華月洞からのたより

ひとこと多い華月(かげつ)のこだわり

NEW ! posted by kadukidou
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2013 四大陸選手権(2月8~11日・大阪)の雑記、男子編。
相変わらずの勝手な感想。
(公正な視点など人間には無理!が華月の心情です。
そのようなものは心がけても目指してもおりませんことを、ご承知おきください。)



優勝はカナダのケヴィン・レイノルズ選手。
昨シーズンから4回転をフル装備で話題になっていたけど、SPを見た時点では来るとは思わなかった。4回転もね~高さがないのかな「豪快!」という印象がなくて、凄いことやってるのに映えない。アニメのおとぼけキャラのような個性的な容姿のほうが技より印象的な、いつものケヴィンだった。
ところが翌日のFS、こんなに身体の使い方が巧い選手だったの?こんなに踊れたっけ?と目を見張った。力強さには欠けるとはいえ、長く細い手足を生かした所作はケヴィン史上最高のエレガンスを持って、最後まで破綻することなく作品世界をくっきりと氷上に描きだした。こうなるとジャンプも映えてくる。このマシューのピアノ協奏曲を使ったFS、あの世界のミヤモトケンジの振り付けは文句なしに素晴らしかった!
青年になろうとする少年期の最後、このあたりの年齢の選手に見られる背伸びや鬱屈した自我、やみくもな自己主張はさっぱりと脇に置かれて、ストレートに
「未来」「希望」をカンジさせる。中性的な魅力を最大限に生かした軽やかさと爽やかさ。いや、お見事!ミヤケン&ケヴィン圧巻のFSだった。
ジュニア時代から注目を集めていたのに、シニアに上がってからタイトルに縁がなかったケヴィンの優勝。
・・・報われていい、個性的であっていい、答えが出てよかったね、ケヴィン。
(1位 250.55    SP 78.34   FS 172.21)



2位だった羽生結弦選手。
世界最高得点を更新した自信のSPは、ジャンプミスがあったものの1位につけた。FSもミスがあり得点が伸びず総合2位。
ハニュウくんは、う~ん・・・。
SP、冒頭の4回転も素晴らしかったしプログラムとしての完成度も高いし、崩れようにも崩れない実力で滑りきった。
この日は疲れていたのかもしれないし、本人も気付かない心のどこかで「世界最高得点」のイメージを追おうとしていたのかもしれない。

FSもミスがあった、だから勝てなかった、と書くのは簡単だけど、今季の「ノートルダム・ド・パリ」これよ、このプログラムは今だにさっぱりわからない。曲に込められた感情を追うにも、ミュージカルのキャラクターなりストーリーを思い起こそうと見ても、エレメンツの連続にしか見えてこない。プログラムが進めば進むほど、その印象が強まって感情移入できない。ステップからすぐ跳んでこのジャンプで基礎点プラス加点とって、このスピンで何点・・・。
頭の中で電卓はじいてるのが透けて見えると感じるのは、私の歪んだ心ゆえか。

「80%の実力を出せば勝てる」これは実力の底上げという意味でどんな選手でも目指すこと、彼も当然そうありたい、と努力していることは理解できる。2種類、3種類の4回転にも取り組んでいる。彼は挑戦し続けているし、このヘンで勝てるだろうと安全策をとることもない。それはもちろん正当に評価されるべきよ。

でも昨シーズンまでの羽生くんの演技から感じられた「ここでつぶれてもいい、
オレの存在をリンクにきざみつけてやる」といった気迫、捨て身の魅力は消えてしまった。転倒して肩で喘ぐように息しながら、渾身の力で演じられたロミオ。あれは「時の花」だったのか。もう、あれを求めてはいけない。高い技術でクレバーに点をとっていく選手として認識しなければならないんでしょうね。
(2位 246.38   SP 87・05  FS 158.78 )



3位に入った中国のハン・ヤン選手。
今回6位に入ったナン・ソン選手と演技スタイルもそうだけど、ごっつい顔の輪郭、並外れた毛髪の多さも似ているわよね~。目付きが悪いほうがハン・ヤンね。
いきなりキレて、日本車ぶっ壊しそうな物騒な目付きが印象的だったわ~。
それはさておいて、と。体幹の強そうな身のこなし、成功すればクリーンで男性的なジャンプはお見事だった(ものもある)。アスリートとしての能力の高さは充分感じられた。ただこれはフィギュアスケートであり、競技は演技でもある。演技自体はニュアンスどころか、まだ強弱もない。「強」の目盛りのなかの-1から+4くらいまでの振り幅で、ひたすら自己顕示。
いろいろな意味で今の中国を具現するような選手であることよ、と思いましたわ。
(3位 235.22  SP 85.08  FS 150.14)



8位 無良崇人選手。
SP、FSとも得点が出た瞬間、そんなに悪くなかったと思うんだけど点が伸びないな~、というのが第一印象。もともと演じるのは苦手、というけれど、今季はSPもFSも男性的な演技スタイルを生かした振り付けも良くて、これはこれで魅力なんだけど・・・。
方向は間違っていないと思う。
「飛ぶから見てろ」と自信を持って世界選手権に臨んでほしい。



7位というまさかの結果に終わった高橋大輔選手。
SP新プログラムは前回記事でも書いたようにわからなかった。
頼みの綱、FSもジャンプミスが続き、まさかの大乱調。原因の分析はきっちり
チームダイスケにやっていただきましょう。
試合後は呆然としたけれど、やらかし系王者タカハシですから。これも定例の品質証明みたいなもので(苦笑)。このくらいナンてことない、次、次行こう、です。
オリンピックのワク取りがかかった世界選手権では今回のようなことは許されないのは、誰よりもご本人がわかっているはず。やってくれると信じている。







番外編:
衝撃だったのは4位になったアメリカのアーロン選手のSP衣装!
ヘン衣装では銀河点モノ、ついにあの孤高のジュべを追う選手があらわれたか!
衣装ばっかり目がいって、おかげで演技は覚えていない。
期待のFS衣装は、今度は普通すぎてこちらも演技は覚えていない、という惨事であった。申し訳ない。どうせならSP,FS衣装もそろえてね。


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