2013-02-15
■義理チョコというテロ活動
気がついたらバレンタインデーが終わっていた。
僕は義理チョコは断る。本命も、僕が相手を好きでなければ断る。
毎年これを表明しているが、今年も義理チョコを渡してきた人がいたので繰り返しておく。義理チョコは悪しき風習だ。邪教といってもいい。
僕がバレンタインデーを嫌いな理由はいくつかあるけれども、その最大のものは義理チョコがあるからだ。
特に学校や職場などで義理チョコを配るという習慣は最悪である。
なぜそう思うのかというと、配っている本人は全く気にもとめていないと思うのだけど、「みんなに配る」の「みんな」に含まれなかったり、あぶれたりする人が必ず存在するからだ。
というのも、学校でも職場でも、全員に平等に接することができる人というのは殆ど居ない。
どうしても、好き・嫌いがあるし、好き・嫌いの優先度は無意識のうちに序列されている。
たとえばある職場Aに、10人の男性が居たとする。そこに義理チョコを用意して来た女子Aが、ぴったり10個ぶんを会社に持って来る。
そこで順番に配るんだけど、その途中で隣の部署のイケメン部長だとか、取引先のちょっといいなと思ってる男性だとかに義理チョコをあげるとか、もしくは同僚の女子にもあげるとか、そういうことをすると必ず貰えない人間が出て来る。
この場合の貰えない人間というのは、絶対に均等な確率では発生しない。
義理とはいえ(いや、ならばこそ)、配る本人の無意識の序列が反映され、必然的に目立たない人、縁が薄い人は後回しになる。
また、悪気はなくても、誰かを忘れることもある。
それを全女子社員がやろうとすると、かならず義理チョコでも偏りが発生する。
「あいつは貰えたのに、おれは貰えないのか」
というマイナスの感情が誘発され、男は口には出さないけれども、静かに傷つく。
これがバレンタインデーを外れてれば、その傷も浅いが、バレンタインデー当日だけは、どうしても傷つくのだ。
ただでさえ、男は家に帰れば母親や妹から「今年は何個貰った?」とわけのわからないことを聞かれる。結婚すれば嫁にも聞かれる。数貰うことがまるで尊いことであるかのように。
そこに価値観を見いだす人間が周囲にいる以上、自分は関係ない、と思っていても静かに傷つくのだ。
学生時代、僕はチョコレートをもらう年も貰わない年もあったけれども、例えば友人と二人で歩いているときに部活の後輩なんかに僕だけ義理チョコを渡されて、友人が「おれ今年はひとつも貰えなかった」と静かに傷つくことがある。
そんなとき、僕は「じゃあこれ二人で食おうぜ」と言うんだけど、本当はそれだってなにか微妙な感じだ。
製菓会社のマーケティングに踊らされて、まったく無関係で居たい人間までもが傷つく。そういうのが嫌なのだ。
さらにいえば、たとえ義理であろうとチョコレートを貰えば、ホワイトデーになにかお返しをしなきゃならないという悪習もある。
僕はホワイトデーにお返しをするのを忘れたことが何度もある。
相手も義理なんだからお返ししなきゃならない義理もないだろと思うんだけど、そもそも誰がなにをくれたのか、一ヶ月も覚えてられない。食べ物だし。食べちゃうし。あと、一日にチョコレートを何個も貰っても食べれない。「いつか食おう」と思って冷蔵庫に入れておいたチョコレートを一年後に発見することもある。全てが無駄なのだ。
また、例えばチロルチョコをもらった場合と、手作りのケーキをもらった場合と、たまにチョコでもケーキでもなくセーターとかマフラーとかもらった場合に、いったいなにをお返しとすべきか悩まなくてはならない。
義理チョコを配る方は極めて気楽だが、貰う方も貰えない方も無駄に神経を使う。
これはお中元やお歳暮にも言えて、僕はお中元やお歳暮といった日本の古き習慣も、基本的に大嫌いだ。
なんでサラダ油とか醤油とかタオルとかをわざわざ物々交換しなきゃならないのだ。必要なら買うよ。一体何年分のサラダ油を交換したことかわからない。結婚式の引き出物も同じだ。もらったほうは完全にいらないようなものがいくつもある。しかしお祝い物だから捨てるに捨てられない。カタログギフトはかなりマシだけれども、それでも別にいらないもののほうが多い。
この手のもので唯一許せるのは、開業や移転のときに送る胡蝶蘭などの花である。
花はどうせすぐ散るし、捨てるのは面倒だけれども、それでも気持ちの上ではなむけとして相手になにかいいことがあったときにそういうものを贈るのは素晴らしいことだと思う。しかもこれは物々交換性はない。常に一方通行。こういうのがいいのだ。
だからとにかく僕は義理チョコを貰うのは拒むことにしてる。
義理チョコは、日本の悪しき習慣として認識されるべきだ。
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