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“隕石”事前の発見は困難
2月15日 18時51分

ロシア中部で15日、隕石(いんせき)とみられる物体が落下しました。
隕石は、地球に落下した小惑星のことを指すことばですが、一般的には落下する隕石を事前に見つけることは非常に難しいとのことです。

地球に接近する小惑星の監視を行っている日本スペースガード協会によりますと、隕石は1ミリ程度の小さなものも含めれば、毎日のように地球に落下しています。
しかし、大部分が海など人の住んでいない地域に落ちるため、人が被害を受けることはこれまでほとんどなかったということです。
しかし、万が一の場合に備えて、世界十数か所の観測施設で監視体制が敷かれていて、日本では岡山県にある美星スペースガードセンターの望遠鏡で監視が行われています。
こうした体制により、過去には事前に落下が予測された隕石もあります。
2008年10月、アフリカのスーダンの砂漠に落ちた隕石は、落下のおよそ1日前、アメリカの天文台によって発見され、その後、世界中の観測に基づいて地球に落下することが予測されました。
しかし、一般的には、落下する隕石を事前に見つけることは非常に難しいといいます。
隕石の元になる小惑星が非常に小さく暗いため、ほとんど観測できないのが理由です。
日本スペースガード協会の高橋典嗣理事長は、「地球の軌道をかすめる小惑星のうち、直径が1キロメートル以上あるものは9割以上が見つかっているが、一方で直径が150メートルを下回るものは9割以上見つかっていない」と話しています。
また、「映像を見たかぎり、落下地点に大きなクレーターが出来ていないことから、地球に接近した小惑星が大気圏に突入する前に上空40キロ付近で爆発して地上に落下したのではないかと考えられる。ビルの窓ガラスが割れている映像があったが、隕石の落下に伴う衝撃波で割れたのではないか」と話しています。
そのうえで、「太陽との関係を見ると、隕石は東から南に移動しているように見える。あすの朝に地球へ接近する小惑星とは軌道が異なり、関係はないとみられる」と指摘しています。

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