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小惑星 16日地球に最接近へ
2月15日 16時36分

小惑星 16日地球に最接近へ
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直径が45メートルほどある小惑星が、16日に地球に最接近します。
地球に衝突することはありませんが、最も近づくときには、気象衛星より近い場所を通過し、双眼鏡を使えば、日本でも見られるということです。

地球に接近しているのは、「2012DA14」という小惑星で、直径およそ45メートル、重さはおよそ13万トンあるとみられています。
NASA=アメリカ航空宇宙局によりますと、この小惑星は太陽の周りをほぼ1年間で1周していて、日本時間の16日午前4時25分ごろ、最も地球に近づきます。
そのときの距離はおよそ2万7700キロと、地球を回る気象衛星よりも近い場所を秒速7.8キロの猛スピードで通過します。
地球に衝突するおそれはなく、宇宙飛行士が滞在している国際宇宙ステーションからも遠く離れた場所を通過するため影響はありません。
最も接近したときでも、明るさは7等星ほどのため、肉眼で見るのは難しいということです。
しかし、双眼鏡や望遠鏡を使えば、日本でも、16日の午前4時ごろから夜が明けるまでの間、南西から西の空に向けて1分間に月2つ分ほどのスピードで上っていく小惑星が見えるということです。
国立天文台の渡部潤一副台長は、「これほど大きな小惑星がこの距離まで近づくことは非常に珍しく、研究上も非常に貴重なチャンスだ。空が暗いところなら、双眼鏡や望遠鏡があれば見えるので、宇宙がダイナミックに動いていることを感じてもらいたい」と話しています。

衝突は1200年に1度

NASA=アメリカ航空宇宙局によりますと、今回と同じぐらいのサイズの小惑星が、同様の距離まで地球に近づくことは、40年に1度ほどのペースで起きています。
そして、およそ1200年に1度は、近づくだけでなく、地球と衝突しているとみられます。
今回の小惑星が地球に衝突することはありませんが、仮に衝突した場合、どれほどの被害が考えられるのでしょうか。
これについて、国立天文台の渡部潤一副台長は、今から100年余り前の1908年に、ロシアのシベリアで起きた「ツングースカの大爆発」を例に説明します。
このときは、今回とほぼ同じ大きさの小惑星が大気圏に突入し、上空で大爆発を起こしたと考えられていて、その結果、半径20キロにわたって森林の木々がなぎ倒される被害が出たということです。
渡部副台長は、「『ツングースカの大爆発』は、人がほとんど住んでいない場所で起き、大惨事にはならなかった。もし、東京のような人口密集地に衝突すれば大変なことになるが、幸い、これまでに見つかっている小惑星の中に、地球に衝突しそうなものはない」と話していました。
また、6500万年前には、今のメキシコのユカタン半島付近に直径数キロメートルの小惑星が衝突し、当時、地球上に生息していた恐竜を絶滅させる一因になったとされています。

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