日本経済新聞社と日本経済研究センターが15日午後開いた景気討論会では、欧州債務危機について議論した。出席者からは17日に控えたギリシャの再選挙後も不透明感が持続するとの見方が相次いだ。
JPモルガン証券の菅野雅明チーフエコノミストは「左派勢力が中心となるような政権が樹立されるとマーケットはネガティブに反応するが、急進左派勢力もユーロ圏を離脱するとは思っていない」と述べ、ギリシャが直ちに離脱する事態にはならないとの見通しを示した。ただ、先行きについては「来年以降、欧州の政治家がいかに解決していくかが注目点だ」と指摘、スペインやイタリアに広がりを見せている欧州債務問題が長期化すると予想した。
日本経済センターの岩田一政理事長は、ギリシャの再選挙について「どちらが選ばれても年内は交渉が続く」としたうえで、足元の預金流出などから「心配するのは、ギリシャの金融システムがもつかどうかだ」と懸念を示した。同氏はギリシャがユーロ圏から離脱する可能性が高まっていると述べた。
日産自動車の志賀俊之最高執行責任者(COO)は、産業界の見方として「欧州連合(EU)や歴史をひもとくと、ぎりぎりのところでギリシャの離脱を止めるのではないか。今回も最後はまとまるということに期待したい」と述べるとともに、欧州主要国の製造業が粘り強いと披露した。
東レ経営研究所の増田貴司チーフエコノミストは、欧州企業について「ユーロ圏の経済が低迷することを前提として新興国を開拓する動きが出ている」と説明。この結果、日本企業にとってグローバル競争が激化する可能性を指摘した。〔日経QUICKニュース〕
菅野雅明氏(かんの・まさあき) 1974年東大卒、日本銀行入行。97年調査統計局参事、日本経済研究センター主任研究員。99年JPモルガン証券入社、チーフエコノミスト。
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