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ロシア“隕石”落下で500人けが
2月15日 19時14分

ロシア“隕石”落下で500人けが
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ロシア中部で、隕石(いんせき)とみられる物体が落下し、その際の衝撃で、広い範囲にわたって建物のガラス窓が割れるなどして、これまでにおよそ500人がけがをしました。

ロシア中部のチェリャビンスク州などで、現地時間の15日午前9時すぎ、日本時間の15日正午すぎ、空から火の玉のような物体が、白い煙を残しながら落ちていくのが目撃されました。
ロシア非常事態省によりますと、落ちてきた物体は隕石とみられ、落下中に強い光を発しながら爆発して、空中でバラバラになったということです。
この衝撃で広い範囲にわたって、学校をはじめ建物のガラス窓が割れるなどして、これまでに子ども80人を含むおよそ500人がけがをし、このうち30人以上が入院しているということです。
また、建物の被害は300棟以上におよび、中心都市のチェリャビンスクにある亜鉛工場では、建物のかべの一部が崩れ落ちるなどの被害も出ています。
このほか、チェリャビンスク州周辺で、爆音がした直後に一時、携帯電話での通話ができなくなったほか、州内の学校では授業を取りやめました。
ロシア軍などが出て落下した隕石の捜索に当たった結果、チェリャビンスクから西におよそ70キロ離れた湖のそばで、直径6メートルのクレーターのようなものが見つかったということです。
チェリャビンスクの100キロ圏内では、このほかに少なくとも4か所で隕石の一部とみられる破片が見つかったという情報もあり、関係機関で確認を急いでいます。
          

チェリャビンスク州 ウラル山脈の工業地帯

隕石とみられる物体が落下したロシア中部のチェリャビンスク州は、モスクワから東におよそ1500キロメートルに位置し、カザフスタンと国境を接しています。
州の人口はおよそ367万人で、面積は北海道よりやや大きい、およそ8万8000平方キロメートルで、多数の湖があります。
ウラル山脈にある工業地帯に位置していて、鉄鉱石やマグネシウムなどを産出しているほか、軍事産業の拠点でもあり、このうち州北部の都市ミアスでは原子力潜水艦用の弾道ミサイルなどが製造されているとみられています。

ロシアで振動 複数の地震計が観測

隕石が落下したとみられるロシア中部で発生した震動が周辺の複数の地震計で観測されていたことが分かり、気象庁は、隕石の落下の衝撃や大気中の衝撃波などを捉えた可能性があるとみています。
気象庁によりますと、日本時間の15日午後0時20分すぎから午後0時半ごろにかけて、ロシア国内など、中央アジア周辺にある少なくとも6つの地震計で特徴的な震動が観測されました。
解析の結果、震源はウラル山脈の南側のロシア中部付近で、震源の深さはごく浅いと推定されています。
観測された震動の波形は通常の地震とは異なり、最初から振れ幅が大きいのが特徴で、気象庁は、隕石の落下や爆発による衝撃、または大気中に発生する衝撃波などを捉えていた可能性があるとみています。
気象庁によりますと、隕石の落下や通過に伴って発生する衝撃波は、日本国内の地震計でも観測された例があるということです。

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