飛ばせばいいってもんじゃない
- 長々しい説明を一切省いて…
ここは恐ろしい魔王が住む巨大な城。
城のクセして黒と赤を基調としたデザインは一流である。
で、その城の中で一人の勇者(年齢12)が魔王と対峙していた。
しかし、魔王は余裕を見せているのか何事もないかのように玉座に居座っていた。
「それにしてもいきなり最終戦とか作者も手抜き始めたなー」
魔王は勇者を見つめながら、冷たいような冷めてるような口調でそう言った。
「コラ! メタ発言するな!! …さ、さすが超発言は魔王のお家芸だな!!」
金色の鎧を纏い、銀色の聖剣を手にした勇者は怒りと焦燥を交えて叫ぶ。
「まあ、それはさておいて…。 この世界の平和のため、お前には死んでもらう!」
ぶわぁっ!
「フライングだとぉ!! つうかそれってアフ○…」
「問答無用!」
明らかにどこかの軍部の人が言うような言葉と共に十二歳の勇者は玉座に居座る魔王に向かい、
説明がめんどくなる伝説の剣を振りかざして飛び出した。
しかし、彼の一撃は当たらなかった。
「グッ…ううっ!」
勇者は見えない力によって地べたにひれ伏せられていた。 まるで重力に押さえつけられているように身動きが取れない。
「いやぁ…こんな事があろうかとカーペットに対人間用の罠を仕掛けて…おいたのだ!!」
魔王は一瞬間を空けたかと思うと、いきなり魔王らしい威厳でそう言った。
「しかもこの罠は人間を押さえつけるだけでなく、この罠に引っかかった者を我が眷属にできるのだ!」
「なんというごつ…ぐぅっ!!」
勇者は壮絶な気を放つ魔王に突っ込みを入れようとするが、罠の力で一言も言えない。
「愚かな人間よ、よくもまあ説明するのが面倒な苦労をして強き武器を手に入れ、勇ましく立ち向かったものよ。 その蛮勇と女装が似合うショタっ気に敬意を表して我が娘にしてやろう!!」
未だに玉座に居座っている魔王は、なんか威厳のある口調で勇者に告げた。
「な、なんだと!! ってか女装が似合うってなんてマニィィィィ!!…」
我が娘にするという言葉に反応して勇者は顔色を変えて叫ぶ。
(娘って…嫌な予感が……)
- 勇者の予感は見事に的中した。
「ああああっ!! あっ、ああっ!!」
魔力で鎧を脱がされた勇者の体は罠と魔王の力によって次第にゆがめられていく。
「うああっ! な、なんなんだ?!」
(熱い、気を失いそうなくらいに熱い! もしかして体を変えられてるのかよ!)
勇者の体は異常なほどの熱を帯びていた。 まるでマグマのような熱さである。
その熱と共に彼の体も変わっていく。 その様はまるで熱によって曲がりやすくなった金属のようだ。
あまり筋肉がついていない胸は次第に膨らみ、小さな乳首も一回り大きくなる。
腹部はスラリと細くなり、逆にヒップは少しだけ大きくなっていく。
「ご、ああああああっ! ……ああぅっ! はっ、ああっ! あ、あぁん!!」
苦悶に満ちた乾いた男の叫び声は、次第に艶っぽい女のあえぎ声に変化する。
それと同時に唇が真っ赤になり艶が入り始め、やんちゃな感じの顔は男のものからかわいらしい女のものへと変わっていく。
男性が持っているペ○スは肉体に埋まっていき、次第に女のク○トリスに変形し、両腕と両脚は繊細かつ細くなっていった。
「う、うそ…なんで私、女になってるの?! って、しゃべり方まで女…」
弾力のある大きな胸をわしづかみにして勇者は戸惑う。
勇者が性転換され終えたときにはカーペットの罠は切れていた。
「これでオレの眷属になったと思ったら大間違いだぞ 今までのは前菜、本当の儀式はこれからよ!」
衣服を全て脱ぎ捨てた魔王は勇者に向かって叫んだ。 彼の下半身にはたくましいモノがいきり立っており、勇者に自分が何がしたいのかを否応なく教えた。
「いやあっ! やめてぇ!! 私を犯さないでぇ!」
女へと変えられた勇者は、顔色を変えて叫んだ。 その叫び声と言葉は既に女のものとなっていた。
- 「あっ! あん、あん! いいのぉ…きもちいいのぉ!」
魔王のモノに秘部をぐちょぐちょにかき回されている勇者は既に魔王の虜となっていた。
その証拠に瞳は赤くなっていき、両方のこめかみの辺りからツノが生えていき、肩には魔族の紋章が浮かび上がっている。
「魔王さまぁっ!! もっとついてぇ!! お○んこもっとキモチよくしてぇ!!」
魔王は玉座に座り、魔に堕ちそうな勇者を自分と向き合うようにし、腰を激しく動かしていた。
「魔王様ではない、オレの事はパパと呼んでいいぞ お前はこれからオレの娘として生きていくんだからな」
「はひぃ! パパぁ!パパァ! …好きィ…あううっ!…だからもっともっとぉ!」
「全く…これで何回イったんだ? もうオレは3回も…ぐ…来る……」
ビク! ビクゥ!! ドクゥ!ドクッドクッドクン!!
「あううっ、ああああああああ!! パパの魔力入りセーシ、いっぱい出て私変えちゃうよぉ!!」
勇者は既に火照っている自分の体が、ヒトとはよりかけ離れ始めている事を本能で感じ取る。
黒い角はより強靭かつ一回り大きくなり、背中からは小さな蝙蝠状の翼が生え、尾てい骨のあたりにはクリトリスみたいなものが出始めている。
「はああぁ… 子宮が…パパの魔力入りセーエキでパンパンだよ……」
「はぁ…はぁ……まったく、お前は激しすぎだぞ どうする?お前勇者だろ?パンパンなら止めるか?」
「いやぁ…まだ満足してないの このままやめたら切なくてこわいよぉ…勇者なんかやめて、持ってきた物全部あげるからもっとしてぇ…」
勇者はいやらしく腰を振りながら、つぶらな瞳で魔王にねだる。 魔王は今の勇者のザマを見て心の中で苦笑した。
さっきまで殺気(?)をむき出しにしていた鎧よりも女の子の服が似合いそうな少年は、女となって魔族へ、それも敵の娘になる事を望んでいる。
罠付きカーペットの効果は性転換のせいでエネルギーを切らしてしまったが、今となってはそれも良かったかもしれない。
魔王はそんな事を考えてしまいそうになり、それを忘れようと首を振って第五段階に挑んだ。
(娘にしようと言ったのは自分だ、そして今は娘にして魔族に変えている。 それで十分じゃないか…)
「まったく…わかったよ 俺も…もう一回したかったところさ……」
「パパぁ…だいすきぃ、大きくなったらパパのお嫁さんになるねぇ」
勇者である事を捨てた元少年は魔王の額に口付けした。 彼女の目には涙が一粒流れていた。それはヒトとしての良心か、切なさの表れかは魔王にはわからなかった。
彼はとりあえずその涙をそっと舐め取った。
- 「あっ、あっ… あ、ああ…はっ、はぁん…はぁんああん…」
「ぐ…ん、ぅんぅん…ふぅ……ん…」
魔王は今ある自分の全ての力をこの一瞬の交わりに賭け、元勇者の少女(元人間)はその魔王の力を一身に受け続ける。
少女は勢い良く腰を振りながら魔王の性を今か今かと待ち望んでいた。
それを感じて魔王も勢いよく腰を振って彼女を悦ばせる。
(きもちいい……もう…なにもかんがえられなくなるくらいにいい……もう私は少年でも勇者でもない、このお方の娘なんだ、それでいいんだよね?)
「あっ、ああん! いい、とってもいいのぉ! イキそうなの! もっと…もっとふってぇ!それでもっと私を変えてぇ!!」
「ぐっ! オレもそろそろイキそうだ… こうなったら一気に…」
魔王は自分の限界を感じ、この一瞬に力を賭ける。
それでも魔王は少女に対する愛撫をやめずに続けて彼女をさらに悦ばせる。
「イ、イクぅ! イっちゃう!! 来ちゃう来ちゃうよぉ!!」
「ぐ、うぅ オレもだ…」
過程だけは長ったらしいのにどうしてイクことだけはこんなに短いんだろう…
これから完全に世界を統べ、恐怖に陥れる魔王はそう考えながら絶頂を迎えた。
ドクッ!ドクドクッ!!ドクゥゥゥ!!
「あっああああああああああ!!」
魔王は勇者の子宮内で射精し、そして勇者は子宮に5度目の熱いものを受けた。
- 精子の中にある魔力が子宮を通して勇者の体を駆け巡り、最後の変化が始まった。
頭に生えている角がより黒く染まり、さらに一回り大きくなっていく。
背中に生えた黒い翼も大きくなっていき、耳は鋭くなっていく。
尾てい骨の部分に生えたクリトリス状のものは射精のように勢い良く飛び出し、先端が矢印状になっている尻尾へと成長した。
瞳孔は鋭い切れ長になり、安堵感によって開かれた口からは鋭い二本の牙が見える。
その唇の色は瞳と同じ鮮血色になっていた。
男、もとい人間だった時は金色の短髪だった髪は栗色の長髪に変わっていた。
(はあはあ…私、これでパパと同じ魔族に…パパのこどもになるんだ……ああ…そうかんがえただけで、わたし…ゾクゾクしちゃってる……)
彼女は自分の体が完全に変わり果てた事を本能で感じ取っていた
「ねぇ、パパ…お願いがるの……」
「なんだ?」
「これから私の事はリリスって呼んで…」
「わかった リリス、気持ちよかったか?」
「うん、気持ち良かったよ…」
自分からリリスと名乗った元勇者は背中やお尻、こめかみなどに感じる新しい感覚に酔いしれながら、
疲労で重くなったまぶたを閉じ、魔王と交わった状態で眠りについた。
- それから数日後の真夜中
魔王城の中に作られた子供部屋
部屋の中は黒兎やツキノワグマのぬいぐるみがゴスロリ調の部屋にたくさん置いてある。
「パパぁ これすっごいかわいい!!」
際どく露出された服を着たリリスは翼を広げてクルクルと宙を舞い、尻尾を振りながら喜ぶ。
この衣服は転生祝いにと魔王が作った服である。
色は黒と金色、肩の部分は露出していて、腹部にはへそが見えるハート状の穴ができている。
尻尾の生えているところには中ぐらいの大きさの穴がある。 後ろから見ると尻尾でけでなくお尻の「線」の半分が見えた。
股間の部分には真ん中に銀色のチャックが付いている黒いハートマークが付いておりチャックを開けばたちまち臨戦態勢に望めるだろう。
胸の部分は乳首は見えないものの、乳房が少しだけ見えるようになっている。 金具の部分は全て銀色であった。
実はこの衣服、勇者が装備していた金色の鎧と銀色の聖剣を魔王が己の魔力で改造したものであった。
子供の着るものとは思えない露出度を誇る、伝説の神器を改造した衣服は魔に堕ちた勇者にとっては相応しいものであった。
「お前が喜んでくれるとオレも嬉しいよ なんてったってオレの愛娘だからな」
「ありがとうパパ だぁいすき!」
リリスは黒い翼を使って父親に飛び込んで、父親の額にキスをした。
(実はオレは裁縫が上手いって事は愚かな人間どもには内緒にしとかねばな まあ、リリスにも言えないが……)
実はこの部屋にあるぬいぐるみも魔王が作ったものであった。
世界征服とは関係のない才能がここで使われるとは思わず、魔王は心の中で苦笑した。
だが、娘が喜ぶと魔王の苦笑はあっさりと喜びに変わっていくのだ。
「じゃあ、お外で遊びに行くね 朝までには帰るからね」
リリスは部屋の窓を開けて父親である魔王に告げて外を飛び出した。
「あ、ああ… 人間共には気を付けろよー」
魔王はちょっとだけ心配になり、娘の方に向かって言う。
「大丈夫だよ? だって私は世界一強いパパの娘だもん!」
娘にそう言われ、魔王は頬を赤める。
最近は「世界一強い」という当然な事を娘に言われると非常に照れてしまうようになった。
-
「魔王様、父親でいることも十分ですが妙に増え始めた勇者対策の方も考えてください…」
いつの間にか子供部屋に現れた黒騎士が半分呆れながら言う。
「あ、ああ… そういえば最近は勇者が妙に増えているな」
黒騎士が現れた途端、魔王は娘馬鹿の父親から邪悪な魔王へと気持ちを切り替えた。 魔王も忙しいのである。
「といっても自称だらけですけどね まあ、我々に挑む気概は評価するとしても大丈夫なんでしょうかねぇ? いろんな意味で」
「まあ、最近は娘が「弱いくせにパパに反抗する勇者なんかやっつける」とか言ってたから大丈夫だろう」
「娘ができてからヒトが変わりましたね? 魔王様」
「男とはそういうものさ まあ、娘が怪我をしないようにとは心の中で祈ってるがな」
「やっぱり変わってますよあなた」
妙に調子が狂った感じがした黒騎士は人差し指と中指を額に当ててぼやいた。
「まあ、魔族や魔物のためにも、そして娘のためにもこの世界を征服せねばならないのは変わりない」
魔王は黒騎士のぼやきを聞かず、魔王らしいことを言った。
その日の朝、魔王城に向かうために通らなければならない洞窟洞窟の中で男の勇者達が淫らな状態で気絶していた姿が発見された。
原因は魔王の娘のサキュバスに犯されたことであることが後に発覚する。 また、女の勇者の行方は一人残らず消息不明となった。
それから数週間後、魔王の娘によってサキュバスとなった女勇者達が洞窟に入った勇者等を淫らに襲う事件が頻繁に起きはじめた。
それ以降、その洞窟に名前が付けられた。 その名も『リリス洞窟』である。
当のリリスは「やったやったー」と言ってものすごく喜んでいたという。
魔王は喜ぶ娘を見て「良かったなー」と言って笑ったという。
そんな二人を見た黒騎士はひどく呆れたという。
おしまい
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