぼくは、今ぼくがどう感じているか伝わればいいのにと思いながら、舞ちゃんに微笑みを返した。
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