◇イメージ悪化を懸念、皆で街を守る努力必要
金曜日の午後11時過ぎ。錦三を歩く記者に、20代前半くらいだろうか、茶髪にダークグレースーツの男性が寄り添ってきた。
「お帰りですか? かわいい子いますよ。安くしておきますよ」。まとわりつくように話しかけてくる。しばらく相手にしないで歩くと、今度は行き先を阻むように正面に立ちはだかった。性風俗店の客引きだ。
中には、ほろ酔い気分でスナックを出た客がママの見送りを受けている最中に、客引きが割り込んで勧誘し、トラブルになったケースもあるという。
錦三の乱れを危惧(きぐ)する地元の飲食店経営者や住民らでつくる「錦三丁目地区の都市景観をよくする会」は08年3月、国と市の補助も得て、約1000万円で防犯ビデオを設置した。さらに、強引な客引きが行われていないかの夜の見回り、電話ボックス内に張られたピンクビラの撤去、放置自転車の整理などを精力的に続け、街の景観維持に取り組んでいる。
しかし課題もある。錦三には11の町内会があるが、テナントが多く、在住している人が少ないため、地元からの町内会長は5人にとどまる。吉見且三事務局長は「地域の問題解決には住民パワーが一番だが、テナントの店の人たちにどう協力を呼び掛けるか」と話す。
08年6月、客引きに対する罰則の強化を盛り込んだ改正県迷惑防止条例が施行された。県警も取り締まりを強化しているが、客引きの側も巧妙に対策を講じている。
県警幹部によると、各店ごとに客引きを雇っているわけではなく、専門の客引きグループに依頼するスタイルが確立されているという。グループは警察署近くに仲間を配置。捜査車両が出動すると、携帯電話でナンバーや捜査員の数などを詳細に報告する。活動中の客引きはイヤホンを通じて情報を受け取るという。さらに県警幹部は「初犯は起訴猶予、2度目でも罰金だから懲りないというのも客引きがなくならない原因」と見る。
吉見さんは「かつて『錦三』は高級ブランドだったが、不況もあって衰退している。悪質な客引きは、さらに客足を遠のかせる要因にもなる。ビルのオーナーやテナントの人たちを含め、みんなで地区を守ることが大切」と話す。
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