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プロローグ
「そなたを王にしよう」
光り輝く白の神殿。その中心に圧倒的な存在感を示すそれはいた。
綺麗に磨かれた床に描かれるのは、強大な魔法陣。ほのかに光りはじめたそれは魔法の発動が近い事を知らせていた。

魔法陣の中心に居るのは、一人の少女。ただ黙ってそれの声を聞いていた少女は実体のないそれに向かって口を開いた。
「いや、そんな事しなくていいですよー」
何処か間延びしたなんとも気怠げな声が神殿に響く。

「何故だ、世界の権力が手に入るというのに」
僅かな戸惑いを含んだ声が問う。人間というのは権力を欲しがる物ではないのか、とでも言いたそうだった。
「そんなものには興味ないんですよねー。というか王になった所で僕には手に余る物ですしね」
僕の小さな手ではそんな重い物抱えきれないと少女は笑う。その姿をじっと見ていたそれはまた少女に問うた。

「では、そなたは何を望む」

沈黙が流れる。思考していた少女は少し俯いていた顔を上げてはっきりとした声で言った。

「僕が望むのは……」


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