韓国は1980年代末から北朝鮮の核開発を阻止するため、外交上の努力を続けてきた。しかし、北朝鮮は2006年と09年に核実験を行い、さらに今月12日には3回目の核実験を行った。また、昨年12月には事実上の長距離ミサイル(北朝鮮は衛星打ち上げ用ロケットと主張)「銀河3号」の打ち上げにも成功した。20年以上にわたる韓国の対北朝鮮政策が、今や「完全な失敗に終わった」と言わざるを得ない状況になっている。これは歴代の政府関係者全員に責任があると言えるだろう。
ところが最近、金大中(キム・デジュン)・盧武鉉(ノ・ムヒョン)両政権で南北関係や北朝鮮の核問題などを担当したかつての責任者たちが「北朝鮮による核実験は李明博(イ・ミョンバク)政権の責任」と発言し、新たな問題として浮上している。彼らは「北朝鮮による核開発は交渉と支援を通じて阻止できたが、現政権がこれを無視した」などと主張している。
■金大中・盧武鉉両政権で活躍した大学教授「当時の政策は百パーセント正しかった」
金大中・盧武鉉両政権により2回の南北首脳会談が行われた際、その双方に関与していた延世大学政治外交学科の文正仁(ムン・ジョンイン)教授(東アジア時代委員長)は先日あるメディアとのインタビューで「金大中・盧武鉉両政権の対北朝鮮政策は百パーセント正しかった」と主張した。文教授は15日にも本紙との電話インタビューに応じたが、やはり同じような主張を展開し「両政府は現実を正確に認識していた」「核問題と南北関係は別問題と考えていた」などと述べた。さらに「ゲームチェンジ(情勢の変化)は2002年にブッシュ大統領がジュネーブ合意(1993年)の無効を宣言し、北朝鮮への重油提供を中断したことから始まった」「金大中・盧武鉉両大統領のように北朝鮮への関与を続けていれば、今のように情勢は悪化せず、核問題も解決できたはずだ」と主張した。
金大中・盧武鉉両政権の10年間、北朝鮮は1998年の長距離ミサイル発射を皮切りに、2006年の1回目の核実験まで突き進んだ。
両政権の元政府関係者たちは「北朝鮮との交渉で核開発は阻止できたと思うか」との質問に、全員が「そう思う」と回答した。盧武鉉政権で統一部(省に相当)長官を務めた鄭東泳(チョン・ドンヨン)元議員は「2回目と3回目の核実験が行われたのは、ここ5年の間に6カ国協議が吹き飛んでしまったからだ」「6カ国協議がストップしたことが原因で、北朝鮮に核開発能力を高める時間を与えてしまった」と述べた。