楓が意識を回復した時、その身体は横たえられていた。 周りには何もない。 辺りは真の闇だった。 目を凝らしても壁のような暗闇にさえぎられて、腕すら見えない。 息づかいだけが異様に大きく聞こえる。 「気がついたかしら?」 視界の奥から、誰かが歩いてくる。 楓はわずかに身体を動かした。 本当はもっと動きたかったが身体は奇妙なほど重く、容易に動けない。 「あなたは・・・ガルゼーダ帝国の幹部・・・?」 魔獣とは明らかに異なる容姿を見て、楓はそう推測した。 クローディアが感心した様子で頷く。 「その通りよ。さすがはセイントユニコーン。作戦を担うだけあるわね」 賞賛の言葉にも楓は大きな反応を見せない。 「それで、あなたは・・・?」 一角獣を象るティアラがクローディアに向けられる。 額の宝玉が蒼く輝いた。 「落ち着いているわね。自分の心配はしなくてもいいのかしら?」 「・・・私を、どうするつもり」 気を奮い立たせた楓は挑むように視線を向ける。 クローディアは既視感を覚えた。 どうしてだろうと考え、クローディアは思い出した。 麻衣が睨んだ視線と楓の挑むような視線はよく似ていた。 「あなたにも、ゾラーク様に仕えてもらうわ」 「誰が、ガルゼーダ帝国に・・・あなた、にも?」 まさか、と呟いた楓にクローディアはあえて告げる。 「彼女を生まれ変わらせてあげたのはわたしよ」 彼女という言葉が誰を指すのかは言うまでもない。 楓が視線に怒気を籠らせた。 「あなたが・・・!」 楓は横たわったまま、ほとんど動かすことのできなくなった体を呪う。 いくら体に力を込めても、動いている部位など皆無に等しい。 これが自由に動けば、こいつを倒せるかもしれないのに。 「さあ、始めましょうか」 クローディアがしれっとした顔で言った。 小声で何か唱える。 すると楓の周囲だけ、闇がさらに濃さを増した。 横たわっていた楓は、天を仰ぐ。 黒い壁のように闇は視界を遮断していた。 唐突に楓は理解した。 ここは闇。 ここにあるのも闇。 ここに存在しているのは漆黒の闇だけで、この身に宿っているはずの力もこの闇の中ではまったくの無力なのだと。 楓は身体をこわばらせた。 やがて、漆黒の闇が楓を覆い始める。 闇の一部は変化して黒い霧となった。 楓が胸を上下させると、霧は楓の中に吸い込まれていった。 突然、意思によらず楓の身体が反り返った。 「あ・・・」 楓の体が急激に熱くなり、楓は声を上げる。 「う・・・」 熱は彼女の身体を火照らせた。 「あ・・・う・・・ああ・・・?」 身体の火照りが甘く熱い快感へと変わるのに時間はかからなかった。 クローディアが口を開く。 「彼女と同じように、あなたも闇に染めてあげるわ・・・」 「麻衣さんにも、こうやって・・・ああっ・・・」 楓を包む闇が巧みに楓の肉体を撫で回し始めた。 微弱な電流のような刺激が走り、楓に快楽の波が押し寄せる。 「うう・・・」 熱い疼きが止まらない。 全身を走る快感に、楓は身体を震わせる。 「ふふ、感じちゃったのね?」 「こ、こんなことで・・・」 気丈に否定しても、身体は快楽に飲み込まれている。 「い、いや・・・こんな・・・」 「我慢することはないわ・・・」 クローディアの言葉が、甘美に響く。 「く・・・う・・・」 (だ、だめ、こんなことは・・・) 気を抜けばスーツの中の股間へと伸びていきそうになる手を抑えるのに必死だった。 「だ、だめなのに、なんで・・・」 「なぜ、だめなの?」 「なぜって・・・」 なぜだめなのだろう。 楓は答えられない。 「我慢しなくてもいいのよ」 「我慢・・・しなくても・・・?」 「そう。当たり前でしょう?オナニ―するぐらい、当然の事よ」 クローディアが繰り返し楓を誘惑する。 その誘惑に、楓は耐えられなかった。 (我慢しなくても・・・いい・・・) (そうよ・・・当たり前・・・これぐらい・・・) 楓の右手の指があそこへと伸びる。 いつのまにか身体が自由に動いていた。 同時に左手で自らの胸を揉む。 敏感になっている乳首に指を当てるたび、彼女の身体はビクンと強張る。 右手の指先はゆっくりと秘裂をなぞる。 まだ何もしていないのに、そこは熱く蜜を溢れさせていた。 「あ、ああ・・・」 音と共に指が体に吸い込まれる。 指が陰部を擦ると、今まで感じたことのない快楽が身体を駆け巡り、楓の脳までも犯してゆく。 「ひゃあ・・・ああ・・・」 快楽を逃さないように、楓の腰や手が激しく動く。 膣を蠢かす。 指を強く締め付ける感触と共に、体が痙攣するほどの激しい快楽が全身を駆け抜けた。 「ああっ、はあああんっ!」 快楽の連続に、楓の意識は朦朧とする。 内側から与えられる快楽に目は虚ろになっている。 同時に額のティアラの蒼い宝玉に紋章が浮き上がる。 双頭の蛇の姿が刻み込まれていた。 「ふふ」 クローディアは、喘ぐ楓に顔を近づける。 「さあ、ゾラーク様に忠誠を誓うのよ・・・」 楓の瞳がわずかに意志の光を取り戻す。 快楽に呑み込まれてはいるが、その心は折れていない。 「だ、誰が、ゾラーク、に・・・」 喘ぎながらも楓は必死で拒絶する。 「よくこらえるわね・・・でも、ここまでよ・・・」 クローディアがその唇を楓の唇に重ねた。 「んんっ!んんんーーーっ!」 嫌がる楓に対して、クローディアは巧妙に舌を使い、楓の口内を蹂躙してゆく。 楓の抵抗も長くは続かず、そのうち自分から積極的に舌を絡め始めた。 やがてクローディアから舌伝いに漆黒の液体が楓の口の中へ侵入する。 トロリとした液体が楓の口の中を満たす。 クローディアの舌からそれが離れ、口腔に残った液体を楓は反射的に飲み下した。 クローディアが唇を離す。 「さあ、受け入れなさい。闇の力を」 「あ・・・あ・・・あはあ・・・」 暗黒が楓の内部で広がる。 甘美な快感に、彼女は身体を少し震わせた。 「ああ・・・満たしてゆく・・・何かが、私の中を・・・」 恍惚とした表情で楓が呟く。 「何だろう・・・すごく・・・気持ちいい・・・」 次第に楓の体内で闇が充満してゆく。 楓の眼はすでに虚ろで、快楽にその身体を委ねていた。 「あなたは何?」 クローディアが楓に問いかけた。 虚ろな眼差しがクローディアへと向けられる。 「私は・・・水沢楓・・・ホーリーユニコーン・・・」 「あなたの使命は?」 「私の使命・・・この世界・・・守る・・・」 「それは偽りよ」 楓の視線が、左右に揺れる。 「偽り・・・?」 「あなたの本当の使命は・・・・ゾラーク様に仕えすべてを捧げること」 「使命・・・私の使命・・・ゾラーク様・・・すべて・・・捧げる・・・」 弱々しく楓はクローディアの言葉を繰り返す。 瞳に意志の光はない。 体内に満たされた闇が楓の思考を侵食する。 クローディアの言葉が、邪悪に堕した価値観が楓に深く浸透する。 (使命・・・私の使命・・・ゾラーク様・・・すべて・・・捧げる・・・私の使命は・・・ゾラーク様に仕えすべてを捧げる・・・それが私の本当の使命・・・) 楓の精神は暗黒に染まり、邪悪な思想を受け入れてゆく。 「ああ・・・あっ!」 途端に、さらに強烈な快感が楓を襲う。 「ああっ、あはあっ!」 極上の快楽に、楓は悦びの声を上げる。 唇からよだれを垂れ流し、秘部からも愛液が溢れ出し続けた。 ティアラの蒼い宝玉に浮かぶ紋章が妖しく光る。 楓の動きもさらなる快楽を求めてさらに激しくなる。 「あっ、ああっ、あああああーっ!」 脳天に叩き込まれるような強烈な快楽についに絶頂に達し、楓はひくひくと痙攣しながら視線をさまよわせた。 楓の小学生のように小柄な肉体が変化を始め、風船に空気が吹き込まれたように乳房が膨れ上がる。 太股が成長し、楓の肉体を作り変えてゆく。 蒼い宝玉では紋章から黒い染みが広がり始める。 楓の瞳は鮮やかな紅に染まっていった。 永遠とも思える時間が流れた。 クローディアが再び問う。 「あなたは何?」 楓は素直に答える。 「私は・・・ゾラーク様に絶対の忠誠を誓うガルゼーダ帝国の戦士です」 「あなたの使命は?」 「ゾラーク様に仕え・・・すべてを捧げることです」 クローディアが、妖しい笑みを浮かべた。 ゾラークとクローディアが視線を絡ませた。 二人の視線の先には、一人の少女が跪き、頭を垂れていた。 楓はスーツを身に纏っていた。 だがセイントユニコーンのそれと大きく異なり、純白だった部分は暗黒色に変化し、暗い蒼が入り交ざり不気味な心象を与えている。 胸元は大きくはだけ、豊満な乳房を露出させている。 下腹部も大きく開放され、秘所まで剥き出しになっている。 両の腕や足はグロ−ブやロングブーツ以外覆われずに剥き出しで素肌を晒し、艶かしい太ももや上腕が白く美しい。 楓の大きく変貌した肉体が強調される姿である。 ロングブーツは硬く刺々しい装飾に彩られ、グロ−ブはエナメルの漆黒で輝いていた。 赤紫に塗られた唇が、真紅に輝く瞳と共に妖しく光る。 ティアラに擬された一角獣と宝玉は漆黒に輝いている。 その全身からは、禍々しい闇のオーラが溢れ出していた。 「顔を上げろ」 少女が頭を起こし、まっすぐにゾラークを見る。 「闇の力はどうだ?」 「はい・・・素晴らしいです、ゾラーク様・・・」 楓は恍惚としていた。 溢れ出す邪悪な力に酔いしれ、唇に妖艶な笑みを浮かべている。 「おまえは、この世界を守る為に戦ってきたはずだが?」 「私が愚かだったのです・・・ゾラーク様こそ、この世界を支配するべき御方。ゾラーク様に刃向かってしまった罪は重く、到底許されるものではありません・・・」 楓の瞳が潤む。 「ですが、ゾラーク様・・・どうか、私に慈悲を御与えください・・・ゾラーク様に御仕えすることが私のすべて・・・御仕えすることを許していただけるなら、邪魔な虫ケラどもを 皆殺しにして御覧に入れます・・・」 楓はゾラークに泣きついて必死で懇願していた。 その姿にゾラークがかすかに表情を緩めた。 「良いわ。こうして余の前に跪いた以上、罪を問うことなどない。これからはガルゼーダ帝国の戦士として、ダークユニコーンと名乗れ・・・」 「ありがとうございます、ゾラーク様。私の名はダークユニコーン。私のすべてをゾラーク様の為に捧げます。」 歓喜の表情を浮かべ、楓はゾラークに忠誠を誓う。 少女の表情を観察したゾラークは酷薄そうな笑みを唇に刻む。 「見事だ。よくやった、クローディア」 「はっ。あと一人も、必ずや近い内に」 「楽しみにしているぞ・・・来い、犯してやる」 ゾラークの言葉の前半部はクローディアに。 言葉の後半は楓に向けられていた。 楓が、頬を紅潮させた。 「はい、ゾラーク様」 立ち上がったゾラークに、楓が付き従う。 ゾラークが楓を引き連れて闇に消える。 クローディアは黙って見送った。 一人の男が二人の女を犯していた。 男根が雄大にそそり立ち、女に突きたてられている。 「こうして二本使うのは久しぶりだな」 ゾラークが邪悪な欲望に満ちた笑みで二人の女を見下ろす。 ゾラークの右手は麻衣の胸を揉み、左手は楓の太股を撫で、蛇が赤い舌を二人の首筋に這わせていた。 麻衣と楓の全身の神経を快楽が駆け抜ける。 「ああ・・・イイ・・・」 「ゾラーク・・・様・・・」 膝をさらに広げ、その秘所をさらす。 うっとりとした表情で麻衣と楓はゾラークを迎え入れてゆく。 淫蕩な笑みを浮かべて身体を大きく揺らす二人の姿に、正義の戦士の面影はない。 「ふふ・・・そろそろか・・・」 ゾラークはゆっくりと、さらに深く二人の身体の奥へ自分を沈めてゆく。 「あはあ・・・あああ・・・」 「ああっ、ああん・・・」 ほどよく濡れた肉襞に刺激が与えられ、肉を割る感触が二人を狂わせる。 ぐちゃぐちゃと響く音。 ゾラークが自分自身を彼女達の膣奥深くへと向かわせる。 痴態をさらす二人はもはや何はばかることなく歓喜の声を上げた。 「ひゃあああっ!ああああーーーっ!」 「あふうっ!ああんっ!ああーーーっ!」 極上の肉の悦びに淫らに打ち震えた二人は、頂点に上り詰める。 「ああっ・・・」 「あはあ・・・」 絶頂に達し、表情も肉体も弛緩させた楓と麻衣の秘所からはとめどなく愛蜜が溢れ出していた。
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