2014年度末の北陸新幹線金沢延伸に伴いJR東日本から経営分離される信越線長野以北に新駅の設置を検討している長野市は12日、北長野―三才間を優先候補地とする方針を固めた。今後、沿線住民への説明やJRから経営を引き継ぐ県の第三セクターしなの鉄道(上田市)との協議を経て、整備計画検討案を作る。
同日、市役所で開いた市交通対策審議会に示し、承認された。市は長野―豊野間(10・8キロ)の3カ所を対象範囲に、市が費用負担する「請願駅」による設置を検討。地理的条件や利用者数、整備費用などを調査した結果、北長野―三才間には近隣に長野高専などの教育施設があり通学利用が見込めることや、周辺道路の整備状況などから長野―北長野間、三才―豊野間より優先度が高いとした。
選定した候補地は、17年度までに整備予定の都市計画道路「北部幹線」と同線が交差する辺り。市は、駅を設置した場合の予測利用者数を1日当たり2900人余、概算工事費はホームの形状により4億7千万円〜10億7千万円と見込んでいる。
市は3月末までに沿線住民に説明する考え。来年度に市民意見を募り、しなの鉄道と設置場所などを話し合う。同審議会委員でもあるしなの鉄道の藤井武晴社長は「生活路線としての利便性を確保し、地域に根差した鉄道を目指したい」としている。