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質問:No.1052648
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「汚名を挽回する」という表現は間違いでしょうか
「汚名を挽回する」という表現は間違いでしょうか。

「汚名」という言葉には「悪い状態を抜け出して良い状態を取り戻す」という意味があると思います。

そして「劣勢を挽回する」のように悪い言葉を目的語にする場合は「抜け出す」の意味が強くなり、「名誉を挽回する」のように良い言葉を目的語にする場合は「取り戻す」の意味が強くなるのではないでしょうか。

「汚名をは挽回する」は前者のケースに当たるので、使い方として間違っていないように思うのですが、この考え方のどこに問題があるかお分かりの方はお教えください。
投稿日時 - 2004-10-23 05:44:08
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回答:No.19
畳み掛けるように何度も回答してすみません。

あれだけ長い回答を書きながら言い忘れたことがありました。
「汚名」という言葉の意味です。

「汚名」の「名」とは自分に付けられた「印」のことです。「レッテル」と言ってもいいでしょう。英語で言う bad name (“ボン・ジョビ”の歌の歌詞にもありますが)が「汚名」に当たります。
「汚名」は自分に付けられた「悪い印」ですから「すすぐ(洗い落とす)」あるいは「そそぐ(取り去る)」という言葉がそれに続くのです。

一方「劣勢」は、例えば天秤ばかりの針が「劣っている」方向に傾いただけであって、“「劣っている」という「レッテル」を貼られた状態”とは違うのです。針の傾きを「優勢」の方向に持っていけば「優勢」にすることも可能です。だから「劣勢挽回」が使えるのです。もっと単純に言えば、「挽回」するのは「劣」ではなくて「勢」なのです。「劣っている“勢い”を取り戻す」というのが「劣勢挽回」の意味です。

しかし、「汚名」という言葉の中には「劣勢」と違って、「取り戻す」べきものがありません。「汚名」の場合は一旦それを洗い流すか、取り去るかしないと「名誉」が挽回できないのです。もちろん順番が逆になって、ほかのことで「名誉」を挽回することによって「汚名」を取り去ることもできます。とにかく「汚名」は洗い流すか取り去るかしないと「挽回」というところまではいかないので、「汚名」と「挽回」を直接くっつけるわけにはいかないのです。

また「汚名返上」の「返上」は謙譲語であることからして、自分より目上のもの、あるいは自分より強いものに「お返しする」という意味です。なぜ「返上」かというと「汚名」というものが世間から与えられた「悪い評判」であることから、それを「世間」にお返しするという意味で「返上」という言葉が使われているのです。

たぶん、質問者さんの頭の中には、先ほど上述した「劣勢挽回」のように「汚れた“名(名誉の名)”を取り戻す」のだから、正しいのではないか、という疑問があるかと思います。それは元々の意味から離れてしまっていて間違った解釈ですが、私もそういう拡大解釈の可能性は「言葉の変遷」という意味においては否定はしません。しかし現状では、No.17の最後の方で書いた理由によって「汚名挽回」がすぐに一般化した表現になるとは思えないのです。
投稿日時 - 2004-10-25 11:57:51
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補足
お礼の欄に書いたように「汚名挽回」の間違いは納得しました。
最後に皆さんにクイズののりでちょっと聞きたいことがあります。

[質問]
以下の挽回という言葉を別の言葉で言い換えて下さい。
・劣勢を挽回する
・失態を挽回する

なぜこんなことを聞くかというと、私が「汚名挽回は本当に間違いなのか」を検討した時、次のような考えにはまったからです。

「劣勢を挽回する」の挽回は「はねのける」と言い換えられる。そうすると「汚名をはねのける」というのは別に間違っていないのではないか。

「失態を挽回する」の挽回は「打ち消すだけの成果を上げる」と言い換えられる。そうすると「汚名を打ち消すだけの成果を上げる」というのは別に間違っていないのではないか。

このような誤解を生まない表現について、良いアイディアがあったら聞かせてください。
投稿日時 - 2004-10-27 12:10:18
お礼
大変丁寧な回答をありがとうございます。ここまで書いていただくと、さすがの私にも理解できました。

私なりの分析も加えてまとめてみたので、おかしな点があればご指摘ください。

****

「挽回」とは「取り戻す」意味であり、目的語になる言葉は大きく三つに分類される。

(1)良いもの、失いたくないもの
名誉/人気/信頼/シェア/…

(2)単に「状態」を意味する言葉
成績/戦局/経営/…

(3)状態が悪い方向に変化したこと、またはその結果を示す言葉
劣勢/収入減/低迷/失態/苦境/…

「汚名」を「名が汚れた状態」と解釈すると(3)に当てはまることになるが、この解釈は間違っている。
「名」という字には A.名前・呼称、B.きこえ・評判、などいくつかの意味があり、「汚名」の「名」はAの意味である。一方、汚れたり高まったり傷ついたりするのは Bの意味の「名」であるから「汚名」を上のように解釈してはいけない。
投稿日時 - 2004-10-27 12:09:56
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ベストアンサー以外の回答
回答:No.18
すみません。訂正です。

No.17の2行目「No.8 & No.13です。」は、「No.8 & No.14です。」の間違いでした。

申し訳ありません。
投稿日時 - 2004-10-25 11:03:13
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回答:No.16
  『用字用語集』(朝日新聞)によれば、「挽回→ばん回、盛り返し、回復、立て直し」とあります。複数の意味が混じっているようです。
 どうして「挽回」という言葉には複数のニュアンスが混在しやすいのかという視点から考えてみました。

1.本来は「名誉挽回」という熟語の形で使われたもののようです。
わが身から離れつつある「名誉」を、<自助努力によって>引き戻し=挽き返し、改めて名誉を回復させるという意味になるでしょう。
 そして英語での例えば "retrieve(/redeem) one's honer" など、retrieve「いったん手元から離れたものを努力して取り戻す」とか、redeem「名誉・権利・地位などを<努力して>回復する」の意味となっていますから。このような外来語文章の訳語として「挽回」が充てられたのではないでしょうか。

2.次に「領土挽回」の形で、出雲の「国引き」神話のように、相手によってわが身から引き離されつつある領土を自力で引き返させ、領土を取り戻す意味にもなったと。

3.更に「勢力挽回」として、相手を前提とした、いわば綱引きのイメージで、相手が優勢なために綱が手繰り寄せられるのを綱を話さずに頑張ると、自分自身がどんどん引き寄せられてしまい、結果として当初の境界線に近づき敗色が濃くなってくる。そこを何とか踏ん張って、徐々に後退しながらも「領土挽回」の要領で勢力バランスを自軍優勢にと、自力で招き寄せる意味にもなった、と。言ってみれば、取られたものを人から取り返すという「奪回」や、自軍の得点を増やして相手に追いつくという「奪還/奪取」の意味にさえ用いられるようになったのかも知れません。
 ここから自力での劣勢回復や失地回復など、とりわけスポーツ競技での「キャッチアップ(追い上げ・巻き返しのための努力)」としての、「守勢挽回」「劣勢挽回」「失地挽回」と呼べる素地ができたのではないでしょうか。あるいはまた「キャッチアップ(遅滞分を取り戻しノルマに達しようとする努力)」としての、例えば電車の遅延なども「遅れの挽回」「生産高の挽回」なども。
 ここまでくれば、少なくともスポーツにおいての弱さである負の状態=汚名を、懸命な努力で打ち払おうとする意味での「挽回」もありそうに思えてきます。

 以上から、私はこの難解な「挽回」は「汚名返上」「ダイヤ回復」「領土奪回」「捲土重来」といった慣用語として「名誉挽回」を使いますが、それは名誉は矜持や信念などが自身に残っている限り失われる類のものではなくあくまでも自分自身が相手なのだから、ひたすら自助努力は欠かせないという意味で単なる「回復」では物足りないからです。
 一方、スポーツや格闘の世界での、相手があり奪い合う対象が外部に存在する場合には、「挽回」は自分からは使いませんが、その分野の人がキャッチアップの意味で使ったのだろうと理解はできますし、熱い思いで「この回で挽回しよう」とエールをおくるのも自然に思えます。
 そして、これも自分は絶対に使いませんが、「汚名挽回」を熱く語る人なら頭に中で翻訳して聞きます。ただ口先だけでとても自助努力の誠意が窺えない人物に対しては己の脳中においてそっと「汚名返上」だろうって交ぜっ返すかも知れません。
投稿日時 - 2004-10-24 23:11:47
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補足
回答ありがとうございます。しかし私には「なぜ劣勢挽回は正しくて、汚名挽回が間違いなのか」が理解できませんでした。
それともひょっとして「劣勢挽回と汚名挽回はどちらも間違い」という主張でしょうか。
おバカな私に再度端的なご説明をいただけませんでしょうか。
投稿日時 - 2004-10-25 03:10:32
回答:No.15
こんばんは。#13です。

 #14さん(#8さん)のご意見、私にとっても非常に勉強になりました。

 「『汚名挽回』は……言葉の変遷過程にある言葉とは別の範疇に入る言葉です。」というご指摘にも納得します。確かに「全然」や「ラ」抜き言葉とは別の範疇の言葉だと思います。

 ただ、どんな範疇の誤用であるかという理屈とは関係なく、結局は受け入れる人が多数派になれば、新しい言葉として受け入れざるを得なくなるというのも事実ではないでしょうか。

 その点で、#14さんは、「『汚名挽回』という表現は……多くの人にとってこれからも長い間、違和感を感じさせ続ける言葉だ」と断定されているのだと思いますが、残念ながら、私には#14さんほど自信がありません。

 私には、本当に#14さんの予想通りになるかどうかについては「わからない」としか言えません。#14さんの「『汚名挽回』は本来はおかしい」という主張は正しいと思いますが、すでに何人かの方が回答に書いておられるように、「汚名挽回」を受け入れる解釈も成り立つ以上、それを受け入れる人が多数派にならないとは言い切れないと思うのです。たとえその解釈が言葉の成り立ちから考えて間違っていても。

 もちろん、違和感を覚える人がゼロになるとは思いませんが、言葉が市民権を得るには「誰にとっても違和感なく感じる言葉になる」必要はないと思うのです。ちなみに私が小学生の時(昭和40年ごろ)に教えてくださった先生は、「『一生懸命』というのは絶対におかしい、違和感がある。『一所懸命』であるべきだ」とおっしゃっていました。たしかに「一生懸命」という言葉には「雰囲気」はありますが、ここに「一生」という言葉が入るのは理屈から言えば変なのです。そして、当時の辞書には、その先生の主張を後押しするような記述もありました。それでも、言葉の変化は、そんな理屈を超えてしまいました。だから、私は、「汚名挽回」が理屈の上で変な言葉であっても、どうなるかは「わからない」としか言えません。

 そこで質問者の方に改めて申し上げます。「汚名挽回」という言葉は語源的には明らかに間違いだが、市民権を得つつある可能性もあり、同時に市民権を与えたくないと考える人も相当いる言葉であり、そのダイナミックスの中でどうなるかわからない「微妙な過渡期」にある言葉だ……と。

 私としては、敢えて傍観者でいることを避けて「言語運動」に参加するとするならば、#14さんの主張に共鳴し、「名誉挽回」「汚名返上」を使うように心がけたいと思います。しかし、小学校の時の私の先生の思いが世の流れを食い止められなかったのと同じように、私たちが「汚名挽回」を間違いだとは言い切れなくなる可能性は、たっぷりあると思います。
投稿日時 - 2004-10-24 19:16:28
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補足
No13~15にまとめてお礼とコメントをさせてもらいます。
大変興味深い議論をありがとうございます。ただ、汚名挽回が誤用である理由が書かれていないのが残念です。「汚名返上」が適切な言い方であることは理解していますが、その事だけでは「汚名挽回」が間違いであることの理由にはならないと思うのです。
投稿日時 - 2004-10-25 03:00:10
回答:No.14
こんばんは。No.8です。

「汚名挽回」が一般でも使われていて、市民権を得ていているから使用しても可ではないか、という議論がされたのはもう十数年も前のことです。

それまでは、民放の放送局のアナウンサーでも「汚名挽回」という誤用をよくしていました。それは「汚名挽回」という言い方が正しいと思って使っていたわけではなく、単に「汚名返上」と「名誉挽回」を混同して無意識に使ってしまっていただけです。

その議論の後、民放各局ではアナウンサー教育を徹底して「汚名返上」「名誉挽回」という使い分けが意識されてなされるようになり、最近ではうっかりミスでの誤用はたまにあるものの、「汚名挽回」というミスはほとんど見られなくなりました。

これには、放送記者出身の奥秋義信氏などがその著書の中で「汚名挽回」などの日本語の間違いを指摘した影響も大きいと思います。

もちろん日本語は変わって行きますし、かつては使うのが憚られた言葉が一般人の間に浸透して市民権を得た言葉もあります。
「やばい」もそうですし、「全然」が否定の表現だけではなく、肯定の表現にも使われるようになったこととか、「ラ」抜き言葉などです。これらの言葉は、故金田一春彦氏曰く「なるべくしてなった言葉」に入ります。
しかし「汚名挽回」はこれらの言葉の変遷過程にある言葉とは別の範疇に入る言葉です。

「汚名返上」は「名誉挽回」と対になって同じような意味を表す表現として、どちらも同じぐらいの頻度で使われています。
「名誉挽回」という言葉があり、「名誉返上」という言い方が事実上使われていない以上、“逆の意味の価値観を逆の動作で表現した”ほぼ同様の意になる「汚名返上」という言葉の存在意義があります。
つまり、「汚名挽回」という表現は「名誉挽回」という言葉がある以上、多くの人にとってこれからも長い間、違和感を感じさせ続ける言葉だと考えます。

もし仮に「汚名挽回」が本当に通用し、誰にとっても違和感なく感じる言葉になるとしたら、「名誉挽回」という言葉が何かの原因で使われなくなってしまう状況という可能性しか想定できません。
投稿日時 - 2004-10-24 17:50:18
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回答:No.13
■私の結論 
 もともとは「名誉挽回」「汚名返上」が正しく、「汚名挽回」は誤用でありましたが、「汚名挽回」でも誤解されることはありませんし、一般的に使われ始めているので、新しい日本語として市民権を与えられていると考えるべきでしょう。

■考察
 誤用が市民権を得て「正しい」表現になってしまった例は多くあります。
 今は漢字書取試験にも出題される「一生懸命」は、「一所懸命」の誤用から生まれました。「もともとはAという表現が正しく、Bは誤用だった」としても、「今もAだけが正しく、Bは駄目」とは限りません。言葉は生き物です。
 ちなみに、三省堂の「大辞林(第二版」には、「汚名」の項に「汚名挽回」という用例が載っています。
 もちろん、「正解か不正解か」という問題を超えて、言語運動として「Bという表現は日本語を壊すから、Aという表現を使うようにしよう」という主張はあってもいいと思います。
 ただ、私個人の感覚としては、「汚名挽回」という言葉が流通したからといって、それが日本語を壊すことになるとは、あまり思いません。

■考察2
 日本語を壊す「誤用」現象を挙げるとしたら、たとえば、従来は悪い意味でしか使われなかった「やばい」という言葉が、若者の間で「よい意味」でも使われるようになっていることでしょうか。「この匂い、やばい!」というのが、「すごくいい匂い」という意味だったりします。私は、誤解や世代間のディスコミュニケーションを引き起こす言葉の用法は、望ましくないと思います。
 ただ、もともと日本語には、1つの言葉が「いい意味」と「悪い意味」の両方に用いられる伝統がありました。たとえば平安時代の形容詞「いみじ」などは、その典型的な例です。どちらの意味で用いているかを思いやりながら言葉をやりとりするという「奥ゆかしさ」が、日本語の伝統だとすれば、「やばい」の両極用法も、あながち否定はできないのかもしれません。
 
 
投稿日時 - 2004-10-24 15:42:42
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