中田　豪快サク越えショー　一塁も守る！

　ヤンチャ侍がサンマリンスタジアムの観客を魅了した。中田翔外野手（２３）＝日本ハム＝が、フリー打撃で９本の柵越え。終了後に大きな拍手を浴びると、バットを掲げて応えるパフォーマンス。定位置奪取を猛アピールした。

　土曜日で好天に恵まれ、前日の倍以上となる約１万９０００人の観衆が詰め掛けた。その目が追いかけるのは、中田の打球の行方。「飛距離は別にして、力強いスイングをできた。課題もありますけど、気持ち良く振れています」。気分爽快の５６スイングだった。

　ため息にも似た観客の声をＢＧＭに、美しい放物線を描いた打球が次々と左翼席へ。そのたびに野球少年はホームランボール争奪戦。「子どもが多かったので危ないかな、と思いましたけどね。ただ、終わった後の拍手にはビックリしました」。主役はニヤリと笑った。

　これには山本監督も「見ての通り。良く飛ばすね」とご満悦。評価を上げているのは打撃だけではない。合宿初日に続き、この日もシートノックでは左翼、投内連係では一塁の守備に入った。緒方外野守備走塁コーチが「肩も強いし、素直にうまいなと思う」と舌を巻けば、高代内野守備走塁コーチも「思っていた以上に一塁も守れる」と感心。対戦相手によって稲葉と中田を使い分けるプランも浮上してきた。

　１７日の広島戦には「７番・左翼」でスタメン出場し、試合途中で一塁に移る予定。「いろいろなポジションを守らせてもらえると、チャンスも広がる。もっともっとアピールしたい」と中田。ラッキーボーイ候補どころか、定位置争いに加わる勢いだ。　（井上学）