▲ 2月14日の NASA サイエンスニュースは、小惑星による地震(揺れ)についての記事を掲載していました。Possible Seismic Activity on Asteroid 2012 DA14より。
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今日こそ、先日の「最後の法王と呼ばれ続けたベネディクト16世」の続きを書こうと思っていたというか、途中まで書いていたんですけれど、書いている途中で、また「スゴイもの」を見つけまして、そちらを先に書きます。
あと、今日の深夜(2月15日)から未明に、1ヶ月ほど前に記事にした、
・2月15日に地球の軌道圏内に突入してくる小惑星 DA14 が重力の影響でどんどんコースが地球寄りに
2013年01月12日
の小惑星 2012 DA14 が地球にもっとも近づくのですけれど、「小惑星接近によって地震が起きるかもしれない」ということが複数の科学者によって述べられています。地震というか、「大気を含めた地球と地球周辺の揺れ」というような意味のことのようですが、重力の関係で起きるもののようで、しかし、起きるか起きないかは「わからない」ということのようです。
上に載せましたのは、今朝見た NASA のニュース記事です。
この小惑星 2012 DA14 についての記事が、今日のスペースウェザーにわかりやすく書かれていましたので、これも後でご紹介いたします。
まず、その「スゴイもの」と思った図を先に載せておきます。
太陽系の中の小惑星の真実
そのスゴイものは、 下の図です。
これは NASA のジェット推進研究所の「Inner Solar System Orbit Diagrams (内太陽系軌道図)」にある「2013年1月1日の彗星と小惑星の軌道図」いうものです。
太陽から木星までの太陽系の範囲を示していますが、いろいろな「点」などがあります。さて、これは何を示しているのか。
ジェット推進研究所のページの説明をそのまま書きますと、
・黄色のドット(点)が小惑星
・矢印が彗星
だそうです。
拡大しますと、こういうことです。
この数はもう・・・無数という単位でいいのかと思いますが、しかし、驚いたのは、この「数のことだけではない」のです。
よく見てみますと、火星の軌道の外側に「待機しているように」多くの小惑星があり、火星の軌道の内側になると、その数は極端に少ないことがわかります。まるで、火星の軌道が何かの「壁」というような形でも示しているようにさえ見えます。
拡大しますと、よくわかります。
火星の軌道の内側に少ないとはいっても、それでも地球周辺だけで数十の単位では黄色い点が見えますが。
久しぶりに「宇宙と人体の相似」を思ったり
それにしても、上の図を見ていると、比喩としてよくないのはわかっていますが、「受精みたいだなあ」と思います。
下の図は、銀座レディースクリニックというところにあったものですが、それと対応してしばらくボーッと上の太陽系の図を見たりしておりました。
火星の軌道が「細胞胞をとりまく透明帯」というものに相当すると考えると、この図で言うところの「第一極体」とか「第二極体」など、それぞれ、「ああ、これが地球で、こっちが水星で」などと考えていましたが、まあ、こういう「宇宙と人間の対応の話」を始めてしまうと、話がどこまでも逸れてしまいますので、ここ数ヶ月は意識的に書かないようにしています。
それに、こういうことは、
「言葉に出さないで、そのことが、いつか実際に自分で感じられるほうがいいだろうしなあ」
と思ったことがある、ということもあります。こういうことは、本来、言葉や理論で説明するようなものではないはずなのに、昨年あたりまでは、あまりに「言葉と理論で理解すること」にこだわり過ぎていたという反省もあります。
いずれにしても、とにかく、上のように、「太陽系の姿」というのは、もう「まったく完全に生きている宇宙の縮図」であると感じます。
常に動いていて、何らかのサイクルがある。
太陽系、その上の銀河系、その周囲の宇宙、そして繰り返し。
その宇宙は最終的に、もしかしたら、上の「太陽系と受精の様子の相似」のように、私たちの最も身近なところに行き着くものなのかもしれないですが、いずれにしても、これだけの活発な流星体の活動の中、地球があって、そこに地球と共に生活して生きていられるという一種の奇跡を私たちは噛みしめてもいいのかもしれないのかもと思ったりいたします。
さて、ここからは今夜、地球の間近を通過していく小惑星 AD14 について少し書いておきます。
基本的には地球に衝突しないと思われますが、NASA などの記事や、あるいは多くの科学者が「地球の揺れ」や、あるいは、衛星などへの影響についての可能性については述べています。
現在の天体観測体制の中ではもっとも地球に近い場所を通過していく DA14
この小惑星 DA14 は「地球に危険性を持つ天体の観察が恒常的に行われるようになってから、これほどの近距離をこれほどの大きさの天体が通過するのは初めて」ということもあり、いろいろな意味で、その影響の観測に注目が集まっているようです。
最も地球に近づく際には、下のような距離関係となるようです。
ただ、重力の影響により、大きく逸れる(離れるか近づく)という可能性はあるようです。
▲ NASA が公開したビデオ Asteroid 2012 DA14 to Safely Pass Earth (小惑星 DA14 は地球に危害を与えずに通過する) より。
地球に最も接近するその時間なんですが、NASA の時間が世界標準時なのか、米国東部の時間なのかわからなかったのですが、ナショナルジオグラフィックにこのようにありました。
米東部標準時2月15日午後2時24分(日本時間16日午前4時24分)には、東インド洋スマトラ沖の上空2万7700キロを通過するまで接近する見込みだ。月までの距離の10分の1しかない。
とのことで、一番近づくのは、日本時間では、2月16日の明け方くらいのようですね。
再接近する時に通過する場所は、スマトラ島の上空のようです。そして、こちらによりますと、欧州、アフリカ、アジア、オーストラリアなどからは望遠鏡で観察ができるそうです。
今年はとにかく、彗星なども含めて、非常に多くの天体が地球の近くにやってきますので、天体ファンには嬉しい年だと思います。あるいは、大量絶滅ファンの人などにも、場合によっては、これまで何度もあった「大量絶滅の始まり」の瞬間を見られる可能性もあるわけで、いろいろな人の期待が膨らむ 2013年から 2014年だと思います。
ネアンデルタール人から現生人類に変わったように、人類といっても、いろいろと変転していくのがこの地球のようで、今の状況を私自身は「その人類の種のひとつの究極(あるいは限界)」と感じていますので、時期的にも、いいのではないかと思っています。
生命の根本的な変異が DNA の変異と同列に考えられるとするならば、それを根本的に(しかも一斉に)書き換えることができるのは、ウイルスやファージなどの「生物ではない微生物」しかいないわけで、それらはみな宇宙からやって来て、多くは彗星が運んできます(これに関してはもう間違いがないと思います)。
さて、今回は、スペースウェザーの記事をご紹介して締めたいと思います。
ここからです。
ちなみに、「この小惑星 2012 DA14 は地球に衝突はしない」というところが太字になっていますが、オリジナルのままです。スペースウェザーの記事で太字の強調は珍しいです。
ASTEROID FLYBY:
Space Weather 2013.02.15
小惑星が通過する
2月15日の午前(日本時間16日の明け方)、小惑星 2012 DA14 は、私たちの地球から約 27,500キロメートルの場所を通過する。1990年に地球に影響のある天体の観測と調査が始められて以来、このサイズの小惑星が、これほど地球に接近するのは初めてだ。
研究者たちはこの 50メートルほどの小惑星が地球の重力に影響を与えることにより地震(揺れ)活動を引き起こす可能性があると考えている。
下の図は NASA のコンピュータシミュレーションによる DA14 が地球を通過する様子だ。
小惑星 DA14は、地球に最も接近する時に8等級の星と同等程度の明るさに光ると思われる。理論上は、家庭用の望遠鏡でも観測できる明るさだ。
ただし、一般の方々が望遠鏡で観測する場合、問題となるのはその速度だ。小惑星 DA14 は、1分間に満月の幅の2倍ごとの速度で空を横切っていく。なので、この速度を望遠鏡で追跡するのはかなり難しい。しかし、経験豊富なアマチュア天文家なら、観測に成功する可能性もある。 NASA では、NASA TV( NASA のインターネットTV ) で、この小惑星の通過を中継する。
小惑星 2012 DA14 は、米国アリゾナ州にある巨大な隕石クレーターや、シベリアのツングースカ大爆発を引き起こしたと考えられる天体とほぼ同じ大きさだ。しかし、それらと違うのは、この小惑星 2012 DA14 は地球に衝突はしないということだ。仮に、揺れによって小惑星がバラバラに破壊された場合でも、地球には危険は及ばない。断片は元の小惑星の軌道に乗って移動していく。