トップページ社会ニュース一覧高校生の自殺訴訟 請求棄却
ニュース詳細

高校生の自殺訴訟 請求棄却
2月15日 16時50分

高校生の自殺訴訟 請求棄却
K10055488411_1302151713_1302151724.mp4

5年前、北海道稚内市で高校生が自殺したのは、教師からの行き過ぎた指導などが原因だったとして、遺族が損害賠償を求めていた裁判で、札幌地方裁判所は「教師の指導にはやむをえない面があった」などとして、訴えを退ける判決を言い渡しました。

平成20年7月、稚内市で高校2年生だった今野匠さん(当時16)は、携帯電話のサイトに同級生を中傷する書き込みをしたとして、教師から指導を受け、学校から無期停学の処分にするという連絡があったあと、自宅で自殺しました。
遺族は、6人の教師によって3時間に及び、「死ね」や「バカ」などの暴言を受けたと主張し、行きすぎた指導と重すぎる処分が自殺の原因だったとして、学校を管理する道に8000万円余りの損害賠償を求めました。
裁判で、道側は暴言はなく、停学処分も重すぎることはないなどと争う姿勢を示していました。
15日の判決で、札幌地方裁判所の石橋俊一裁判長は、「『お前はばかか』という発言があったのはほぼ間違いないが、前後の文脈や言い方が分からず、不適切な発言だという証拠はない」と指摘しました。
そのうえで、「教師の発言には妥当でない面がうかがえ、生徒への聞き取りも長期間にわたったが、書き込みの重大性からするとやむをえない面があった」などとして、訴えを退ける判決を言い渡しました。
判決のあとの記者会見で、生徒の父親の今野勝也さんは、「非常に残念でならず、今はショックで何も思いつきません。ただただ、がっかりしています。亡くなった息子や妻に残念だったと伝えたい」とうつむいた表情で話していました。
内田信也弁護士は、「教育現場での指導に対し、子どもたちにもっと配慮すべきだと指摘する判決を求めたが、事実関係の確認のみで深みのある判決が出ず、残念でならない」と話していました。
北海道教育委員会は、「判決では当方の主張が認められたと考えています」とコメントしています。

[関連ニュース]
このページの先頭へ