ピースおおさか:南京大虐殺展示、撤去へ 空襲などに特化
毎日新聞 2013年02月15日 大阪朝刊
大阪府は14日、戦争と平和に関する展示施設「大阪国際平和センター」(ピースおおさか、大阪市中央区)の内容について、南京大虐殺など旧日本軍の加害行為に関する展示を14年度に撤去し、大阪空襲などに特化することを明らかにした。政治主導で歴史教育の場を再構築するという。
ピースおおさかの展示は、大阪空襲▽アジア侵略▽平和への取り組み−−の3本柱。アジア侵略の展示では、朝鮮人の強制連行や南京大虐殺の資料・写真を紹介している。しかし、大阪維新の会府議が「子供には残虐過ぎる」と問題視。14日発表の13年度予算案で展示見直しに向けた設計費約1300万円を計上し、松井一郎知事は記者会見で「自虐的な部分があったので新たなピースおおさかを作りたい」と述べた。
新たな展示では、大阪空襲▽焦土からの復興▽戦後の平和の取り組み−−にテーマを絞り、内容も小中学生が理解しやすいよう改めるという。具体的な内容や方法については、専門家の助言を得て府市が検討する。
旧日本軍による侵略行為の展示については、橋下徹大阪市長が構想を掲げる「近現代史館」で国内外での歴史認識の違いを踏まえ紹介することも検討する。【熊谷豪】