ブックリスト登録機能を使うには ログインユーザー登録が必要です。
  明日への導 作者:散葉
更新遅れてすいません。
04 船での生活を紹介するのです!パート2
「ゆー君、いるですか?」
ルイさんに促された後、ウェゲナーさんとラウルさん、ラウラさんという幹部さんのお部屋に行ったのですが、もう移動した後だったのです。なので、今度はゆー君のお部屋に来たのです。返事を待つ間に、皆さんの事を思い出してみるのです。ウェゲナーさんは私が首が痛くなるくらい見上げるとやっとお顔が見えるくらい大きなつるつるの頭(注ハゲじゃなくてスキンヘッドです)に炎?の入れ墨をしている方なのです。見た目は凄く怖そうなのですが、私を可愛がってくれる優しい人なのです。話す時にわざわざしゃがみ込んで目線を合わせてくれるのです!
ラウルさんとラウラさんは、そっくりな双子さんで明るい赤茶色の髪にマスカットのような色の瞳の綺麗なお兄さんたちなのです。ラウルさんは肩くらいで切りそろえた髪を後ろで一つに結っていて、ラウラさんは腰くらいまでの長い三つ編みにしているのです。何でかというと皆さん(幹部の皆さんを除く)が見た目だけだと判断できなかったからだそうです。……でも、雰囲気は違うのですよ。ラウルさんはいたずらっ子でラウラさんは頼りになるお兄さんなのです!ちゃんと分かるのですよ!(←得意げ)

「ゆー君?いないですかー?」
ゆー君からの返事がありません。もう移動したのでしょうか。
「失礼するのですよ」
コンコンとノックしてからお部屋に入ると、ゆー君はベットに腰掛けていました。読書中だったみたいなのです。集中しているのか私には気が付いていないみたいなのです。
「ゆー君!ご飯の時間なのですよ!」
「……?紫苑?」
ゆっくりと顔を上げたゆー君は私を見ると驚いたように目を見開きました。ゆー君、私ゆー君のお部屋起きて出てからそんなに経ってないのですよ。集中力があるのはいい事ですがご飯の事忘れたら力でないのですよ。
「本に集中し過ぎなのです!ご飯なのですよ!」
「もうそんな時間か」
ゆー君は読書が好きな様でちょっと時間が空くと本を読んでいるのです。本人曰く「知識はいくらあっても困らないだろ」だそうです。意外にこの海賊団の皆さんは読書家が多いのです。そのためこの船には蔵書室というお部屋があって、そこにはたくさんの本が所狭しと並んでいるのです。……私も初めて見た時にはとってもびっくりしたのですよ!好きな時に行っていいというお許しをもらったので、時々行っているのです。

「よし、行くか。他に来てない奴いるのか?」
本を片付けて、かけていた眼鏡を仕舞ったゆー君はこちらを向いて言ったのです。
「わからないのですけど、まだ要さんと船長さんのお部屋に行ってないのです」
「あー、多分来てないだろうな。……じゃ、俺が船長のとこ行くから紫苑は要さんな」
「了解したのです!」
要さんのお部屋はよく爆発が起こってるのです……。何も起こりませんようになのです。


要さんを呼びにいって、少し白い煙が出ていましたが特に爆発はなかったので要さんを連れて来たのです。ようやく皆さんそろいましたのです。時間がかかり過ぎのような気がするのです。ちゃんとご飯の時間には食堂に来なくちゃダメなのですよ!
「待たせたな、じゃ、いただきます」
はい、ここではご飯の前はヤマトと同じ挨拶なのです。懐かしいのです。お兄ちゃんは元気でしょうか。心配、しているのでしょうか。あ、しんみりしてしまったのです。おいしいご飯は楽しい気分で食べなくては。

「しーちゃん、お疲れ」
「しーちゃんも大変だよなー。幹部の奴ら呼んで回ったんだろ?ちっちゃい身体でよくやるなー」
声をかけてくれたのは、ラウラさんとラウルさんなのです。話し方は全然違うのにお二人とも私の事はしーちゃんと呼ぶのです。それより、
「む、私は小さくないのですよ!ラウルさん」
そうなのです!私はこれでも十六、七歳なのです!もう成人なのですよ!
「ちっちゃいだろ。オレの胸くらいまでしかないじゃん」
「ラウルさんが大きいだけなのです!私は普通なのです」
「いや、しーちゃんは他の女の子より小さいよ?」
むむ、ラウラさんまで言うですか。
「な?ウェゲナーも思うよなー?」
「ああ」
「ほら〜。しっかし、しーちゃん小さすぎて踏みそうだよなー。ちょこまか動いてるし、何かこう、ぽーんってガキみたいにさ」
う、ウェゲナーさんまで言うのですか!?というかラウルさん、私そこまで小さいのですか……。
「でも、紫苑は可愛いから」
向かい側の席から手を伸ばしてポンポンと頭を撫でながら言ってくれるウェゲナーさん。うう、ウェゲナーさんはやっぱり優しいのですよ!慰めてくれるのですね。ちょっと脈絡は分かりませんけど……でも、
「私、可愛くないのですよ?」
「いや、しーちゃん十分可愛いから。へたな街の女の子より」
「褒め過ぎなのです!街の女の子さんに失礼なのですよ」
「……」
呆れたようにため息を吐くラウラさん、ちらりとラウルさんやウェゲナーさんの顔も見たのですがお二人ともラウラさんと似たような顔をしていたのです。……何故なのでしょう?

「はぁ、しーちゃんは鈍いなあ」
「同感。まさかここまでとはね」
「自分の容姿に気が付いてないのか?」
何かこそこそ話しをしているのです……。私は仲間はずれなのですか……。

「仲いいよな、紫苑たち」
隣で食事をしていたゆー君がぽつりと呟きます。
「皆さん、私をからかって遊んでるのですー」
いじけたように言うとゆー君は、
「まあ、でも紫苑は自覚した方がいいぞ、自分が可愛いってこと」
「ゆー君まで言うですかー!!」
そんなキラキラした笑顔で言わないで欲しいのですーー!!



「疲れました……」
まだ朝なのに、です。あの後、何故か要さんと船長さんも加わって皆さんに可愛い、可愛いと言われ続けて「自覚しろ」と他の船員さん方にも言われてすっごく疲れたのです。ちなみにゆー君に途中で助けを求めて、止めてもらったのです。何なのでしょう、皆さんは私を愛でて楽しいのでしょうか、というよりも子供を可愛がるみたいなのです。……私は子供扱いなのですか……。
「嬢ちゃん、どうした?中で休むか?」
「は、いえ!大丈夫なのです!ちゃんとお仕事するのですよ!」
「そうか?無理すんなよ」
「はいなのです!」
びしっと敬礼付きで答えると安心したのか船員さんは甲板のお掃除に戻っていきました。疲れてる場合じゃないのです!私は今お仕事中なのです!皆さんの様子を見て、タイミングよく飲み物など渡して何かあったら幹部の皆さんに知らせる。それが私のお仕事なのです。本当はお掃除とかお洗濯とか見張り番とか皆さんがやっているようなお仕事が良かったのです。けれど、やらせてもらえないのです。お掃除は船の揺れで海に落ちたら大変だ、お洗濯は人数が多いから重くて大変だ、見張り番は登る途中で落ちるかもしれないということで、任されたお仕事がこれなのです。皆さん、私の事甘やかし過ぎなのですよ。そんなに小さい子供じゃないのです。


基本的にはご飯以外はずっと甲板の木箱の上で皆さんを見ているのです。いいお天気なのです!


+注意+
・特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
・特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)
・作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。